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腎臓内科・人工透析センター

人の動き

人事面では古川先生が6月末で北海道大学病院に異動となり、かわりに川島先生が釧路赤十字病院から赴任されました。研修医は6名と多数の先生が研修に来てくれて、第一線で活躍し、内科学会などで症例報告の発表も行ってくれました。また、4月よりさっぽろ二十四軒病院より毎週金曜日に三好茂樹先生が研修と診療にいらしています。

当科は腎臓病を専門に診る内科部門と、腎不全治療の一環としての人工透析の管理の両方を行っています。前者の内科部門が日本腎臓学会、透析部門が日本透析医学会で、両学会を中心に学会活動も積極的に行っています。両学会の教育病院の指定とともに、全国委員にも任命され学会に協力しています。当科は4名が両学会の専門医となっていて、その数は北海道の一般病院では最大です。また、血漿交換療法にも積極的にかかわっていて、札幌市中央区の病院としては唯一の日本アフェレシス学会の認定病院となっています。

また、北海道大学の学外教育施設として協力しており、各週に北大の医学部の学生の実習の受け入れを行っています。

腎臓内科業務内容

外来

月曜日から金曜日まで、午前・午後の外来を行っています。新患は午前外来で受け付けています。

外来では、健康診断で尿異常(尿たんぱくや尿潜血)を指摘された方や、腎機能の異常を指摘された方、慢性糸球体腎炎やネフローゼ症候群と診断された方、むくみの相談にこられた方、などを対象に診療しています。また院内他科とも連携して診療にあたっています。例えば、糖尿病科と協力し、透析予防プログラムを開始しています。

外来患者数は、のべ人数で7,727名と多くの患者数の診療を行いました。うち初診患者は316名で、特に当科は遠方からの患者が多いのが特徴です。腎臓内科として北海道で一定の存在感を示しています。

入院

健康診断などで、尿異常や腎機能障害を指摘された方で、精密検査の必要がある場合には、腎生検を行い、その結果を元に診断治療を行っています。

慢性腎臓病(CKD)は名前のとおり慢性病であり、その管理は多岐に渡ります。まず第一に血圧の厳重な管理であり、そのほか食事栄養指導(低たんぱく食、減塩食の指導)。また、CKDが高度になった場合は、腎性貧血や副甲状腺、腎性骨症などの合併症の管理も重要になってきます。特に、骨に関してはCKDMBDというネーミングもされ、その重要性が認知されつつあります。

透析導入疾患の第一位は糖尿病腎症ですが、総透析患者数に占める割合も糖尿病腎症が慢性糸球体性腎炎を2011年末で追い越したことが発表され、メタボリックシンドロームも含めてCKDの大きな因子として、糖尿病腎症の重要性が増しています。

慢性糸球体性腎炎の代表的疾患であるIgA腎症に対しては、耳鼻科と協力して扁桃摘出とステロイドパルス療法を組み合わせた扁摘パルスを行い良好な成績を上げています。その他の慢性糸球体性腎炎やネフローゼ症候群の治療も腎生検を元に行っています。また、CKD患者さんの教育精査入院や、進行したCKD患者さんの内シャント手術を含めた透析導入、合併症をかかえた維持血液透析患者の管理を行っています。シャントやアクセスのトラブルに関しては手術のほか、経皮血管拡張術(PTA)も行っています。難治症例に関しては血管外科と協力して治療を行っています。

急性腎障害(AKI)については、自科のみならず、院内各科や近隣医療機関での発生患者の受け入れ、管理、治療、緊急透析等に対応しています。

そのほか、血漿交換、血液吸着、血球成分除去(潰瘍性大腸炎などの)などのアフェレーシス治療も積極的に行っており、腎疾患のすべての病期の患者さんを対象に腎臓内科としてトータルな医療を実施しています。

当科では総合病院の特徴を活かし、尿路疾患については泌尿器科、糖尿病性腎症については糖尿病・内分泌内科や眼科、膠原病による腎障害についてはリウマチ・膠原病内科と連携し腎臓疾患の治療にあたっています。また、循環器疾患や整形外科疾患などの合併症治療が必要な維持透析患者の受け入れも、各科と連携し幅広く行っています。

