札幌病院


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巻頭言

NTT東日本札幌病院
院長 小池 隆夫

「2016年度の総括と2017年度の展望」

この1年間の当院での出来事を総括し、2017年度の展望を述べたく思います。

病院の足腰を強くする事が、専門性の高い良質な医療を提供する病院作りのためには不可欠です。それぞれの職種で最高のパフォーマンスを発揮する事が出来るようになるためにも、「安定した病院経営基盤の確立」即ち「経営の安定化」が、何よりも優先されます。しかし、医療のアウトプットは経常収支だけでは推し量ることは絶対にできません。2016年の流行語ではありませんが、まさに「PPAP」;perfect performance affects our patients,「最高の医療を患者さんに提供することこそが我々医療に携わるものの使命である」と信じております。

診療体制及び診療環境のイノベーション

ダヴィンチの導入

2017年1月から待望のダヴィンチが稼動いたしました。周辺の医療機関がすでに導入済みであり、札幌医療圏は「日本で人口当たり最もダヴィンチの多い地区」となっていることは重々承知いたしておりますが、泌尿器科はもとより、その他の外科系にも、すぐにロボット手術の時代が到来することは間違いありません。「最高の医療を患者さんに提供することこそが我々医療に携わるものの使命である」ことは冒頭に申し上げておりますが、外科系診療科での積極的なロボット手術の活用が期待されます。

リニアックの更改

当院の放射線装置は動体照射をいち早く取り入れた、最先端のものでした。しかし、設置してから10年以上が過ぎており、新機種への更改が最重点の課題でしたが、このたび最新鋭のVariant社製のリニアックを導入することが出来ました。画像誘導放射線治療と動体追跡照射ができる、道内では北大と本院にしかない最新鋭の機械です。これも「最高の医療を患者さんに提供する」ことに大いに貢献するものと確信をいたしております。

外来棟のリノベーション

2016年には中央処置室、化学療法センターの改築が完了いたしました。多くの関係部署の方々に討論に参加していただいて、現状での最大公約数としての改築になりましたが、効率よく稼動が出来ているものと思っております。手術室の休憩室と術場のレイアウトの見直しも終了いたしました。

市民公開講座

2016年の11月に毎月院内で開催していた健康セミナーが200回の節目を迎えました。それを記念して、ガンをテーマにした市民公開講座を札幌のホテルニューオータニで開催いたしました。第一部の記念講演では、「明るくさわやかに生きる〜乳癌を体験して〜」というテーマで、アグネス・チャンさんにお話をいただきました。第二部のパネルディスカッションでは「ガンと闘う」というテーマのもと、乳癌、前立腺癌、肺癌、膵臓癌、さらには放射線治療に関する最新の話題を中心に事前に頂いた参加者からのご質問にお答えし、さらには緩和ケアやガン患者の医療相談に対して今どのようなことがなされているかを当院のスタッフが、丁寧に説明いたしました。当日は400名を超える参加者があり、アンケートの結果も大変好評でした。当院が目指す「最高の医療を患者さんに提供すること」の一助になった市民公開講座だったと思います。

医療制度への対応と病院経営に関するシステムの見直し

診療報酬改定

2016年は2年ぶりに診療報酬の改定がなされました。その診療報酬改定の根幹は、急性期医療の担い手である7対1病床が多い現状を踏まえ、入院医療のあり方を①平均在院日数の短縮、②重症度、医療・看護必要度の見直し、③在宅復帰率の要件の厳格化の3点から大きく見直そうとするものでした。当院は「地域急性期病院としての役割を担う病院」として名乗りを上げて、確実にそれをこなしてまいりました。今後も国の新規医療政策に柔軟かつ敏速に対応出来る体制作りを強化してまいりたいと思います。

クリニカルインディケーターの導入

病院で行われる医療の質の向上と安全に対する関心が高まり、様々な取り組みが行われております。病院全体や診療領域別に「指標」を設定し、数値で状況を把握して「可視化」「見える化」「情報の共有化」することにより、とらえにくい病院の「質の向上」を計ることが可能になります。当面は日本病院協会QIプロジェクトへの参加を手始めに、QIの充実・拡大を図ってまいります。その後は本院独自のQIを設定して、さらに「経営指標」の導入も「病院運営の可視化」「病院経営の効率化」という観点からも早急に導入すべき課題と認識しております。

冒頭にも申し上げました通り、perfect performance affects our patients(PPAP)「最高の医療を患者さんに提供することこそが我々医療に携わるものの使命である」ことを常に忘れることなく、毎日の診療に勤しんで参りたいと思います。