札幌病院


札幌病院ホーム > NTT東日本札幌病院について > 年報(2016年) > 消化器内科・消化器病センター


消化器内科・消化器病センター

人の動き

2016年4月は吉田医師が異動し、かわりに宮本医師が赴任しました。全体としては大きな変更なく昨年と同様の体制で診療することができました。

この1年間、たくさんの初期研修医が当科で研修しました。内視鏡検査や病棟業務等、積極的に関わっていただき大変助かりました。また、学会でもたくさんの発表をしてくれました。

業務内容

外来

当科は2011年に医師不足により全ての新患受け入れを中止し完全予約制となり2012年に大幅に外来患者数が減少しましたが、現在は月曜から金曜までウォ ークインも含めて全ての新患を午前も午後も当日に対応しています。皆様の御協力のおかげでその後順調に回復しています。(図1)また、昨年に引き続き北大病院から専門医を招聘して月曜日午後は肝臓外来、火曜日午後はIBD(炎症性腸疾患)外来を開設し北大病院と連携しながら診療を行っています。

入院

安全性の高いコールドポリペクトミーの導入によりほとんどの大腸ポリープ症例は外来で治療できるようになった為、入院でのポリペクトミー件数は減少していますが、その一方で、新患受け入れを再開してから緊急入院の件数が増加しています。2016年の入院患者数は全体としては例年通りでしたが(図2)、病棟スタッフの負担増が今後の課題と考えています。

化学療法

当科は消化器がん化学療法も積極的に行っています。消化器関連のがん化学療法は、臨床腫瘍学会・がん薬物療法専門医の太宰医師が一括して対応しています。2016年に当科において施行した外来化学療法件数(静注製剤)は、がん化学療法が492件、炎症性腸疾患への生物学的製剤が97件となっています。2016年春に化学療法室の増改築により今後も治療件数の増加が期待され、徐々に近隣施設からの紹介も増えております。化学療法導入は、初回は入院で行いますが2回目以降は主に外来で行っています。治療内容も患者さん・家族と相談し、治療の目的を理解して頂いた上で、体力に合わせた治療を心がけています。外科、麻酔科(ペインクリニック)、放射線科とも密に連携しており、一通りの治療が当院で施行可能です。また、緩和ケア専門病棟はありませんが、緩和ケアチーム(太宰医師兼任)により補い、緩和医療まで切れ目の無い医療を心がけています。

臨床試験

当科は先進的な医療にも積極的に取り組んでいます。新規薬剤の積極的な導入加え、臨床試験にも積極的に参加しています。AMED(日本医療開発機構)、大学関連(医師主導型)臨床試験、企業主体の国内第Ⅱ、Ⅲ相試験にも参加しており、学術的なPRも積極的にしていきたいと思います。

今後も近隣施設と連携をとりながら、ご要望に添える医療を心がけて参ります。

当院で参加中の臨床試験(一部抜粋)

PARADIGM試験
「RAS遺伝子野生型で化学療法未治療の切除不能進行再発大腸癌患者に対するmFOLFOX6+ベバシズマブ併用療法とmFOLFOX6+パニツムマブ併用療法の有効性及び安全性を比較する第Ⅲ相無作為化比較試験」
ATOM試験
KRAS野生型の大腸癌肝限局転移に対するmFOLFOX6+ベバシズマブ療法とmFOLFOX6+セツキシマブ療法のランダム化第II相臨床試験
HGCSG1301
「切除不能大腸癌の2次治療としてのIRIS/Bev併用療法施行時に発現する下痢に対する半夏瀉心湯予防投与の無作為化比較第二相試験」
HGCSG1404
「切除不能・再発胃癌に対するS-1,Nab-paclitaxel,Oxaliplatin併用療法の第I/II相試験」
HGCSG1502
「S-1またはカペシタビンを含む標準治療に不応・不耐の切除不能進行・再発胃がんに対するbolus 5-FU/l-LV(RPMI)療法の有効性・安全性に関する多施設共同前向き非対照第II相臨床試験」
J-CAPP study II
「厚生労働化学研究委託費(革新的がん医療実用化事業)」の「がん化学予防薬の実用化をめざした大規模臨床研究(石川秀樹斑)」

