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放射線科

業務内容

放射線診療(放射線診断部門)

2016年6月に志村亮祐医師が着任され、飯嶋由紀医師との2名体制で、主としてCT・MRI・RIの画像診断業務を実施いたしました。各診療科から要望の多い至急読影に対応することによって画像診断に要求される迅速性を実現し、一方で正確な読影を重視した質の高い画像診断を提供いたしました。また、他院からの依頼や治験に対する協力として、CT、MRI、骨シンチグラフィ、X線骨密度測定などの検査を実施いたしました。


放射線診療(放射線治療部門)

当院では2002年に動体追跡照射ができる放射線治療装置が導入されました。当時は、動体追跡照射が北海道大学で開発されたばかりだったので、その第2号機として世界的にも注目を集めました。が、その一方で、これが最後の国産の放射線治療機(リニアック)だったため、13年経って、いよいよ製造元から部品調達ができなくなり、今回、米国Varian社製の最新型のリニアックに装置を入れ替えました。新しい装置はIGRT(画像誘導放射線治療)やIMRT(強度変調放射線治療)といった最新の放射線治療技術に対応できる装置で、同時に当院で長く使用経験のある「RTRT(動体追跡照射)装置」も兼ね備えています。

IMRTに関しては、現在、保険診療上「常勤の放射線治療医が2名配置される」ことが施設基準の条件に含まれており、技術的にIMRTが出来たとしても施設基準が満たせないので、現時点では当院でのIMRTは準備中となっています。そのかわり、IGRT・固定多門照射や回転照射・定位照射・呼吸同期・金球マーカーを用いたRTRTなどの他の照射技術を駆使して、副作用の少ない照射をめざして日々工夫をしています。新しい装置になってから、ほとんどの患者さんで皮膚上のマーキングが不要になり、位置合わせの正確さや照射時間の短縮など、照射時のストレスを減らすことができています。

肺がんの定位照射のために道内各地や道外から紹介されてくる方もいます。前立腺癌の根治照射や乳癌の術後照射、脳転移や骨転移への緩和的放射線治療の他、ピアス後のケロイド術後照射など良性疾患の治療も行っています。おかげさまで近隣の施設からの紹介も多く、愛育病院・札幌乳腺外科クリニック・札幌駅前しきしま外科クリニックなどの放射線治療協力施設になっています。がん治療の進歩によって生存期間が延びたため、多重がんや転移で数年わたって再来院されるリピーターも増えており、過去に治療した方の家族や友人などが口コミで受診されることもあります。来院された方ができるだけ安心して治療を受けられるよう明るい雰囲気作りを心がけています。現在のスタッフはほとんどが女性なので、特に乳がんや子宮がんなどの女性疾患の方々に生活上の注意なども相談しやすく治療も受けやすいと好評です。

放射線治療専門医の西岡医師と川原(聖)技師・坂野技師(女性)が継続して業務にあたっています。常勤の看護師(高木)がおり、時々内科外来から看護師(小松・川島)がヘルプに入ってくれます。医療事務(渡部)が治療室で放射線科のMA業務一般を担当しています。午前・午後で1日約30名前後の患者を治療しており、約半数が院外からの紹介患者です。全体の約7割が通院で放射線治療を受けていますが、入院が必要な方は各診療科のご協力をお願いしています。これまで事故もなく安全に安心して放射線治療を続けられているのも、各科の先生方、スタッフの皆さんのご協力のおかげです。これからも応援よろしくお願いします。

放射線科(技術部門)

2016年4月に小野陽平技師を迎え入れ、総勢18名の診療放射線技師で各診療科からの多岐にわたる撮影、検査を実施いたしました。待ち時間をできるだけ短く、そして安心して検査を受けていただくという、患者さん第一をモットーに対応いたしました。

一般撮影部門では、単純X線撮影を約53,000件、X線骨密度測定検査を約1,700件実施いたしました。また、マンモグラフィを約1,900件、乳腺エコー検査を約2,100件実施いたしました。女性特有の検査であるマンモグラフィや乳腺エコー検査は、患者さんの不安な気持ちを少しでも和らげて細心の配慮を心がけ、すべて女性技師が担当しました。CT検査は約15,800件、MRI検査は約5,000件と、いずれも検査数としては昨年とほぼ同等でした。CT・MRI検査を実施するにあたっては、臨床的知識と高度な撮影技術が要求されるため、経験豊富な5名の専任技師が検査を担当しました。読影医と密接な連携をとりながら診断に有用な画像を提供し、さらに患者さんにとって優しい検査法を模索するなど、高い向上心を維持しつつ業務に取り組みました。主に心臓カテーテル検査などの循環器系検査に使用し、その他の透視検査、造影検査を施行している第7X線室での検査件数は約700件でした。また、麻酔科検査や腹部血管造影、他の各種検査を実施する第8X線室での検査件数は約1,500件でした。さらに、ERCPやTBLBなどのX線透視下で内視鏡を用いる検査や、泌尿器科などの各種造影検査は約2,300件で、これらの検査は第6X線室や第10・11X線室で実施されました。2016年10月に第11X線室のX線TV装置が老朽化により故障、修理不能となり、装置更改手続きを進める一方で、新装置が納入されまでの間、第11X線室で実施していた検査を他の室で実施対応いたしました。

