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医療安全管理室

業務内容

2015年の医療安全管理室は、4月に理学療法士が加わった他、病棟看護長メンバーや事務職員の交代もあり、厚みを増したメンバー構成と新しい視点で医療安全活動に取り組んでおります。その内容は、院内各部署から報告されたインシデントレポートに対し、週に1回行われるミーティングで事例発生の根本原因の分析から再発防止策の立案、あるいは安全に医療を行うための院内全体の規範づくり、さらに医療安全文化の醸成を目指した医療安全講演会の企画などを行っております。また、隔月で院内ラウンドも行い、多職種での視点から院内環境の確認と規範の遵守についての指導を行っております。医療安全管理室ミーティングで検討された案件は、医療安全管理委員会やリスクマネージャー会議などで決議、周知され運用されております。

インシデント報告数は1,014件で、月平均85件程度が報告されています。そのうち患者影響度が3b以上のアクシデント事例は35件報告されています。年間のインシデント報告数は病床数の5倍〜6.5倍が、報告文化が定着している目安と言われていますので、報告文化が定着するように、さらに取り組んでいきたいと思います。また、インシデント報告の目的は事故の未然防止や重大事態の発生を抑えることと言えるので、単なる報告数の増減だけではなく、重症事例につながりやすい医師からの報告や、未然防止事例である0レベルの報告数増加に繋げていきたいと考えます。また、毎月の報告からインシデントの傾向や年次ごと月次ごとの比較、増減の要因などの分析も随時行っております。

院内教育の取り組みとしては、全職員を対象とした医療安全講演会についてはできる限り多くの職員が参加できるよう、ビデオ講演など同じ内容のものを2回開催しました。その他にも医局カンファレンスや病棟カンファレンスで周知のための説明も行いました。医療安全への意識向上には職員研修や規約の周知を繰り返し行うことが重要であり、いろいろな手法を用いて、分かりやすく、地道に院内教育の取り組みを進めてまいります。

2015年の特記事項としては、10月から施行された医療事故調査制度に対応する仕組みづくりとして、6月より全死亡事例把握の目的で死亡診断書の全例提出を開始し、情報収集から報告までの仕組みを構築しました。また、患者誤認防止の取り組み強化として患者への聞き取り調査や院内ポスター掲示等も行いました。

その他、説明・同意文書の見直し、セフティニュースの発行など、従来からの取り組みも継続し、医療の質、職員の安全向上のための活動を積極的に取り組んでおります。また、日本医療機能評価機構の医療事故情報収集等事業へも参加しております。

医療安全管理室への迅速な事例報告は、医療に関する様々な問題を院内全体で取り組む事につながります。様々な事例の報告、相談に適切に対処できる専門的な知識、技能を備え、院内職員が安心して自信を持って働ける環境整備を行っていきたいと思います。

2015年 インシデント内訳

  件数
薬剤 362
輸血 5
治療処置 60
手術 23
医療機器等 29
チューブ類 151
検査 96
療養上の世話 202
その他 86
合計 1,014

転倒転落発生率(%)=
入院患者の転倒転落件数/延べ入院患者数×1000 2015年月平均:1.81%(最少0.94% 最大3.15%)

院内職員対象の医療安全に関する教育・研修の実施状況

日時 演題・研修内容等 講師等 対象
1月9日 医療安全講演会(職場発表)
「KYT演習を行って・・・」
栄養管理室 秋本 里加子 主任
薬剤科 作田 重人 薬剤長
放射線科 八十嶋 伸敏 主任
全職員
1月25日 看護助手研修
「看護助手業務における医療安全(KYT)」
医療安全管理者 佐藤 歩 看護助手
2月4日 医療安全講演会(職場発表)
「KYT演習を行って・・・」
臨床工学室 櫻田 克己 主任
臨床検査科 斉藤 敏勝 副長
看護部(10F病棟)
福島 美由紀 看護長
全職員
4月1日 新人職員研修
「医療安全管理」
医療安全管理者
佐々木 弘好
新入職員
4月23日 医局会「医療安全のお知らせ」 医療安全管理者
佐々木 弘好
医師
5月29日
6月10日
医療安全講演会
「その確認で効果ありますか?
―指差し呼称とダブルチェック―」
医療安全管理者
佐々木 弘好
佐藤 歩
全職員
6月25日 3か月フォローアップ研修
「注射の確認」
医療安全管理者
佐藤 歩
新人看護師
9月25日 6か月フォローアップ研修
「KYT」
医療安全管理者
佐藤 歩
新人看護師
9月29日
10月14日
医療安全講演会
「医療事故調査制度について」
(10月はビデオ講演)
北海道大学病院
医療安全管理部部長
南須原 康之 准教授
全職員

研究活動について

学会表会(国際学会、全国学会、地方会、研究会)

  1. 佐々木弘好:「転倒転落発生率増加の要因調査」第17回日本医療マネジメント学会学術集会、2015年6月13日、大阪
  2. 佐々木弘好:「インスリンのヒヤリ・ハット報告調査」第4回日本くすりと糖尿病学会学術集会、2015年9月27日、新潟 《優秀演題賞受賞》
  3. 佐藤歩:「新人・2年目看護師のインシデントの傾向と今後の課題」第10回医療の質・安全学会学術集会、2015年11月22日、千葉

その他の発表(講演会)

  1. 佐々木弘好:「麻薬の正しい取り扱い―インシデントが発生したら―」小笠原クリニック札幌病院医療安全管理研修会、2015年1月28日、札幌
  2. 佐々木弘好:「医療安全における薬剤師の役割」北海道医療大学薬剤師演習講座、2015年12月1日、札幌

著書

  1. 佐藤歩、他共著:「安全な輸血できていますか?(地域で繋ぐ安全の輪プロジェクト)」病院安全教育、2015・2016年12・1月号