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消化器内科・消化器病センター

人の動き

当科では2015年4月に大幅に人の入れ替わりがありました。赤倉前部長の御開業に伴い吉井が部長となりました。また、胆膵専門の羽場医師にかわり小野寺医師が、化学療法専門の川本医師にかわり太宰医師が赴任しました。後期研修医は清水医師にかわって重沢医師、吉田医師が赴任し、結果として吉井、松本の2名以外全員入れ替わりました。春は混乱を来すのではないかと危惧していましたが大きな混乱なく、下記に示す様に業績も下がることはありませんでした。これも各医師の努力と関係する様々な部署の方々の御協力によるものです。この場を借りて感謝申し上げます。

この1年間、たくさんの初期研修医が当科で研修しました。内視鏡検査や病棟業務等、積極的に関わっていただき大変助かりました。また、学会でもたくさん発表をしてくれました。

業務内容

当科は2011年に医師不足により全ての新患受け入れを中止し完全予約制となった時期がありましたが、現在は医師数が充足したため月曜から金曜までウオークインも含めて全ての新患を当日に対応しています。新患受け入れ制限の時期には近隣の医療機関や地域の患者様に大変なご迷惑をおかけしてしまったため、信頼回復にむけて全力を尽くしている所です。2012年に大幅に外来患者数が減少しましたが、皆様の御協力のおかげでその後順調に回復しています(図1)。

また、昨年に引き続き北大病院から専門医を招聘して月曜日午後は肝臓外来、火曜日午後はIBD(炎症性腸疾患)外来を開設し北大病院と連携しながら診療を行っています。

2014年春にDPCが導入され、化学療法が入院から外来にシフトしています。外来で当科が施行した癌化学療法は674件、炎症性腸疾患への生物学的製剤投与は86件でした。消化器癌の化学療法はがん薬物療法専門医の太宰医師が一括して対応しています。患者さんの状況に応じて、最も適した治療内容を行うように努めています。2016年度には外来化学療法室が移転し増床となるため、さらに症例数が増えていくと思われます。

化学療法が外来にシフトしつつあるのに加えて、2015年4月から大腸ポリープの大部分の症例を外来で治療する様になりました(内視鏡センターの項にも記載していますがコールドポリペクトミーの導入により内視鏡治療件数が飛躍的に増加したためと治療の安全性が高くなったためです)。そのため外来患者数、内視鏡件数の増加に比べると入院患者数の増加はありませんが(図2)、今後さらにポリペクトミーは外来中心にシフトして、その分を救急対応が必要な患者さんや近隣の医療機関からの入院依頼に対応するための病床に当てたいと考えています。

当科は臨床試験にも積極的に参加しています。化学療法では、大学関連(医師主導型)臨床試験に加え、企業主体の国内第Ⅱ、第Ⅲ相臨床試験にも積極的に参加しています。化学療法を中心とした臨床試験の他に、大きなものとしてはJ-CAPP study IIがスタートしました。これは日本版NIHとしてはじまったAMED(日本医療開発機構)の臨床試験で、大腸腫瘍の内視鏡治療後の症例に対するアスピリンの発癌予防効果を検証する全国規模の臨床試験です。全国から22施設が参加し北海道からは当科も選出されました。これは当科の業績が全国的にも評価されたため、と考えています。今後、学術面からもNTT東日本札幌病院の消化器内科を積極的にPRしていきたいと思います。

図1 外来患者数

図2 入院患者数

図3 入院患者病名

研究活動について

院内発表

  1. 吉井新二:「早期発見大腸内視鏡で 「検査」 「治療」をしよう!―大腸ポリープのおはなし―」健康セミナー、4月
  2. 小野寺学:「EUS-FNA(超音波内視鏡下穿刺吸引法)の役割〜腹腔内病変への消化器内科医のアプローチ戦略〜」第一回医局カンファレンス、4月
  3. 太宰昌佳:「化学療法の副作用対策 緩和ケアの観点から」 緩和ケア勉強会、6月
  4. 吉田将大、吉井新二、重沢拓、松本美櫻、太宰昌佳、小野寺学、横山朗子、高桑康成、佐藤昌明:「全周性の腸管狭窄をきたしたfiliform polyposisの1例」 NTT札幌病院地域連携 第12回NISの会、8月
  5. 太宰昌佳:「大腸癌薬物療法」 薬剤師セミナー、12月

