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血液・腫瘍内科

診療・業務内容

2015年の当科はこれまで新設の立ち上げから頑張ってくれた武田紫先生が斗南病院へ異動となり、新たに吉田美穂先生を北大から迎える、という大きな変化のあった一年であった。また、研修してくれた宮内あずさ先生が血液内科を志すことを決めて、四月から入局してくれた、という大変嬉しい一年でもあった。また、4月からは研修医の先生が3人当科を回ることを選択してくれて楽しく仕事をすることが出来たことも特記事項であった。

入院患者では悪性リンパ腫・骨髄異形成症候群・多発性骨髄腫は当科三大疾患として今年も多数の入院があった。加えて診療が長くなってきたことや高齢者を診療していることから合併症での入院、終末期の入院が増えたこともあり、入院患者数は過去最高を更新した。また、診断の難しい疾患、他院で困って紹介を受ける疾患も増えた一年であり、本当に仕事量が増えたことを実感する。

加えて外来はその数がさらに増え、2年前に比するとのべ1,000人の増加が見られた。他院からのご紹介もコンスタントにあり、近隣施設に血液内科としてお認めいただいてきた、と思っている。入院ベッドも限られており、極力外来化学療法を利用しており、その数も安定していたが、主に骨髄異形成症候群に対するビダーザの利用が多かった。

このように診療実績を伸ばすことが出来ているのも、病棟・外来・処置室のスタッフの皆様、検査室の血液検査分野の皆様の協力なしにはあり得ない。またカテーテル挿入にあたってはいつも透視室のスタッフの方々にお世話になっている。急変の多い、かつ手のかかる当科の「無理」を聞いて下さっている方々にこの場を借りて心からお礼を申し上げる。既に自分たちの容量は超えている、と実感しつつも患者さんが増えることが何よりも勲章である、という思いで来る年も診療を続けたい。

表1 当科入院のべ症例数(2015年1〜12月)

  2011年 2012年 2013年 2014年 2015年
非ホジキンリンパ腫 14 59 46 55 78
ホジキンリンパ腫 0 0 2 8 5
骨髄異形成症候群 7 16 21 34 31
慢性骨髄単球性白血病 0 10 12 14 16
多発性骨髄腫 0 6 19 20 19
クリオグロブリン血症 0 0 0 1 0
再生不良性貧血 2 6 0 2 5
アミロイドーシス 0 4 3 2 5
赤芽球ろう 0 3 0 0 1
急性骨髄性白血病 0 0 8 10 13
慢性骨髄性白血病 1 1 0 4 0
慢性リンパ性白血病 0 0 1 2 0
急性リンパ性白血病 0 1 0 0 0
肺炎 0 2 4 2 7
伝染性単核球症 0 3 0 0 0
特発性血小板減少性紫斑病 0 2 3 3 1
血栓性血小板減少性紫斑病 0 0 0 2 1
ニューモシスティス肺炎 1 1 0 0 0
慢性DIC 0 1 0 0 1
粟粒結核 1 0 0 0 0
胃がん 0 1 0 0 0
帯状疱疹 0 1 0 2 0
Gleich症候群 0 1 0 1 0
原発不明がん 0 0 1 0 1
マクログロブリン血症 0 0 0 0 4
骨髄線維症 0 0 0 0 1
横紋筋融解症 0 0 0 0 1
プロテインC欠損症 0 0 0 0 1
自己免疫溶血性貧血 0 0 0 0 1
本態性血小板血症 0 0 0 0 1
輸血後溶血性貧血 0 0 0 0 1
腎盂炎 0 0 0 0 1
鉄欠乏性貧血 0 0 0 0 1
皮下血腫 0 0 0 1 0
26 118 120 163 196

表2 鉄欠乏性貧血を除く当科新規診断症例(2015.1〜12)

