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泌尿器科

人の動き

まず人の動きですが、進藤哲哉先生が3月一杯で退職され札幌医大へ戻られました。最初の半年は手術場係として働かれ、その後大学院で研究されるとのことです。交代で桧山佳樹先生が4月に着任されました。

尿路感染症・手術部位感染症を専門とされる若手のホープで活躍されております。6月には1年目研修医の渕崎先生が1ヶ月間研修されました。1ヵ月という短い時間でしたので、是非2年目にも研修に来られることを期待しております。また本年も泌尿器科前部長の酒井茂先生に週1回(金曜)外来を継続担当していただいております。

業務内容

診療では、表に示すように手術件数は649件(ESWL、尿管ステント含む)と昨年より50件ほど件数が減少しました。特に限局性前立腺癌に対する根治的前立腺摘除術はわずか5件と激減しました。この理由としては札幌市内でDaVinci system(ロボット手術)が導入された7施設へ患者さんが流れているためと考えられます。一方ホルミウムレーザーを用いた経尿道的尿管結石砕石術(TUL)は38例と件数が年々増加傾向にあります。尿管結石であればほぼ1回の入院治療で砕石できる利点があります。そのため体外衝撃波腎・尿管結石砕石術(ESWL)件数が減少していますが、ESWLでは日帰り、無麻酔という利点があり、両治療のriskとbenefitを考慮しつつ治療法を選択しております。2014年度末にはESWL機器が更新される予定です。これで尿路結石治療の医療機器は道内でもトップクラスのラインアップとなります。尿路結石症例は非常に多く、地域基幹病院として尿路結石治療のニーズに十分答えていきたいと考えております。男性不妊に対する顕微鏡手術も年々増加しており、市内の不妊専門医療機関と連携しつつ男性不妊治療を行っております。腹腔鏡手術は計34件と例年並みですが、清水先生が泌尿器腹腔鏡技術認定を申請できたことは教育関連施設としての役割を果たせたものと考えています。

研究活動としては論文化に繋がるようなまとまった臨床研究がなかなかできない状況ですが、以前働いていた先生方が症例報告を欧文、和文で論文化していただいております。今後も地道な臨床研究を継続し発信していければと考えております。

外来、病棟、手術は症例数が飽和状態で常勤3名ではかなり厳しい状態が続いています。他科の先生方、コメディカルスタッフの皆様から多大なご支援を頂き何とか乗り切っています。この場を借りて御礼申し上げます。

2014年の手術件数 (計649件)
副腎 副腎摘除術(腹腔鏡) 9
根治的腎摘除術(腹腔鏡) 10
根治的腎摘除術(Open) 2
腎部分切除術(腹腔鏡) 7
腎部分切除術(Open) 1
根治的腎尿管摘除術(腹腔鏡) 6
根治的腎尿管摘除術(Open) 4
腎盂形成術(腹腔鏡) 1
経皮的腎瘻造設術 7
馬蹄腎峡部離断術 1
Open腎生検術 1
腎のう胞穿刺術 1
尿管 経尿道的尿管結石砕石術(TUL) 38
経尿道的尿管ステント留置術 124
尿管鏡 7
膀胱 膀胱全摘除術+回腸導管造設術 4
膀胱部分切除術 1
TUR-BT 113
TU-EC 1
膀胱砕石術 14
膀胱結石・異物摘出術 3
膀胱尿管新吻合術 1
前立腺 根治的前立腺摘除術 5
TUR-P 15
前立腺針生検 92
経尿道的前立腺金マーカー挿入術 15
尿道 内尿道または膀胱頚部切開術 5
尿道憩室切除術 2
尿道腫瘍切除術 2
尿道脱手術 1
尿道カルンクル切除術 2
精巣 根治的精巣摘除術 1
除睾術 1
精巣固定術 11
腹腔鏡 1
不妊 顕微鏡下精索静脈瘤低位結紮術 26
精巣内精子採取術(MD-TESE) 30
女性 TOT 1
TVM 9
体外衝撃波腎尿管結石破砕術 65
その他 陰嚢水腫根治手術 2
環状切開術 2
背面切開術 3
陰茎コンジローマ切除術 1
直腸出血止血術 1
  2010 2011 2012 2013 2014
合計 530 642 713 700 649
副腎摘除術 7(6) 6(6) 6(6) 5(5) 9(9)
根治的腎摘除術 22(21) 10(8) 19(17) 15(11) 12(10)
腎部分切除術 4(3) 5(4) 20(14) 11(5) 8(1)
腎尿管全摘除 11(7) 9(6) 8(8) 9(8) 10(6)
腎盂形成術 1(1) 1(1) 5(5) 5(5) 1(1)
経尿道的尿管結石砕石術(TUL) 10 10 12 21 38
膀胱全摘除術
(+回腸導管造設術あるいは回腸新膀胱作成術)
5 6 2 4 4
経尿道的膀胱腫瘍切除術(TUR-BT) 81 102 136 113 113
根治的前立腺摘除術 19 25 22 16 5
経尿道的前立腺切除術(TUR-P) 36 18 24 12 15
前立腺針生検術 90 108 91 117 92
尿失禁・膀胱脱手術 11 8 11 10 10
精巣内精子採取術(MD-TESE) 25 16 20 23 26
精索静脈瘤手術(顕微鏡下低位結紮術) 13 17 22 25 30
体外衝撃波腎・尿管結石破砕術(ESWL) 106 117 145 102 65
その他 93 183 170 212 211