図1 外来患者数

図2 入院患者数

研究活動について

講演

  1. Yoshii S:「Diagnosis of Colon Tumor by Magnifying Endoscopy」, 2016 Digestive Disease & Endoscopy processing, on July,Nanjing, China(guest speaker)
  2. Yoshii S:「Endoscopic diagnosis and treatment of Esophageal cancer」,Shanghai Tongji first esophageal diseases multidisciplinary Forum,on November,Shanghai,China(guest speaker and ESD live demonstrator)
  3. 松本美桜:「ESD後潰瘍におけるボノプラザンの効果」、第1回北海道消化管疾患研究会、1月、札幌
  4. 小野寺学:「当院における胆管挿管」、北海道胆膵内視鏡ワークショップ、11月、札幌

院内講演

  1. 吉井新二:「Helicobacter pylori 感染胃炎の内視鏡診断」NTT 札幌病院地域連携 第13回NISの会、6月
  2. 重沢拓:「ボノプラザンとランソプラゾールによるHelicobacter pylori 1次除菌療法の比較検討」NTT札幌病院地域連携 第13回NISの会、6月

全国学会

  1. 吉田将大、重沢拓、松本美櫻、太宰昌佳、小野寺学、横山朗子、吉井新二:「filiform polyposisの1例」第12回日本消化管学会総会学術集会、2月
  2. 松本美桜、吉田将大、重沢拓、太宰昌佳、小野寺学、横山朗子、吉井新二:「当院における大腸JNET分類導入時の成績の検討」第12回日本消化管学会総会学術集会、2月
  3. 吉井新二、他:パネルディスカッション1大腸T1(SM)癌に対する内視鏡治療の現状と限界「大腸T1(SM)癌に対する内視鏡治療の適応拡大の可能性」、第91回日本消化器内視鏡学会総会、5月、東京
  4. 吉井新二、他:ワークショップ2薬剤性消化管傷害の現状と対策「サンシシ含有漢方製剤と特発性腸管膜静脈硬化症」、第91回日本消化器内視鏡学会総会、5月、東京
  5. Mio Matsumoto, Shinji Yoshii: パネルディスカッション「Examination for safety of Cold polypectomy using antithrombotics」第91回日本消化器内視鏡学会総会、5月、東京
  6. 吉井新二、他:ワークショップ2「H.pylori総除菌時代におけるHelicobacter heilmannii/suisの臨床における位置付けと課題」第22回ヘリコバクター学会学術集会、6月、別府
  7. 吉井新二、他:ポスターセッション6「抗Helicobacter pylori IgG抗体とヘペプシノゲンを用いたHelicobacter pylori感染診断の検討」第22回ヘリコバクター学会学術集会、6月、別府
  8. 吉井新二、他:「胃内視鏡検診受診者におけるABC分類を用いたHelicobacter pylori感染診断の検討」第55回日本消化器がん検診学会総会、7月、鹿児島
  9. 松本美桜、宮本大輔、重沢拓、太宰昌佳、小野寺学、横山朗子、吉井新二:「抗血栓薬使用下における Cold Polypectomyの安全性の検討」、EMR/ESD研究会、東京
  10. 太宰昌佳、他:ポスターフリーディスカッション(Trials in Progress)「Phase I/II trial of S-1/nab-paclitaxel/oxaliplatin(SNOW)for patients with advanced gastric cancer:HGCSG1404」第14回日本臨床腫瘍学会学術集会、7月
  11. 太宰昌佳、他:ポスター:「S-1、シスプラチンに対し不応不耐の切除不能進行胃癌におけるXELOX療法の使用経験」第54回日本癌治療学会学術集会、9月、横浜
  12. 松本美桜、宮本大輔、重沢拓、太宰昌佳、小野寺学、横山朗子、吉井新二:「S 状結腸T1b 癌の1例」;第26回大腸U c研究会、9月、東京
  13. 吉井新二、他:パネルディスカッション7「大腸T1(SM) 癌に対するESD の適応拡大における功罪」第24回日本消化器関連学会週間(JDDW2016)、11月、東京
  14. 小野寺学、宮本大輔、重沢拓、松本美櫻、太宰昌佳、横山朗子、吉井新二:「初回乳頭への胆管挿管におけるPathcourseの使用経験」 第24回日本消化器関連学会週間(JDDW2016)、11月、神戸
  15. 重沢拓、宮本大輔、松本美櫻、太宰昌佳、小野寺学、横山朗子、吉井新二:「Helicobacter pylori1次除菌療法におけるボノプラザンとランソプラゾールの比較検討」第24回日本消化器関連学会週間(JDDW2016)、11月、神戸
  16. 松本美桜、宮本大輔、重沢拓、太宰昌佳、小野寺学、横山朗子、吉井新二:「抗血栓薬服用下・透析下におけるCold Snare Polypectomyの安全性の検討」(デジタルポスター優秀演題賞)第24回日本消化器関連学会週間(JDDW2016)、11月、神戸
  17. 松本美桜、宮本大輔、重沢拓、太宰昌佳、小野寺学、横山朗子、吉井 要望演題「新二抗血栓薬服用下・透析下におけるCold Snare Polypectomyの安全性の検討」第71回日本大腸肛門病学会学術集会、11月、伊勢
  18. 吉井新二、他:シンポジウム「大腸ESDにおける創部閉鎖による偶発症対策」第71回日本大腸肛門病学会学術集会、11月、伊勢