講演

  1. 吉井新二:「NBI拡大による胃癌診断入門」 北海道消化器内視鏡技師会集中講義、1月、札幌
  2. 吉井新二、松本美桜:「上部消化管内視鏡検査におけるミンクリアの有用性」 第3回消化器内視鏡最前線、3月、札幌
  3. 吉井新二:「内視鏡検診の今後」 第40回放射線研修委員会研修会 放射線部会40周年記念講演、3月、札幌
  4. 松本美桜、吉井新二:「内視鏡治療における後出血の検討」北海道ESDトレーニングプログラム研究会、7月、札幌
  5. 小野寺学、他:「胆膵内視鏡診断と治療〜胆膵領域だけにとどまらない内視鏡診断治療への挑戦〜」 Digestive Disease Seminar Junior、10月
  6. 吉井新二:「Helicobacter pylori 感染胃炎の内視鏡診断」 第29回日本消化器内視鏡学会北海道セミナー、11月、札幌

国際学会

  1. Matsumoto M: Oral presentation, Hemorrhage after therapeutic endoscopy in hemodialysis patients: a multicenter study, UEGW, Barcelona
  2. Dazai M, Yuki S, Komatsu Y: A Retrospective Cohort Study Evaluating the Safety and Efficacy of Regorafenib in Patients with Metastatic Colorectal Cancer : the HGCSG1401 Study First Report 」, European Society for Medical Oncology ASIA, Singapore

全国学会

  1. 吉井新二、野島正寛、塚越洋元:主題Ⅱ 内視鏡的切除の適応拡大の可能性を問う 「内視鏡的摘除後の大腸T1癌における再発予測の検討」 第82回大腸癌研究会、1月、東京
  2. 吉井新二、松本美櫻:ESDトピックス 「大腸ESDにおける創部閉鎖による偶発症対策」 第11回日本消化管学会総会、2月、東京
  3. 松本美櫻、吉井新二:「血栓薬内服者に対する コールドポリペクトミーの後出血に関する検討」第11回日本消化管学会総会、2月、東京
  4. 吉井新二、野島正寛、塚越洋元:ワークショップ1 大腸cT1(SM)癌に対する内視鏡治療の適応拡大をめぐって 「内視鏡的摘除後の大腸T1癌における再発予測の検討」 第11回日本消化管学会総会、2月、東京
  5. 吉井新二、野島正寛、塚越洋元:パネルディスカッション6 大腸T1(SM)癌に対する内視鏡治療の課題と将来展望 「内視鏡的摘除後の大腸T1癌における再発予測の検討」 第89回日本消化器内視鏡学会総会、5月、東京
  6. 松本美櫻、吉井新二:「ヘパリンカルシウム皮下注によるヘパリン置換例の検討」第89回日本消化器内視鏡学会総会、5月、東京
  7. 吉井新二、間部克裕、綿野敬子、松本美桜、加藤元嗣:「当院の胃内視鏡検診における胃炎の取り扱い」 第3回 上部消化管内視鏡検診の科学的検証と標準化に関する研究会、5月、東京
  8. 太宰昌佳、他:「当科における治癒切除不能な進行再発膵癌に対する一次治療としてのmodified FOLFIRINOX療法の使用成績」第13回日本臨床腫瘍学会学術集会、7月
  9. 松本美櫻、吉田将大、重沢拓、太宰昌佳、小野寺学、横山朗子、吉井新二:シンポジウム 「当院における大腸JNET分類導入時の成績の検討」 第25回大腸Ⅱc研究会、9月、東京
  10. 吉井新二、間部克裕、加藤元嗣:パネルディスカッション8 胃炎の京都分類を検証する 「人間ドックにおける胃炎の内視鏡的診断能の検討:京都分類を検証する」 第23回日本消化器関連学会週間(JDDW2015)、10月、東京
  11. 吉井新二、野島正寛、塚越洋元:パネルディスカッション19 ポリペクトミーの新たな展開 「 大腸T1(SM)癌に対する内視鏡治療の適応拡大の可能性」 第23回日本消化器関連学会週間(JDDW2015)、10月、東京
  12. 松本美櫻、吉田将大、重沢拓、太宰昌佳、小野寺学、横山朗子、吉井新二:デジタルポスター 「H.pylori除菌から10年以上の長期経過後に発症した胃癌の検討」 第23回日本消化器関連学会週間(JDDW2015)、10月、東京
  13. 太宰昌佳、他:「HGCSG1401:切除不能進行大腸癌に対するRegorafenib療法の後方視的研究(第1報)」 第53回日本癌治療学会学術集会、10月
  14. 松本美櫻、吉井新二:ワークショップ 「大腸ESDにおける創部閉鎖による偶発症対策」 第70回日本大腸肛門病学会学術集会、名古屋、11月