( ):腹腔鏡手術

研究活動

原著

  1. 市原浩司、高橋聡、北村 寛、伊藤直樹、舛森直哉:「腹腔鏡下腎尿管摘除術の安全性および合併症に関する検討」Jpn J Endourol 2014, 27:147-152.
  2. Sato Y, Iwamoto T, Shinka T, Nozawa S, Yoshiike M, Koh E, Kanaya J, Namiki M, Matsumiya K, Tsujimura A, Komatsu K, Itoh N, Eguchi J, Yamauchi A, Nakahori Y. : Y chromosome gr / gr subdeletion is associated with lower semen quality in young men from the general Japanese population but not in fertile Japanese men. Biol Reprod 2014, 90 : 116, 1-8.
  3. 橋本浩平、進藤哲哉、山本卓宣、小林皇、西中一幸、伊藤直樹:「抗てんかん薬服用中の重症心身障害児における体外衝撃波結石破砕術を行った腎結石の2例」Jpn J Endourol 2014, 27:217-220.
  4. Yamamoto T, Hashimoto K, Itoh N. : Case of phechromocytoma associated with neurofibromatosis type1 developing postoperative hypertension. Int J Urol 2014. Doi : 10 : 1111/iju.12537

講演、学会発表

  1. 進藤哲哉、橋本浩平、清水崇、伊藤直樹、舛森直哉:「前立腺肥大症に対するデュタステリド休薬に伴う排尿機能、前立腺肥大への影響の前向き研究」第391回日本泌尿器科学会北海道地方会、2014年1月25日、札幌
  2. 伊藤直樹:「前立腺癌の手術療法」札幌医科大学放射線治療インテンシブ研修コース、2014年3月11日、札幌医科大学
  3. 伊藤直樹:「過活動膀胱:実臨床成績から見た薬物療法の課題」函館泌尿器科医会学術講演会、2014年3月28日、函館
  4. 伊藤直樹、進藤哲哉、清水崇、酒井茂:「BPH患者は今の治療に満足しているか?−簡易質問票を用いた検討−」第102回日本泌尿器科学会総会、2014年4月24日、神戸
  5. 伊藤直樹、桧山佳樹、清水崇、前田俊浩、前鼻健志:「無精子症に対する精巣内精子採取術(testicular sperm extraction:TESE)の検討」第392回日本泌尿器科学会北海道地方会、2014年5月31日、札幌
  6. 伊藤直樹:「過活動膀胱:どう診るか」札幌市医師会西区・手稲区支部合同学術講演会のご案内、2014年7月23日、札幌
  7. 伊藤直樹:「前立腺がんの骨転移治療市民公開講座(前立腺がんの早期発見・適切治療の大切さを伝えます)」2014年9月15日、札幌
  8. 伊藤直樹、清水崇、桧山佳樹、松川雅則:「腹腔鏡下腎盂形成術の検討」第393回日本泌尿器科学会北海道地方会、2014年10月11日、札幌
  9. 伊藤直樹:「排尿障害と尿失禁について」NTT東日本札幌病院健康セミナー、2014年10月18日、札幌
  10. 伊藤直樹、清水崇、桧山佳樹、松川雅則:「腹腔鏡下腎盂形成術の検討」第28回日本泌尿器内視鏡学会、2014年11月27日、福岡