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外科・呼吸器外科

診療・業務内容

2016年は古川医師、井上医師が赴任しました。常勤医師5名で外来、手術、病棟診療を行っています。研修医4名が外科研修を行いました。

外来は月火水金午前2診体制、午後は検査、セカンドオピニオン、ストーマ外来などの予約外来です。乳腺外来は月火水金の午前行っています。週に3回は検診センターでの乳癌検診も担当しています。第3日曜午前にNTTサンデーマンモ乳がん検診を開始し、平日は仕事や家事でお忙しい方にご利用いただいています。

2016年の手術件数は729件と過去最多となり、昨年と比較し+80件と大きく増加しております。呼吸器外科においては肺癌をはじめ気胸などの緊急疾患にも対応しております。また、乳癌検診拡大、医療連携強化により乳腺手術数は大幅に増加しております。悪性腫瘍手術数は肺癌38件(胸腔鏡手術37件)、乳癌151件、胃癌34件(腹腔鏡手術34件)、大腸癌66件(腹腔鏡手術56件)、肝癌16件(腹腔鏡手術10件)、膵・胆道癌6件でした。悪性腫瘍以外では胆石症92件(腹腔鏡手術91件)、ヘルニア64件(腹腔鏡手術47件)、虫垂炎34件(腹腔鏡手術34件)でした。手術治療関連死亡は0件と安全に配慮して手術を行っています。

消化器領域

からだを大きく切る手術ではなく、小さいキズからカメラ(手術用内視鏡)で覗きながら行う腹腔鏡手術を、胆石、ヘルニア、胃癌、大腸癌、肝臓、膵臓など多くの疾患で行っています。更に、患者さんの負担を極限まで低減したへそ1箇所のキズで手術する単孔式内視鏡手術を胆石症、虫垂炎、ヘルニア、大腸癌、食道アカラシア、肝嚢胞、膵腫瘍などで行っています。若い方はもちろん高齢な方や持病がある方などには体に負担の少ない内視鏡手術が最適と考えています。

小児ソケイヘルニアに対しても腹腔鏡下ヘルニア根治術を行っております。腹腔鏡での観察により、今まで分からなかった反対側のヘルニア門の閉鎖も同時に行うことが可能になっております(7割の患児に両側のヘルニアを認めております)。

当院では外科専門医、日本内視鏡外科学会技術認定医、消化器外科専門医が責任を持って内視鏡手術を行っております。

乳腺領域

乳癌の診断と治療、乳癌検診を主体として診療を行っています。北海道内でも有数の症例数を持ちながらも「美容面」に配慮することはもちろん、正確な診断と、エビデンスに基づいた最新の治療を患者さんの立場に立って相談しながら実践しています。

また術後のフォローアップも重要と考え、計画的に協力医療機関と連携をとりながら行っております。2016年12月よりセンチネルリンパ節生検にRIと色素併用法を開始しています。乳腺専門医、外科専門医、放射線治療専門医、病理専門医が緊密な関係を保ちながら、一人一人を大切に診察するようこころがけています。

呼吸器外科領域

肺癌を中心として転移性肺腫瘍、縦隔腫瘍等の悪性疾患、気胸や膿胸等の良性疾患の手術治療を行っています。疾患の種類に関わらず胸腔鏡手術を積極的に行っており、2016年の呼吸器外科手術症例のうち87%を胸腔鏡で行いました。従来多くの施設で行われてきた開胸手術と比較すると術後疼痛も少なく、全身状態の回復も速やかで、術後在院期間は平均5-6日です。常勤の呼吸器外科専門医は一名ですが、複雑で大がかりな手術は他院から適宜専門医の応援を呼ぶという体制で、原則としてあらゆる呼吸器疾患に対する手術を行う方針としています。

救急疾患

虫垂炎、急性胆嚢炎、消化管穿孔、腹膜炎、自然気胸などに対して早期治療目的に緊急手術を行っております。急性胆嚢炎に対しては、早期腹腔鏡手術を行うことにより、入院期間の短縮、開腹移行の減少が得られています。消化管穿孔、腹膜炎に対しては、ICU、持続透析、エンドトキシン吸着など関係各科の協力のもとに集中管理を行い救命に努めております。2014年ごろより徐々に症例の増加がみられ、昨年は97例の緊急手術を行っております。

2012年〜2016年 年間手術件数

[単位:件]
  2012年 2013年 2014年 2015年 2016年
総数 522 480 422 646 729
胃癌 25(10) 25(17) 24(16) 25(22) 34(30)
大腸癌 54(28) 40(30) 52(38) 68(63) 66(56)
肝癌 12(0) 8(0) 6(1) 10(4) 16(10)
乳癌 65 49 34 92 151
肺癌 14(14) 13(9) 3(3) 27(25) 38(37)
膵・胆道癌 9 7 12 6 6
脾臓疾患 2(2) 2(2) 5(5) 3(3) 2(2)
胆石 45(45) 59(59) 69(69) 93(92) 92(91)
ヘルニア 70(10) 70(17) 64(43) 80(51) 64(47)
虫垂炎 22(20) 20(17) 28(28) 29(28) 34(34)

()内は内視鏡手術数を表します。

2012年〜2016年 緊急手術件数

[単位:件]
  2012年 2013年 2014年 2015年 2016年
緊急手術総数 38 36 48 85 97
急性虫垂炎 10 7 13 24 20
急性胆嚢炎 1 1 7 19 16
腹膜炎 10 12 12 13 13
腸閉塞 7 6 6 7 9
気胸、膿胸 2 2 0 10 18
その他 8 8 10 12 21