そのほかにも、腎不全の治療選択肢として腎移植にも積極的に取り組み、移植可能施設への橋渡しを行っています。

腎生検は本年61件と、昨年同様の施行数で(2013年73件、2012年74件、2011年37件)、腎組織所見を元にして適切な治療が行えるように努力しています。

内シャント手術は54件施行しています。(2013年60件、2012年65件、2011年38件)この他にも4例が血管外科の御協力で人工血管手術も施行しています。

PTAは32件施行しています。(2013年35件、2012年20件、2011年15件)

のべ入院患者数は3,634名で、一日当たり約10名の患者さんの入院加療行っています。

アフェレシスは、血漿交換6例、GCAP2例、LCAP1例、エンドトキシン吸着4例を実施しています。

腹膜透析は本年は2例の導入患者がありました。腹膜カテーテル挿入術と腹膜透析導入を実施しており、血液透析・腹膜透析の両者の実施の実施施設で、患者さんが腎不全・腎代替療法の選択を出来る施設となっています。

透析センター

透析部門の業務は新規透析導入(導入教育などを含む)・外来維持透析・合併症などによる他科入院患者の透析管理・AKIなどの患者の緊急透析が主な業務となります。基本的に院内発生の腎不全や他科入院の透析依頼は全て受け入れる方針で対応しています。そのため、透析ベットは現在41床ですが、感染症対応ベット、入院患者用、緊急用ベットなどを勘案しほぼ満床状況です。そのため、2006年以降はひと月で約1,500回程度と総透析回数は横ばいで推移しています。本年の新規透析導入患者は34名でした。新規導入患者さんに関しては、自宅の近くなどのクリニックなどと病診連携して維持透析をお願いしています。なお、年末の当院の外来維持透析患者数は107名です。透析患者は全国的に高齢化の傾向にあり、合併症や併存症を患う患者が増えています。当院では生理検査室や放射線科の御協力のもと各種画像検査や生理検査を定期的に施行し早期発見に努めています。320列のCTを使用し、シャント造影検査を行い狭窄病変の評価を行っています。従来の血管造影より少ない造影剤の量で立体的(3D)画像が得られるため、スクリーニングの検査に有用です。

研究活動

原著

  1. 芳村桜、川端皓、板倉由美子、武田あかり、山崎真由美、北村恵美子、関沢祐一、本川奈穂美、山口則子、橋本整司:「リン吸着薬の錠形による影響」臨床透析(in Press)
  2. Nakai Shigeru, Hanafusa Noritomo, Masakane Ikuto, Taniguchi Masatomo, Hamano Takayuki, Shoji Tetsuo, Hasegawa Takeshi, Itami Noritomo, Yamagata Kunihiro, Shinoda Toshio, Kazama JJunichiro, Watanabe Yuzo, Shigematsu Takashi, Marubayashi Seiji, Morita Oasamu, Wada Atsushi, Hashimoto Seiji, Suzuki Kazuyuki, Nakamoto Hidetomo, Kimata Naoki, Wakai Kenji, Fujii Naohiko, Ogata Satoshi, Tsuchida Kenji, Nishi Hiroshi, Iseki Kunitoshi, Tsubakihara Yoshiharu : Overview of Regular Dialysis Treatment in Japan (as of 31 December 2012) Ther Apher Dial. 18 : 535-602, 2014
  3. 橋本整司:「炭酸ランタン錠形変更による影響について」札幌市医師会医学誌293:9-10、2014
  4. 長谷川毅、中井滋、森石みさき、伊藤恭彦、伊丹儀友、政金生人、花房規男、谷口正智、濱野高行、庄司哲雄、山縣邦弘、篠田俊雄、風間順一郎、渡邊有三、重松隆、丸林誠二、守田治、和田篤志、橋本整司、鈴木一之、木全直樹、若井建志、藤井直彦、尾形聡、土田健司、西裕志、井関邦敏、椿原美治、中元秀友:「腹膜透析(PD)レジストリ2012年末調査報告」日本透析医学会誌47:107-117、2014
  5. 中井滋、花房規男、政金生人、谷口正智、濱野高行、庄司哲雄、長谷川毅、伊丹儀友、山縣邦弘、篠田俊雄、風間順一郎、渡邊有三、重松隆、丸林誠二、守田治、和田篤志、橋本整司、鈴木一之、中元秀友、木全直樹、若井建志、藤井直彦、尾形聡、土田健司、西裕志、井関邦敏、椿原美治:「わが国の慢性透析療法の現況(2012年12月31日現在)」日本透析医学会誌47:1-56、2014