RI部門では、骨・ガリウム・脳血流や心筋血流シンチグラフィなど、件数としては前年に比べ約300件減の1,100件の検査を実施いたしました。

今後も患者さんに対する丁寧な対応を心がけ、またプロフェッショナルとしての自覚と責任を再認識して、放射線技術の向上を目指し放射線科一同努力していきたいと思います。

検査種別件数

放射線治療部門新患者数

紹介先と紹介患者数(2016年)

原発巣別治療件数(2015年1月〜12月)

※装置入れ替えのため4〜8月まで照射休止期間あり

紹介先と紹介患者数の割合(2016年)

研究活動について

講演(医師)

  1. 西岡井子:「G-CSFと放射線治療って本当に相性が悪いの?」第19回チームで行うがん化学療法研究会、2016.3.4、札幌京王プラザホテル
  2. 西岡井子:「乳がんの放射線治療」「乳がんを知る!市民講座」2016.11.1、NTT東日本札幌病院

パネリスト(医師)

  1. 西岡井子:パネルディスカッション「がんと闘う」NTT 東日本札幌病院健康セミナー200回記念講演会、2016.11.19、札幌ホテルニューオータニ

記事(医師)

  1. 北海道医療新聞、2016.10.7、「NTT東日本札幌病院動体追跡可能なリニアック:精度アップ、医療連携を促進」
  2. 医療と介護ナビ2017 冬・春号(2016.12.15発行)、「最新式のリニアックにバージョンアップし放射線治療を再開しました」

論文(診療放射線技師)

  1. 鈴木信昭:「小児撮影FPDシステムの有用性」新医療、2016年2月号、88-91
  2. 鈴木信昭:「CアームコーンビームCTによる肝血液量解析技術の臨床応用と有用性」インナービジョン、2016年5月号、54-55

学会発表、講演、座長(診療放射線技師)

  1. 鈴木信昭:「ディジタル画像の周波数と周波数処理」日本放射線技術学会北海道支部学術大会第72回春季大会ディジタル画像セミナー、2016年4月24日、札幌
  2. 鈴木信昭:「FPD を用いた小児撮影の実際と撮影線量低減の可能性」FUJIFILM MEDICAL SEMINAR 2016 in HOKKAIDO、2016年7月23日、札幌
  3. 鈴木信昭:「第32回日本診療放射線技師学術大会」座長、X線撮影①、2016年9月16日、岐阜
  4. 鈴木信昭:「第22回北海道CR 研究会」座長、2016年10月29日、室蘭
  5. 八十嶋伸敏:「FUJIFILM MEDICAL SEMINAR 2016 in HOKKAIDO」座長、2016年7月23日、札幌
  6. 八十嶋伸敏:「MFPにおける周波数強調処理」第21回北海道CR研究会、2016年9月24日、札幌
  7. 八十嶋伸敏:「VG技術の特徴とCALNEO flex」第22回北海道CR研究会、2016年10月29日、室蘭
  8. 八十嶋伸敏:「グースマン法における恥骨描出の改善についての検討」日本放射線技術学会北海道支部学術大会第72回秋季大会、2016年11月19日、帯広
  9. 八十嶋伸敏:「シュラー・ステンバース法撮影を楽に、きれいに!− FPD 化と補助具改良の効果について− 」FUJIFILM MEDICAL SEMINAR 2016 in 大阪 富士フイルムエクセレントカップ、2016年11月26日、大阪
  10. 佃幸一郎:「MRの安全性2016」Rookies GYRO安全性セミナー、2016年6月25日、札幌
  11. 佃幸一郎:「VISTA-Rについて」GYRO CUP2016、2016年7月10日、札幌
  12. 佃幸一郎:「東芝ユーザーだけにお話しする 当院のCT検査の方法」東芝CTユーザー会 遠友会、2016年9月10日、札幌
  13. 佃幸一郎:「日本放射線技術学会北海道支部学術大会第72回秋季大会」座長、2016年11月19日、帯広
  14. 川原大典、鈴木信昭、八十嶋伸敏、佃幸一郎、田中繁、土橋篤、竹下祐介、金山智博:「単純CT画像と造影CT画像における内臓脂肪測定値の比較」第44回日本放射線技術学会秋季学術大会、2016年10月14日、さいたま