地方会

  1. 松本美櫻、吉井新二、他:「ヘパリンカルシウム皮下注によるヘパリン置換例の検討」第116回日本消化器病学会北海道支部例会、3月、札幌
  2. 高橋さゆみ、松本美櫻、横山朗子、吉井新二、他:「ダビガトランによる食道炎の1例」第116回日本消化器病学会北海道支部例会、3月、札幌
  3. 井上雅貴、松本美櫻、横山朗子、吉井新二、他:「急速な経過を辿った肝血管肉腫の1剖検例」 (研修医最優秀演題)、第116回日本消化器病学会北海道支部例会、3月、札幌
  4. 吉田将大、吉井新二、西尾充史、松本美櫻、重沢拓、小野寺学、太宰昌佳、横山朗子、山田秀久、高桑康成、佐藤昌明:「内視鏡的に診断し得た大腸悪性リンパ腫の5例」 第117回日本消化器病学会北海道支部例会、8月
  5. 田代祐基、吉田将大、重沢拓、松本美櫻、太宰昌佳、小野寺学、横山朗子、吉井新二、三浦巧、竹本法弘、金井基錫、山田秀久:「脾臓周囲の腹水の試験穿刺が早期診断に有用であった胆汁性腹膜炎の1例」 第117回日本消化器病学会北海道支部例会、8月
  6. 岡田匡氷、吉田将大、重沢拓、松本美櫻、太宰昌佳、小野寺学、横山朗子、吉井新二:「回腸憩室出血の1例」 第117回日本消化器病学会北海道支部例会、8月
  7. 佐々木亮、吉田将大、重沢拓、松本美櫻、太宰昌佳、小野寺学、横山朗子、吉井新二:「アニサキスによる出血性胃潰瘍の1例」 第117回日本消化器病学会北海道支部例会、8月
  8. 重沢拓、吉田将大、松本美櫻、太宰昌佳、小野寺 学、吉井新二:「早期直腸低分化腺癌の1例」 第109回日本消化器内視鏡学会北海道支部例会、8月
  9. 松本美櫻、吉田将大、重沢拓、太宰昌佳、小野寺学、横山朗子、吉井新二:シンポジウム 「当院における大腸JNET分類導入時の成績の検討」第111回日本消化器内視鏡学会北海道支部例会、8月、札幌
  10. 吉田将大、重沢拓、松本美櫻、太宰昌佳、小野寺学、横山朗子、吉井新二:「filiform polyposisの1例」 第36回日本大腸肛門病学会北海道支部例会、9月
  11. 井上雅貴、吉井新二、松本美櫻:「アメーバ性腸炎の1例」 第539回札幌胃と腸をみる会、1月、札幌
  12. 松本美櫻、吉井新二:「早期胃癌の1例」 第540回札幌胃と腸をみる会、3月、札幌
  13. 重沢拓、吉田将大、松本美櫻、吉井新二:「サイトメガロウイルス腸炎の1例」 第543回札幌胃と腸をみる会、5月、札幌
  14. 重沢拓、吉田将大、松本美櫻、吉井新二:「直腸低分化腺癌の1例」 第544回札幌胃と腸をみる会、6月、札幌
  15. 吉田将大、重沢拓、松本美櫻、吉井新二:「上行結腸に限局した炎症性polyposisの1例」 第545回札幌胃と腸をみる会、9月、札幌
  16. 重沢拓、吉田将大、松本美櫻、吉井新二:「早期胃癌の1例」 第547回札幌胃と腸をみる会、11月、札幌
  17. 松本美櫻、吉田将大、重沢拓、吉井新二:「強皮症に合併した食道炎の1例」 第548回札幌胃と腸をみる会、12月、札幌
  18. 重沢拓、吉田将大、松本美櫻、吉井新二:「過形成性変化を背景に発生した早期胃癌の1例」 札幌拡大内視鏡研究会、8月、札幌