地方会

  1. 吉田将大、重沢拓、松本美櫻、太宰昌佳、小野寺学、横山朗子、高桑康成、吉井新二:「内視鏡時の腸粘膜生検において虫体を疑い、消化管液の鏡検で確定診断し得たランブル鞭毛虫症の1例」日本消化器病学会北海道支部第118回例会、3月
  2. 重沢拓、吉田将大、松本美櫻、太宰昌佳、小野寺学、横山朗子、高桑康成、吉井新二:「ボノプラザンとランソプラゾールによるHelicobacter pylori 1次除菌療法の比較検討」(専修医奨励賞)日本消化器病学会北海道支部第118回例会、3月
  3. 高橋可南子、吉田将大、重沢拓、松本美櫻、太宰昌佳、小野寺学、横山朗子、高桑康成、吉井新二:「急性腹症で発症した膵嚢胞性病変からの膵性腹水に対し集学的治療が奏功した1例〜膵性腹水本邦報告18例のまとめを含めて〜」日本消化器病学会北海道支部第118回例会、3月
  4. 小野寺学、羽場真、吉田将大、重沢拓、松本美櫻、太宰昌佳、横山朗子、吉井新二、吉田美穂、西尾充史、高桑康成、佐藤昌明:「リンパ腫に対するEUS-FNAは、治療方針の決定に有用である〜当院における原因不明の縦隔腹腔内病変に対する診断方針の検討〜」第112回日本消化器内視鏡学会北海道支部例会、3月、札幌
  5. 重沢拓、吉田将大、松本美櫻、太宰昌佳、小野寺学、横山朗子、高桑康成、吉井新二:「多数の貼付用磁気治療器内服による十二指腸小腸瘻を形成した1例」第112回日本消化器内視鏡学会北海道支部例会、3月、札幌
  6. 松本美桜、吉田将大、重沢拓、太宰昌佳、小野寺学、横山朗子、高桑康成、吉井新二:シンポジウム「抗血栓薬使用下における Cold Polypectomyの安全性の検討」第112回日本消化器内視鏡学会北海道支部例会、3月、札幌
  7. 吉井新二:「人間ドックにおける胃炎の内視鏡的診断能の検討」第46回日本消化器がん検診学会北海道地方会、7月、札幌
  8. 宮本大輔、重沢拓、松本美櫻、太宰昌佳、小野寺学、吉井新二:「当科における上部消化管ESDのデクスメデトミジン塩酸塩を用いた鎮静の検討」第113回日本消化器内視鏡学会北海道支部例会、9月、札幌
  9. 重沢拓、宮本大輔、松本美櫻、太宰昌佳、小野寺学、吉井新二:「ESD 用高周波ナイフSplash M-Knife導入後の治療成績」第113回日本消化器内視鏡学会北海道支部例会、9月、札幌
  10. 大沼ゆりな、宮本大輔、重沢拓、松本美櫻、太宰昌佳、小野寺学、吉井新二:「当院で経験した急性食道粘膜病変(AEML)の1例」第113回日本消化器内視鏡学会北海道支部例会、9月、札幌
  11. 小野寺学、宮本大輔、重沢拓、松本美櫻、太宰昌佳、横山朗子、吉井新二:ビデオシンポジウム「一般市中病院消化器科内科における緊急内視鏡の現状」第113回日本消化器内視鏡学会 北海道支部例会、9月、札幌
  12. 松本美桜、宮本大輔、重沢拓、太宰昌佳、小野寺学、吉井新二:「早期大腸癌(T1(SM)癌を含む)への摘除生検としてのESDの導入の検証」、第119回日本消化器病学会北海道支部例会、9月、札幌
  13. 高橋琢哉、宮本大輔、重沢拓、松本美櫻、太宰昌佳、小野寺学、吉井新二:「診断に難渋した人工骨頭置換術の閉鎖孔ヘルニアの1例」北海道レジデントカンファレンス、9月、札幌
  14. 松本美桜、宮本大輔、重沢拓、太宰昌佳、小野寺学、吉井新二:「抗血栓薬服用下・透析下におけるCold Snare Polypectomy の安全性の検討」第37回日本大腸肛門病学会北海道支部例会、10月、札幌
  15. 吉田将大、重沢拓、松本美櫻、吉井新二:「早期胃癌の1例」2016年1月度札幌胃と腸を診る会
  16. 吉井新二、重沢拓、松本美櫻:「大腸の1例」2016年9月度 札幌胃と腸を診る会
  17. 大沼ゆりな、重沢拓、松本美櫻、吉井新二:「食道の1例」2016年9月度 札幌胃と腸を診る会
  18. 松本美桜、吉井新二、重沢拓:「症例提示」2016年11月度 札幌胃と腸を診る会