  2011年7月
〜2012年
2013年 2014年 2015年
非ホジキンリンパ腫 35 24 21 24
ホジキンリンパ腫 0 1 6 2
骨髄異形成症候群 6 7 10 9
多発性骨髄腫 3 10 11 7
アミロイドーシス 3 1 3 1
再生不良性貧血 5 0 1 1
赤芽球ろう 3 2 0 1
本態性血小板血症 4 1 2 3
真性多血症 1 1 3 2
慢性骨髄単球性白血病 0 0 1 0
急性骨髄性白血病 0 2 8 4
慢性骨髄性白血病 1 0 3 0
慢性リンパ性白血病 0 1 3 1
特発性血小板減少性紫斑病 6 4 3 3
血栓性血小板減少性紫斑病 0 0 2 1
MGUS 10 0 5 9
Evans症候群 1 0 0 0
悪性貧血 1 1 2 2
自己免疫性溶血性貧血 0 1 0 2
その他の凝固障害 2 0 0 2
マクログロブリン血症 0 0 0 2
好酸球増加症候群 0 0 0 1
キャッスルマン病 0 0 0 2
免疫不全症 0 1 0 0
81 57 84 79

図1 当科外来患者数

図2 当科外来化学療法件数

研究活動について

著書

  1. 西尾充史:「ヘモクロマトーシス」今日の治療指針2015、Vol 57、p719、医学書院、2015年
  2. 西尾充史:「高齢者の悪性リンパ腫」悪性リンパ腫治療マニュアル、改訂第4版、p284、南江堂、2015年

英文論文

  1. Takahata M, Hashino S, Nishio M, Sugita J,Shigematsu A, Onozawa M, Fujimoto K, Endo T, Kondo T, Tanaka J, Imamura M, Teshima T: Occurrence of adverse events caused by valganciclovir as pre-emptive therapy for cytomegalovirus infection after allogeneic stem cell transplantation is reduced by low-dose administration. Transpl Infect Dis. 2015 Dec;17(6):810-5.

国内学会(一般口演)

  1. 宮内あずさ、西尾充史、武田紫、橋本整司、岡本延彦、山本理恵、真岡知央:「CLLに合併したALアミロイドーシスの一例」 第50回日本血液学会北海道地方会、2015年4月4日、札幌
  2. 吉田美穂、武田紫、西尾充史:「Therapy-related myelodysplastic syndrome (tMDS) 4例に対するAzacitidine (AZA) 療法」第57回日本血液学会秋季北海道地方会、2015年9月12日、札幌

国内学会(ポスター)

  1. 西尾充史、武田紫:「悪性リンパ腫(ML)の腫瘍崩壊に伴う凝固異常に対する遺伝子組み換え型トロンボモジュリン (rTM) 」 第63回日本輸血・細胞治療学会総会、2015年5月29日、東京
  2. 西尾充史、武田紫、高桑康成、佐藤昌明、山田秀久 、金井基錫、竹本法弘、三浦巧 、赤倉伸亮、吉井新二、羽場真:「外科的切除を先行させた4例の悪性リンパ腫」 第55回リンパ網内系学会総会、2015年7月11日、岡山
  3. 西尾充史、吉田美穂、武田紫、橋本整司、岡本延彦、山本理恵、真岡知央:「Novel agents for monoclonal gammopathy of renal significance (MGRS)」 第77回日本血液学会学術総会、2015年10月16〜18日、金沢

セミナー

  1. 西尾充史:「悪性リンパ腫治療における腫瘍崩壊と凝固異常」 Thrombomodulin Forum、2014年1月17日、札幌
  2. 西尾充史:「胸水消失が遅れているホジキンリンパ腫の一例」 札幌血液相談所、2015年2月17日、札幌
  3. 西尾充史:「形質細胞性疾患における腎臓内科と血液内科のコラボレーション」 Sendai Myeloma Seminar、2015年3月26日、仙台
  4. 西尾充史:「ビダーザ治療におけるステロイドによる 「支持療法」」第17回ビダーザWebカンファレンス、2015年7月28日
  5. 西尾充史:「ベルケイドへの反応性からみた骨髄腫に伴う腎障害」 M蛋白と腎の会、2015年9月15日、札幌
  6. 西尾充史:「M蛋白のある腎障害症例におけるレブラミドの有用性」 The 3rd Myeloma conference with Nephrologists and Hematologists、2015年9月29日、札幌
  7. 西尾充史:「骨髄腫腎とその類縁腎疾患」 MM meet the expert for next generation、2015年12月12日、東京

パネルディスカッション

  1. 西尾充史:「積極的な真菌予防戦略」 ブイフェンド予防適応追加記念講演会、2015年9月12日、東京