著書、総説

  1. 中井滋、花房規男、政金生人、谷口正智、濱野高行、庄司哲雄、長谷川毅、伊丹儀友、山縣邦弘、篠田俊雄、風間順一郎、渡邊有三、重松隆、丸林誠二、守田治、和田篤志、橋本整司、鈴木一之、中元秀友、木全直樹、若井建志、藤井直彦、尾形聡、土田健司、西裕志、井関邦敏、椿原美治:「透析医学会統計調査逆引き辞典」医薬ジャーナル社
  2. 橋本整司:「アミロイドーシス今日の治療指針2016」(in press)
  3. 橋本整司:「痛風、高尿酸血症今日の治療指針2014」Volume 54:700-703,2014

学会発表

  1. 小竹徹、川島圭介、眞岡知央、山本理恵、岡本延彦、工藤立史、深澤雄一郎、橋本整司、小池隆夫:「セロコンバージョン後も腎障害が進行したHBV腎症の1例」第272回日本内科学会北海道地方会、札幌、2014年11月30日
  2. Sueta Shinichi, Tagawa Miho, Hamano Takayuki, Hashimoto Seiji, Ogata Satoshi. : The association between incidence of cardiovascular events, hip fractures and dialysate calcium concentration, stratified by pre-dialysis serum calcium concentration in Japanese hemodialysis patients. 47 th American Society of Nephrology annual meeting, Philadelphia, PA, USA ( 2014 ) November 11-16
  3. 川島圭介、橋本整司、岡本延彦、山本理恵、眞岡知央、小池隆夫:「クエン酸第二鉄の使用経験」第86回北海道透析療法学会、札幌、2014年11月9日
  4. 橋本整司:「臨床コメントLCDDとPGMGDについて」第9回北海道腎カンファレンス、札幌、2014年10月31日
  5. 小竹徹、橋本整司:「低悪性度リンパ腫に続発したLight Chaine deposition diseaseの一例」第9回北海道腎カンファレンス、札幌、2014年10月31日
  6. 橋本整司、岡本延彦、山本理恵、眞岡知央、古川将太、深澤雄一郎、小池隆夫:「急激な腎機能低下を認めた腎硬化症の1例」第44回日本腎臓学会東部学術大会、東京、2014年10月24〜25日
  7. 川島圭介、橋本整司、岡本延彦、山本理恵、眞岡知央、古川将太、深澤雄一郎、武田紫、西尾充史、小池隆夫:「MGUSを伴うクリオグロブリン腎症の1例」第44回日本腎臓学会東部学術大会、東京、2014年10月24〜25日
  8. 橋本整司、岡本延彦、山本理恵、眞岡知央、古川将太、深澤雄一郎、小池隆夫、深澤雄一郎:「糸球体病変に乏しいANCA関連血管炎に対してステロイド治療が奏功した1例」第44回日本腎臓学会西部学術大会、神戸、2014年10月3〜4日
  9. 橋本整司、佐々木弘好、松浦弘司、芳賀智顕、小池隆夫:「GCAP施行目的で挿入したダブルルーメンカテーテルにて奇異性脳梗塞の発症した1例」第35回日本アフェレシス学会学術大会、東京、2014年9月26〜28日
  10. 川島圭介、橋本整司、岡本延彦、山本理恵、眞岡知央、小池隆夫、深澤雄一郎、武田紫、西尾充史:「MGUSを伴うクリオグロブリン腎症の一例」第271回日本内科学会北海道地方会、札幌、2014年7月19日
  11. 橋本整司、古川将太、眞岡知央、山本理恵、岡本延彦、小池隆夫:「トルバプタンの電解質や腎機能への与える影響について」第57回日本腎臓学会、横浜、2014年7月4〜6日
  12. 橋本整司、眞岡知央、山本理恵、岡本延彦、神谷詩織、小池隆夫:「先発品から後発品への変更に起因すると思われる副作用の出現した2例」第64回日本病院学会、高松、2014年7月3〜4日