座長

  1. 吉井新二:セッション「大腸―2」第119回日本消化器病学会北海道支部例会・第113回日本消化器内視鏡学会北海道支部例会、9月、札幌
  2. 吉井新二:第2回colono-skill up seminor、10月、札幌
  3. 吉井新二:NTT 札幌病院地域連携 第13回NISの会、7月
  4. 吉井新二:「症例検討」、札幌拡大内視鏡研究会、7月、札幌

受賞

  1. 重沢拓:「専修医奨励賞」日本消化器病学会北海道支部第118回例会、3月
  2. 松本美桜:「デジタルポスター優秀演題賞」第24回日本消化器関連学会週間(JDDW2016)、11月、神戸

論文

  1. Shiratori S, Mabe K, Yoshii S, Takakuwa Y,Sato M, Nakamura M, Kudo T, Kato M, Asaka M, Sakamoto N. Two Cases of Chronic Gastritis with non-Helicobacter pylori Helicobacter Infection. Intern Med.2016;55(14):1865-9.
  2. Ishiwatari H, Kawakami H, Hisai H, Yane K, Onodera M, Eto K, Haba S, Okuda T, Ihara H, Kikutsu T, Matsumoto R, Kitaoka K, Sonoda T, Hayashi T, for the Hokkaido Interventional EUS/ERCP study (HONEST) group. Balloon catheter versus basket catheter for endoscopic bile duct stone extraction: A multicentre prospective randomised controlled trial.  Endoscopy. 2016 Apr;48(4):350-7.
  3. Kawakubo K, Kawakami H, Kuwatani M, Haba S, Kudo T, Taya YA, Kawahata S, Kubota Y, Kubo K, Eto K, Ehira N, Yamato H, Onodera M, Sakamoto N. Lower incidence of complications in endoscopic nasobiliary drainage for hilar cholangiocarcinoma. World J Gastrointest Endosc. 2016 May 10;8(9):385-90.
  4. Ishiwatari H, Kawakami H, Hisai H, Yane K, Onodera M, Eto K, Haba S, Okuda T, Ihara H, Kukitsu T, Matsumoto R, Kitaoka K, Sonoda T, Hayashi T. Reply to Kadayifci et al. Endoscopy. 2016 Sep;48(9):868.
  5. 吉井新二、間部克裕、藤田昌宏、丹羽美香子、松本美櫻、羽場真、川本泰之、横山朗子、赤倉伸亮、高桑康成、佐藤昌明、佐藤利宏:「早期胃癌研究会症例盲腸に発生した神経節細胞腫の1例」、胃と腸51(1)117-123, 2016
  6. 吉井新二、間部克裕、八尾隆史、市原真、八木一芳、穂刈格、塚越洋元、藤田昌宏、目黒高志:「早期胃癌研究会症例 胃底腺の過形成を背景に発生した高分化管状腺癌の1例」、胃と腸51(2), 246-253, 2016.