札幌病院


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看護部総括

NTT東日本札幌病院
看護部長 坂上 真弓

2016年は電子カルテの更改で幕を開けました。職員それぞれが、日々発生する疑問や課題を解決しながら、重大な事象や混乱を来すことなく軌道に乗せていくさまは頼もしい限りでした。

そのようにして幕を開けた2016年ですが、4月には診療報酬の改定があり、大きな課題として、重症度、医療・看護必要度の変更への対応がありました。当院は7対1看護体制をとっていますが、医事企画部門や看護部門、医師、医師補助等の協力を得ながら、時期による変動は多少ありながらも、現時点で25%以上をクリアできています。

2015年の年末に当院で初めて行った看護職員満足度調査において、看護外業務の多さによる負担感や、希望に沿った配置や異動へのニーズ、看護部方針のみえにくさなどが明らかになりました。そこで、まず負担軽減を図ることで、ゆとりある質の高い看護実践と患者満足や看護職員のやりがい、優秀な人材の定着と組織の安定化という好循環につなげる必要を強く感じました。看護部門内で整理すべきものについては、看護長や主任らの意見を集約し、方向性を検討しました。負担軽減策については看護部門だけでは解決できないため、事務部門等の全面的なバックアップを受け、病院を挙げて取り組むことになりました。

病院を挙げての取り組みの具体としては、満足度調査以前から検討していた退院ベッドメイキングや定期シーツ交換、病児保育の担当者や患者給食の配茶等を外部委託化しました。さらに、当院では初めての病棟クラーク配置を導入し、電話授受や事務作業等を看護師や看護助手から委譲しました。

これにより、看護助手は保清など療養上の世話業務の範囲拡大や、新たにナースコールの初期対応などを行い、看護職がよりいっそう本来業務に注力できるような環境を整えました。ここ数年特に感じるのは、手術件数や内視鏡検査・治療、化学療法や輸血等が年々増加し、急性期の治療を受ける高齢患者さんも増えていることです。また、在院日数はさらに短期化し、昨年の平均在院日数は毎月8〜9日前後を推移していました。入退院や治療の高速回転化がさらに進む中で、患者さんを十分に理解・把握し、安全・安心な看護を提供することが益々求められています。そのためには、看護職だけではなく、多職種がそれぞれの専門性に応じた力の発揮と協働が必要です。現在、様々な業務拡大や委譲、分担等を整理している途上ですが、初年度としては一定の成果を挙げたと考えます。今後はさらに他職種協働や連携を進めながら現場も含めた創意工夫と、取り組みの評価によりブラッシュアップし、患者さんへの質の高い看護実践と働きがいのあるより良い職場にしていきたいと考えています。

また、『異動の目的』を明記した異動希望調書を導入し、年度初めに提出されるキャリアシートと合わせて、配置・異動計画の参考にすることにしました。可能な限り希望に沿った配置や異動にすることで、個人のモチベーションへの良い刺激としたいと考えていますが、欠員や年齢構成など組織上の諸々のバランスを図る中で、必ずしも希望に沿えないことがジレンマではあります。

その他、初めて「看護部通信」を発行しました。内容は看護部が考えていることや方針、異動希望調書の結果、院外に発表した看護研究グループの紹介などで、不定期発行です。今後は、スタッフにとっての心に残る看護や、患者さんからのお褒めの言葉を掲載するなど、型にはまらず考えていきたいと思っています。

また、新たに10月から認知症認定看護師を専任配置とし認知症ケア加算1の取得を開始し、認知症ケアチームの病棟のラウンドや様々な相談を受けています。多くの病院において急性期治療を受ける患者さんの年齢層が高齢化し、認知症以外にも治療や検査に伴いせん妄を生じるケースは増えていると思います。看護師が対応に苦慮していると感じるときには、患者さんも困っているはずです。そのためにも、認知症看護認定看護師を中心に、研修や現場への介入を通して、高齢者や認知症・せん妄に対する理解と看護のスキルを高めていきたいと思っています。

この先、日本の人口構成はさらに加速度的に変化し、医療や病院のあり方も予測を超えた変化をすると感じます。けれど、どんな時も変わらず大切にしたいことは、「患者さんを主語にした看護」です。一人一人が描く「患者さんにとってどうか」は異なるかもしれませんが、その違いを話し合い、チームで共有することが大切なのではないかと思います。その積み重ねにより、患者さんや働く職員にとってなくてはならない病院にしていきたいと思います。