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血液・腫瘍内科

診療・業務内容

2016年の当科は常勤医の変更はなく、外来患者数・入院患者数・外来化学療法数は右上がりの過去最高を更新した。診療内容としては、これまで当科の診療の専門としてきた悪性リンパ腫・骨髄異形成症候群・多発性骨髄腫の三大疾患を軸とすることには変わりはなかった。ただ、今年前半はリニアックが使用出来ない時期があり、そのようなときにリンパ腫・骨髄腫を診療するのにいかに普段、恵まれた環境で診療しているかを痛感した次第であった。また、高齢者に発症する疾患であることを反映して、腎障害がある症例が多いのも当科血液疾患の特徴だが、腎臓内科・透析センターの皆様には今年も大変お世話になった。

外来は今年9月から北大血液内科藤本勝也先生に週一回の診療をお願いした。可能であれば将来的には外来だけではなく、病棟も一緒に働くことが出来る、もう一名の増員があると良いのだが、と願っている。外来化学療法は今年も骨髄異形成症候群に対するビダーザ療法の患者がコンスタントに利用したが、ベッド数の増加もあり、大変スムーズに治療することが出来た。

現在のマンパワー・病棟の構造を考えれば、造血幹細胞移植の導入は現実的ではなく、現在強みとしている疾患の専門性・特殊性をさらに打ち出しながら内外に信頼していただける血液内科として診療を続けていきたい、と願っている。これまで支えてくださった病棟・外来・処置室・透視室のスタッフの皆様にこの場を借りて、感謝するとともに変わらぬサポートをお願いしたい。

図1 当科外来受診者数

図2 当科外来化学療法件数

表1 当科入院のべ症例数

[単位:人]
  2012年 2013年 2014年 2015年 2016年
非ホジキンリンパ腫 59 46 55 78 88
ホジキンリンパ腫 0 2 8 5 3
骨髄異形成症候群 16 21 34 31 53
慢性骨髄単球性白血病 10 12 14 16 17
多発性骨髄腫 6 19 20 19 10
クリオグロブリン血症 0 0 1 0 0
再生不良性貧血 6 0 2 5 5
アミロイドーシス 4 3 2 5 4
赤芽球ろう 3 0 0 1 1
急性骨髄性白血病 0 8 10 13 30
慢性骨髄性白血病 1 0 4 0 1
慢性リンパ性白血病 0 1 2 0 0
急性リンパ性白血病 1 0 0 0 0
肺炎 2 4 2 7 8
伝染性単核球症 3 0 0 0 0
特発性血小板減少性紫斑病 2 3 3 1 7
血栓性血小板減少性紫斑病 0 0 2 1 1
ニューモシスティス肺炎 1 0 0 0 0
慢性DIC 1 0 0 1 0
粟粒結核 0 0 0 0 0
胃がん 1 0 0 0 0
帯状疱疹 1 0 2 0 0
Gleich症候群 1 0 1 0 0
原発不明がん 0 1 0 1 0
マクログロブリン血症 0 0 0 4 1
骨髄線維症 0 0 0 1 2
横紋筋融解症 0 0 0 1 0
プロテインC欠損症 0 0 0 1 0
自己免疫溶血性貧血 0 0 0 1 3
本態性血小板血症 0 0 0 1 0
輸血後溶血性貧血 0 0 0 1 0
腎盂炎 0 0 0 1 0
鉄欠乏性貧血 0 0 0 1 0
悪性貧血 0 0 0 0 1
頭痛 0 0 0 0 1
皮下血腫 0 0 1 0 0
合計 118 120 163 196 236

表2 鉄欠乏性貧血を除く当科新規診断症例

[単位:人]
  2011年7月〜2012年 2013年 2014年 2015年 2016年
非ホジキンリンパ腫 35 24 21 24 23
ホジキンリンパ腫 0 1 6 2 1
骨髄異形成症候群 6 7 10 9 8
多発性骨髄腫 3 10 11 7 6
アミロイドーシス 3 1 3 1 4
再生不良性貧血 5 0 1 1 1
赤芽球ろう 3 2 0 1 2
本態性血小板血症 4 1 2 3 1
真性多血症 1 1 3 2 2
慢性骨髄単球性白血病 0 0 1 0 1
急性骨髄性白血病 0 2 8 4 2
急性リンパ性白血病 0 0 0 0 1
慢性骨髄性白血病 1 0 3 0 2
慢性リンパ性白血病 0 1 3 1 1
特発性血小板減少性紫斑病 6 4 3 3 8
血栓性血小板減少性紫斑病 0 0 2 1 1
MGUS 10 0 5 9 7
Evans症候群 1 0 0 0 0
悪性貧血 1 1 2 2 1
自己免疫性溶血性貧血 0 1 0 2 4
その他の凝固障害 2 0 0 2 4
マクログロブリン血症 0 0 0 2 1
好酸球増加症候群 0 0 0 1 0
キャッスルマン病 0 0 0 2 1
免疫不全症 0 1 0 0 1
合計 81 57 84 79 83

