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感染管理推進室

業務内容

院内感染対策指針に基づき、感染防止対策の継続を目標として取り組みました。

感染症診療介入ミーティング(週1回)

病原性微生物検出状況の把握、抗菌薬の使用状況確認を主に行います。必要に応じて治療方針の確認、TDMやde-escalationの提案などを行いました。

抗菌薬の適正使用に向けての取り組みとしては、電子カルテ更改に合わせてカルバペネム系、抗MRSA薬の他、ニューキノロン系の届出制を開始し、薬剤耐性菌対策に繋げています。当院のアンチバイオグラムを作成・配布し、治療に役立てています。

院内ラウンド(週1回以上)

薬剤耐性菌対策、標準予防策遵守の確認を中心として、院内の各部署をラウンドしています。マニュアルの遵守や環境保持に関する項目について観察・指導し、結果を写真と共にフィードバックし、感染防止対策の改善・維持に繋げています。感染管理推進室メンバーの増員により、ラウンド回数を増やすことができ、改善状況の確認もタイムリーに行えるようになりました。

サーベイランス

中心静脈カテーテル関連血流感染(CLABSI)サーベイランス、手術部位感染(SSI)サーベイランスを継続しています。引き続き、傾向分析や問題点の早期発見に役立てていきます。

感染防止対策加算1施設としての取り組み

感染防止対策加算2施設への支援体制は、今年5年目を迎えました。通常の年4回カンファレンスに加え、相互の施設ラウンドを実施、感染対策の改善を直接観察で評価しました。継続している手指衛生サーベイランスデータの共有と意見交換、対策指導の他、JANIS検査部門のデータの共有を開始し、薬剤耐性菌対策についても各職種間で意見交換を行っています。

地域連携加算施設との相互評価では、客観的な評価が継続でき、相互の感染防止対策の改善に繋がっています。

院内感染対策チーム(ICT)の運営

セミナーを3回開催(表1.参照)しました。ICTメンバー全員参加によるICTラウンドでは、病棟の標準予防策を重点に置き、週1回全病棟・ICUをラウンドしています。手指衛生の直接観察や環境の観察などを行い、遵守率を算出・報告しています。

院内感染対策スタッフ(ICS)の活動支援

ICSが自部署のスタッフに対して手指衛生、個人防護具の着脱指導監査を継続実施し、正しい手技を指導しています。手指衛生サーベイランスとしての手指衛生剤使用量調査では、各部署で設定した目標を達成できるよう、ミーティング内で改善に向けた意見交換を行っています。データは毎月還元し、ICSより部署へフィードバックしています。

委託職員への職業感染対策

2016年度より、委託職員へのB型肝炎ウイルス・小児流行性ウイルスに対する抗体獲得の取り組みを開始しました。委託職員146名を対象として、各種ワクチン接種を実施しました(接種率100%)。

今後も医療を受ける患者さんはもちろん、院内で働く職員の安全と安心のため、医療関連感染対策の充実に努めます。

表1 感染管理に関する教育・研修の実施状況

日時 研修内容等 講師等 対象
2月12日 平成27年度 第3回ICTセミナー
「感染情報と対策のミエルカ」
感染制御医師
感染管理認定看護師
全職員
3月4日 新人看護師 2年目直前研修
講義「標準予防策」
演習「輸液関連の清潔操作」
感染管理認定看護師
看護部教育委員
新入職員
4月1日 感染管理 新採用者研修 感染管理認定看護師 新入職員
4月8日 新人看護師集合研修
講義「標準予防策」
実技「手指衛生と個人防護具」
感染管理認定看護師
看護部教育委員
新人看護師
4月18日 感染管理 研修医研修
講義「感染症の治療と届出」
実技「 手指衛生と個人防護具・N95マスクフィットテスト」
感染制御医師
感染管理認定看護師
新入研修医
5月12日 平成28年度
第1回院内感染対策スタッフ勉強会
「個人防護具着脱と手指衛生演習」
感染管理認定看護師 院内感染対策スタッフ
6月1日 病棟クラーク研修
講義「標準予防策」
実技「手指衛生と個人防護具」
感染管理認定看護師 病棟クラーク
6月23日 新人看護師3ヶ月フォローアップ研修
「標準予防策」「感染経路別対策の理解」
感染管理認定看護師
看護部教育委員
新入看護師
7月13日 平成28年度 第1回ICTセミナー 
「結核の基礎知識」
呼吸器内科部長 
西山薫先生
全職員
8月18日 平成28年度
第2回院内感染対策スタッフ勉強会
講義「感染性胃腸炎・食中毒」
演習「おう吐物処理」
講義:臨床検査技師
演習:感染管理認定看護師
院内感染対策スタッフ
9月30日 平成28年度 第2回ICTセミナー
「手術部位感染対策 up to date」
【外部講師】
大阪労災病院
外科・消化器外科
胆管膵外科部長
清水潤三先生
全職員
10月7日 看護部リーダー研修
「感染経路別対策」「予防策の立案」
感染管理認定看護師
看護部教育委員
看護部リーダー研修対象者
10月25〜28日 N95マスク研修 感染管理認定看護師 中途採用者
11月10日 平成28年度
第3回院内感染対策スタッフ勉強会
「環境清掃と消毒薬」
感染管理認定看護師 院内感染対策スタッフ
11月11日 看護部中堅研修
「感染管理・皮膚排泄ケア研修」
感染管理認定看護師
皮膚排泄ケア認定看護師
看護部教育委員
看護部中堅研修対象者

月別 中心静脈カテーテル関連血流感染(CLABSI)発生率とカテーテル使用比

年別 中心静脈カテーテル関連血流感染(CLABSI)発生率とカテーテル使用比

年別手指衛生剤使用量(2010〜2016年)

研究活動について

学会発表

  1. 金子陽香、萩野貴志、村林広美、阿部佳史、笠原英樹:「血液体液曝露の現状と今後の課題」 第31回 日本環境感染学会 2月19日 京都
  2. 菊池陽子、菅野智子、津山友美、亀谷佑香、光永愛、岡田由紀、萩野貴志:「病棟内で共有されるPDA の細菌汚染状況と感染経路としての実態」第31回 日本環境感染学会 2月19日 京都
  3. 萩野貴志、笠原英樹、村林広美、阿部佳史、金子陽香、伊藤直樹:「現場の意識が変わったNICUの感染対策〜遺伝子解析で分かったMRSA 伝播経路から環境汚染の実態調査へ」第31回 日本環境感染学会 2月20日 京都

研究会発表

  1. 金子陽香:「血液体液曝露の現状と今後の課題」第20回 北海道器材・感染対策研究会 学術講演会 7月26日 札幌

座長

  1. 萩野貴志:第5回日本感染管理ネットワーク学会学術集会 エビデンスとプラクティスの両立1 「その時に困らないために知っておきたい!!薬剤耐性菌対策とアウトブレイク対応時のICN の役割」 5月20日 大分

講師

  1. 金子陽香:「急性の生体防御機構障害・感染のある患者の看護」北海道文教大学 成人看護学援助論V講義 12月12日

アドバイザー

  1. 萩野貴志、金子陽香:市立札幌病院 ICTセミナー「感染防止対策の基本」7月20日
    「呼吸器感染症について‐肺炎・結核・インフルエンザ‐」9月21日

プログラム委員

  1. 萩野貴志:第5回日本感染管理ネットワーク学会学術集会 5月20-21日 開催

理事

  1. 萩野貴志:2016年度 日本感染管理ネットワーク学会 就任