  13. 古川将太、大林光念:「診断に苦慮したALアミロイドーシスの一例」第10回北海道腎疾患を考える会、札幌、2014年6月28日
  14. 末田伸一、尾形聡、橋本整司、椿原美治、井関邦敏、濱野高行、田川美穂:「透析前血清Ca濃度3分位毎の透析液Ca濃度と心血管イベント、骨折との関連(透析医学会統計調査公募研究)」第59 回日本透析医学会学術集会、神戸、2014年6月12〜15日
  15. 橋本整司、岡本延彦、山本理恵、眞岡知央、芳賀智顕、松浦弘司:「中心静脈カテーテル挿入中は奇異性脳梗塞の発症リスクに留意すべきである」第59回日本透析医学会学術集会、神戸、2014年6 月12〜15日
  16. 野上桜、川端皓、板倉由美子、眞岡知央、山本理恵、岡本延彦、山口則子、橋本整司、小池隆夫、関沢祐一:「炭酸ランタン錠形変更による影響と剤形選択の援助」第59回日本透析医学会学術集 会、神戸、2014年6月12〜15日
  17. Hashimoto Seiji, Seki Masahide, Maoka Tomochika, Yamamoto Rie, Okamoto Nobuhiko, Nishikawa Akira Koike Takao. : An Evaluation of bioelectrical impedance spectroscopy, in order to measure and compare body water distribution in both healthy pregnant women and pregnant women on dialysis. 51th ERA-EDTA, Amsterdam, Nederlands (2014) May 31-June 3
  18. 橋本整司、岡本延彦、山本理恵、眞岡知央、古川将太、佐々木弘好、松浦弘司、小池隆夫:「中心静脈カテーテル挿入中は奇異性脳梗塞の発症リスクに留意すべきである」第85回北海道透析療法学会、札幌、2014年5月11日
  19. Seki Masahide, Hashimoto Seiji, Maoka Tomochika, Yamamoto Rie, Okamoto Nobuhiko, Nishikawa Akira, Koike Takao. : An Evaluation of bioelectrical impedance spectroscopy, in order to measure and compare body water distribution in both healthy pregnant women and pregnant women on dialysis .7th International congress of hemodialysis, Okinawa, Japan (2014) April 25-27
  20. 橋本整司、眞岡知央、山本理恵、岡本延彦、古川将太、野上桜、武田あかり、川端皓、板倉由美子、山口則子、小池隆夫:「炭酸ランタン錠形変更による影響について」第39回札幌市医師会医学会、札幌、2014年2月16日
  21. 立田泰之、古川将太、眞岡知央、山本理恵、岡本延彦、橋本整司、小池隆夫、深澤雄一郎:「糸球体病変に乏しいANCA関連血管炎に対してステロイド治療が奏功した1例」第270回日本内科学会北海道地方会、札幌、2014年2月8日

その他の発表(講演会等)

  1. 橋本整司:「配合剤の位置づけと利点〜アイミクスの有用性」STOP-Hypertension Forum in Sapporo、札幌、2014年7月19日
  2. 橋本整司:「リン吸着薬のアドヒアランス」ホスレノール発売5周年記念後援会、札幌、2014年5月24日
  3. 橋本整司:「より良い合併症の包括的管理〜各立場からの次の一手・腎臓」第2回脳心腎連携ネットワークカンファレンス、札幌、2014年5月14日
  4. 橋本整司:「私のサムスカの使い方」第4回水利尿を考える会、札幌、2014年2月14日