研究活動について

国内学会(一般口演)

  1. 渡邊一永、西尾充史、吉田美穂:del9qとt(8;21)(q22;q22)を有する超高齢AMLにアザシチジン(Aza)を投与した一例 第276回日本内科学会北海道地方会 札幌 2016.2.27
  2. 高橋可南子、吉田美穂、西尾充史:急速な白血球増加と胸水・心嚢液貯留を伴い、急性転化直前と考えられたCMML-1に対し、PSL 併用Azacitidine(AZA)治療が奏功した1例 第51回日本血液学会春季北海道地方会 札幌 2016.4.9

国内学会(ポスター)

  1. 西尾充史、坂口良典、藤田奈々:デフェロシロクスによる鉄キレートがもたらす「奇跡」 第64回日本輸血・細胞治療学会総会 京都 2016.4.29
  2. 西尾充史、吉田美穂、橋本整司、山本理恵、眞岡知央:透析(HD)施行形質性疾患に対するレナリドマイド(Len)投与 第41回日本骨髄腫学会学術総会 徳島 2016.5.29
  3. 西尾充史、吉田美穂:超高齢者血液悪性疾患(悪性リンパ腫(ML)、骨髄異形性症候群(MDS)、多発性骨髄腫(MM)における早期治療中断 第14回日本臨床腫瘍学会学術集会 神戸 2016.7.29
  4. 西尾充史、吉田美穂:Renal survival after bortezomib based therapy for patients with multiple myeloma 第78回日本血液学会総会 横浜 2016.10.12

セミナー

  1. 西尾充史:ジャカビを使用した女性例、Myelofibrosis Roundtable Conference in Sapporo 札幌 2016.1.15
  2. 西尾充史:EBM(Experience Based Medicine)for MDS〜ビダーザ治療の4W1H、第三回MDS Round-Table Discussion 仙台 2016.1.21
  3. 西尾充史: 骨髄腫腎と類縁腎疾患 Multiple Myeloma:Janssen Pro Web Seminar 2016 札幌 2016.4.6
  4. 西尾充史:輸血依存性への治療経験 Novartis Hematology Seminar in Sapporo 札幌 2016.5.7
  5. 西尾充史:皮膚にあるリンパ腫を何処から皮膚科で、何処から血液内科で扱うか?、Sapporo T cell Lymphoma Conference 札幌 2016.5.20
  6. 西尾充史:標準偏差を外れた骨髄腫の診療〜エビデンスの乏しい症例と向き合う Round Table Discussion in Takasaki 高崎 2016.6.18
  7. 西尾充史・水野真一:腎障害を持つ形質細胞性疾患マネージメント〜血液内科が聞きたいこと、腎臓内科が伝えたいこと、Hematologists & Nephrologists Collaboration Web 講演 仙台 2016.6.24
  8. 西尾充史:血液がんについて 北海道血液市民セミナー 札幌 2016.10.1
  9. 西尾充史:腎障害を持つ形質細胞性疾患マネージメント〜エビデンスの乏しい症例と向き合う〜Multiple Myeloma Web Seminar 東京 2016.10.6
  10. 西尾充史:M蛋白関連腎障害における血液内科と腎臓内科のコラボレーション Hemato-Nephrology Seminar in Kyoto 京都 2016.11.5
  11. 西尾充史・水野真一:MM 腎障害と類縁腎疾患のUpdate 多発性骨髄腫を考える会〜Round Table Discussion 東京 2016.11.12
  12. 西尾充史:腎障害と治療選択 Velcade 10th Anniversary Symposium 札幌 2016.12.10
  13. 西尾充史:腎障害があった場合に治療選択の要因になりえるか、ベルケイドアドバイザリーボードミーティング 東京 2016.12.11
  14. 西尾充史:当院の真性多血症治療 骨髄増殖性腫瘍の今とこれから 札幌 2016.12.17