座長

  1. 吉井新二:セッション「小腸」第94回北海道医学大会 消化器病・消化器内視鏡合同分科会(第116回日本消化器病学会北海道支部例会・第110回日本消化器内視鏡学会北海道支部例会)、3月、札幌
  2. 吉井新二:セッション「大腸6 がん―2」第95回北海道医学大会 消化器病・消化器内視鏡合同分科会(第117回日本消化器病学会北海道支部例会・第111回日本消化器内視鏡学会北海道支部例会)、9月、札幌
  3. 吉井新二:デジタルポスターセッション(消化器内視鏡学会)「大腸 EMR・ESD4」第23回日本消化器関連学会週間(JDDW2015)、10月、東京
  4. 小野寺学:デジタルポスターセッション(消化器内視鏡学会)「胆道-胆道・胆管(リスクマネージメント)」第23回日本消化器関連学会週間(JDDW2015)、10月、東京
  5. 吉井新二:第540回札幌胃と腸をみる会、3月、札幌
  6. 吉井新二:第547回札幌胃と腸をみる会、11月、札幌
  7. 吉井新二:第1回colono-skill up seminor、9月、札幌
  8. 吉井新二: NTT札幌病院地域連携 第12回NISの会、8月

論文

  1. Matsumoto M, Kato M, et al.: Multicenter study on hemorrhagic risk of heparin bridging therapy for periendoscopic thromboprophy-laxis, BMC Gastroenterology 15(1):89
  2. Ito M, Kanno S, Nosho K, Sukawa Y,Mitsuhashi K, Kurihara H, Igarashi H,Takahashi T, Tachibana M, Takahashi H, Yoshii S, Takenouchi T, Hasegawa T, Okita K, Hirata K, Maruyama R, Suzuki H, Imai K, Yamamoto H, Shinomura Y: Association of Fusobacterium nucleatum with clinical and molecular features in colorectal serrated pathway. Int J Cancer. 2015 Sep 15;137(6):1258-68.
  3. Nosho K, Igarashi H, Ito M, Mitsuhashi K,Kurihara H, Kanno S, Yoshii S, Mikami M, Takahashi H, Kusumi T, Hosokawa M, Sukawa Y, Adachi Y, Hasegawa T, Okita K, Hirata K, Maruyama R, Suzuki H, Imai K, Yamamoto H, Shinomura Y: Clinicopatho-logical and molecular characteristics of serrated lesions in Japanese elderly patients. Digestion. 2015;91(1):57-63.
  4. Igarashi H, Kurihara H, Mitsuhashi K, Ito M, Okuda H, Kanno S, Naito T, Yoshii S, Takahashi H, Kusumi T, Hasegawa T, Sukawa Y, Adachi Y, Okita K, Hirata K, Imamura Y, Baba Y, Imai K, Suzuki H, Yamamoto H, Nosho K, Shinomura Y: Association of MicroRNA-31-5p with Clinical Efficacy of Anti-EGFR Therapy in Patients with Metastatic Colorectal Cancer. Ann Surg Oncol. 2015 Aug;22(8):2640-8.
  5. Eto K, Kawakami H, Haba S, Yamato H,Okuda T,Yane K, Hayashi T, Ehira N, Onodera M, Matsumoto R, Matsubara Y, Takagi T, Sakamoto N: A multicenter, non-randomized trial of single-stage endoscopic treatment for acute cholangitis associated with choledocholithiasis. Journal of HepatoBiliary Pancreat Sci 2015 Dec;22(12):825-30.
  6. 吉井新二:「胃 Helicobacter pylori感染胃炎の内視鏡診断」生涯教育シリーズ 消化器疾患診療の最前線 消化管の最新内視鏡診断と治療 北海道医報(0913-0217)1165号 Page12-15(2015.10)
  7. 間部克裕、吉井新二、小野尚子、加藤元嗣:「内視鏡検査におけるHelicobacter pylori感染診断法 」 Helicobacter Research 19(6): 560 -564 2015