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内視鏡センター

概要

内視鏡室は1995年に旧外来病棟1階に内視鏡エコーセンターとして設置されたが2002年に新外来棟が完成し、内視鏡センターとして独立した部門にとなった。 その後検査件数の増加とともにスペースが手狭になり、2007年に透析センターの3階への移転に伴ってその跡地である病棟4階に移動した。しかし今度は施設の再編成に伴い2014年11月に生理検査室とともに外来棟地下1階(旧カルテ室)に移動する事になった。

業務内容

2014年は当内視鏡センターの移転が大きな出来事であった。

10月下旬まで病棟4階の旧内視鏡センターにて活動していたが、前述のごとく11月4日から外来棟地下1階で診療を開始した。

新しい検査室は図1で示すように、

  • それぞれの部屋が広くなり、緊急検査の際にベッドでの乗り入れも可能になった。
  • リカバリールームも広くなり、鎮静後の方や内視鏡室で具合が悪くなった方への対応がしやすくなった。前処置のスペースも確保されて、より内視鏡を受ける方へ配慮された構造となった。
  • 全ての部屋にハイビジョンモニターを導入し、鮮明な画面を見ながら検査が出来るようになった。
  • バックヤードを設置して各検査室とつなげてスタッフや使用後の内視鏡の洗浄等の導線が整った。
  • 地下1階は外来からも行き来が容易となり、X線検査や生理検査と同じフロアになり患者さんの導線も改善した。
  • 我々も透視室と近くなり、透視下の内視鏡検査にもすぐに行けるようになった。

等メリットが挙げられる。

デメリットはセンター内のトイレの個数が減ったことであるが、部屋を出てすぐに共用トイレがあり、個室や障害者用のトイレもあるので不便はないと思われる。

また待合のスペースが狭くなり、センターの外やX線検査の待合と共有していただく事で対応している。

一方、病棟と離れた事で病棟での緊急検査の対応が懸念されたが、4階に往診用UNITを置かせていただいて、手術室や新ICUでの処置に対応できるようにする予定である。

消化器内視鏡は消化器内科の医師の減員に伴い内視鏡検査数が落ち込んでいたが、その後年々回復傾向にある。今年も若干ではあるが件数が増えてきている。しかし伸びがいまひとつであったのは、GWや年末年始の連休が多かった点と、内視鏡センターの移転にともない約2週間件数制限をやむなくかけていたところが影響しているかもしれない。また年々人間ドックの被検者が減っている事も原因のひとつと考えられる。

2014年1月からの内視鏡センター業務は前年と同様、消化器内科、呼吸器内科、リウマチ膠原病内科、糖尿病内分泌内科の医師が担っていたが、各科の専門性が高くなり消化管の内視鏡は消化器内科医師が行い、他科は消化器内科に依頼するようになった。ドック内視鏡は2012年から札幌医科大学病院、北海道大学病院から医師が派遣され、本年も上部消化管の内視鏡を手伝っていただいている。しかし、消化器内科医師の数が安定したため2014年4月から下部消化管内視鏡は常勤医で対応している。

当センターの役割は、当院の外来患者や入院患者の消化器内視鏡、気管支内視鏡検査による診断と治療の他に人間ドックの上下部消化管内視鏡検査の遂行にある。ドック被検者は年々減少傾向にあり、内視鏡検査数も減少傾向にある。一方消化器内科は医師の充実と外来・入院患者数の増加に伴い内視鏡検査の施行件数も回復傾向にある。気管支鏡検査はここ数年間ほぼ同じ数の検査数となっている(図2)。

当センターで行っている検査は、消化器関連では上下部消化管内視鏡検査、経鼻内視鏡検査、拡大内視鏡検査、ERCP、EUS、EUS-FNA、カプセル内視鏡、小腸ダブルバルーン内視鏡等である。

昨年から引き続き主に消化管内視鏡(特に治療)を専門としている吉井医師に松本医師が加わり、特に大腸のポリペクトミー、EMR、ESD(粘膜剥離術)の件数が増加している(図3、4)。

また超音波内視鏡(EUS)を用いて針生検を行うEUS-FNAも羽場医師の活躍で、胃の粘膜下腫瘍、膵組織の他、縦隔や腹腔のリンパ節や消化管に隣接する臓器の検査も他科から依頼されるようになった。(図5)。

当院は小腸内視鏡(カプセル内視鏡・ダブルバルーン内視鏡)を所持しており、小腸の検査・治療に活用している。特にカプセル内視鏡はそれまでの出血精査だけでなく、クローン病などの炎症疾患にも適応が追加されたため件数が増加している(図6)。

また呼吸器関連では気管支鏡、TBLB、胸腔鏡を行っている。こちらも超音波気管支鏡(EBUS)が2012年に導入され検査件数が増加している。また消化器内科同様超音波内視鏡下に針生検が可能であり診断の向上に貢献している。

当院は日本消化器内視鏡学会指導施設であり、教育・研究に関しては同学会に提出した当院の消化器内視鏡研修システムを遵守している。初期研修医は内視鏡モデルによる内視鏡挿入、操作のトレーニングを行った後、上級医の指導を受けながら内視鏡を行っている。赤倉・吉井・羽場・松本医師は内視鏡学会専門医であり、質の高い内視鏡検査や処置、更に指導を行っている。

消化器内科は北大消化器内科学講座から常勤・非常勤の医師の派遣を戴き、大学と共同の臨床研究や治験等を行っている。今後も大学と協力し、質の高い内視鏡検査を行っていく所存である。

更に消化器内視鏡学会の認定消化器内視鏡技師の育成の為の教育も行っているが、なかなか安定したスタッフの数が確保できていない。技術の高い医師と良い道具(機器)と常勤のスタッフのバランスがとれていることが理想と思われる。

当センターは大学の医局からの医師派遣状況や関連科から紹介の状況、またドックの被験者の数により件数の変動が認められるが、常に質の高い技術を求められており、より一層設備を充実させてニーズに答えていかなくてはならないと思われる。

図1 新内視鏡センターのレイアウト

写真1 検査室3

写真2 リカバリールーム

図2 5年間の内視鏡治療実施件数

図3 4年間の胃の内視鏡治療実施件数

図4 4年間の大腸の内視鏡治療実施件数

図5 5年間のERCP、EUSの実施件数

図5 5年間のダブルバルーン小腸内視鏡(DBE)、カプセル内視鏡の実施件数