2006年〜2016年 年間手術件数

研究活動について

論文発表

  1. 山田秀久、他:急性胆嚢炎に対する腹腔鏡下胆嚢摘出術の治療成績.第41回札幌市医師会医学会誌 117-118, 2016
  2. Ichinokawa K, et al. Down-regulated expression of human leukocyte antigen class I Heavy chains is linked to poor prognosis in non-small cell lung cancer. Oncology letters, in press
  3. 柴田泰洋、市之川一臣、他:術前内分泌療法で病理学的完全奏効となった閉経後乳癌の1例.北海道外科雑誌 61巻1号 62-66,2016.06

国際学会

  1. Furukawa S, et al. AMAP1-EPB41L5 Axis Activated under Arf6 Promotes Mesenchymal Malignancy and Chemo-Resistance of Pancreatic Cancer,2016.10.23 Kyoto, Japan

全国学会

  1. 山田秀久、他:特発性血小板減少性紫斑病に対する減孔式腹腔鏡下脾臓摘出術.第116回日本外科学会定期学術集会 2016.4.14 大阪
  2. 山田秀久、他:腹腔鏡下脾動静脈温存膵体尾部切除術の検討:多孔式から減孔式へ.第28回日本肝胆膵外科学会学術集会 2016.6.2 大阪
  3. 山田秀久、他:乳癌皮膚潰瘍に対するMohs 軟膏、亜鉛華デンプン外用療法.第21回日本緩和医療学会学術大会 2016.6.17 京都
  4. 山田秀久、他:成人鼠径ヘルニアに対する減孔式TEP の治療成績.第29回日本内視鏡外科学会総会 2016.12.8 東京
  5. 市之川一臣、他:先発投手としてのクリニック,中継ぎ投手としての基幹施設の地域連携.第24回日本乳癌学会学術総会 2016.6.17 東京
  6. 石田直子、市之川一臣、他:ER 陽性HER2陰性乳癌におけるアンドロゲン受容体、ビタミンD受容体発現の意義.第24回日本乳癌学会学術総会 2016.6.16 東京
  7. 馬場基、市之川一臣、他:閉経後ER 陽性HER2陰性早期乳癌におけるアロマターゼ阻害剤を用いた術前内分泌療法 腫瘍縮小効果の検討.第24回日本乳癌学会学術総会 2016.6.16 東京
  8. 大渕佳祐、市之川一臣、他:術前アロマターゼ療法施行中の閉経後早期乳癌における、内分泌療法関連副作用の発現時期や頻度の検討.第24回日本乳癌学会学術総会 2016.6.16 東京
  9. 佐藤雅子、市之川一臣、他:HER2陽性転移・再発乳癌に対するT-DM1の治療効果と安全性に関する検討.第24回日本乳癌学会学術総会 2016.6.17 東京
  10. 道免寛充、他:血清KL6が高値を示した間質性肺炎非合併肺癌の一例.第78回日本臨床外科学会総会 2016.10.24 東京
  11. 道免寛充、他: 間質性肺炎に合併した肺多形癌の一例. 第78回日本臨床外科学会総会 2016.10.25 東京
  12. 道免寛充、他:気腫性肺嚢胞壁に隣接して発生した肺小細胞癌の一例.第78回日本臨床外科学会総会 2016.10.25 東京
  13. 道免寛充、他:切除標本CT像による触知困難肺病変の切除マージンの評価.第57回日本肺癌学会学術集会 2016.12.20 福岡
  14. 三浦巧、他: 待機的単孔式腹腔鏡下虫垂切除 -Single Incision Laparoscopic Interval Appendectomy- SILIA.第52回日本腹部救急医学総会 2016.3.3 東京

地方会

  1. 山田秀久、他:急性胆嚢炎に対する腹腔鏡下胆嚢摘出術の治療成績.第41回札幌市医師会医学会 2016.2.21 札幌
  2. 市之川一臣、他:クリニックと基幹病院の地域連携. 第14回日本乳癌学会北海道地方会 2016.8.27 札幌
  3. 三浦巧、他:尿膜管遺残症に対して単孔式腹腔鏡下尿膜管摘除を施行した5例.第104回北海道外科学会 2016.2.27 札幌
  4. 古川聖太郎、他:腸石嵌頓による小腸イレウスを短期間に反復した1例.第105回北海道外科学会 2016.10.29
  5. 高橋琢哉、他:約2年半の術前内分泌療法で病理学的完全奏功となったT4b 閉経後乳癌の1例.第14回日本乳癌学会北海道地方会 2016.8.27 札幌

その他の発表

  1. 山田秀久、他:腹腔鏡下肝臓手術の導入成績.NISの会 2016.6.17 札幌
  2. 市之川一臣:乳癌の診断と治療について NTT東日本札幌病院健康セミナー 2016.5.21 札幌
  3. 市之川一臣、他:第2部 パネルディスカッション「がんと闘う」 NTT 東日本札幌病院健康セミナー 200回記念講演会 2016.11.19 札幌

座長

  1. 山田秀久:一般演題 TAPP 治療成績2.第29回日本内視鏡外科学会総会 2016.12.10 東京

講師

  1. 市之川一臣:平成27年度北海道マンモグラフィ読影(新規)講習会 準講師 2016.3.19-20 札幌