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臨床検査科

業務内容

臨床検査科は検体検査部門、生理検査部門、病理診断部門の3部門体制からなります。輸血センターは別組織として存在していますが、検査技師は互いに兼務しており共同で業務に当たっています。

臨床検査科は迅速で正確な検査結果報告、リスクマネジメントと精度管理、コスト意識ををもった検査室運営を目標として掲げています。また全体のレベルアップや、各種の資格取得に向けて部員一同、日々努力しているところであります。

部長の佐藤は平成24年度で定年となります。部長職は7年間でしたが、これまでを簡単に振り返ってみます。

着任当時は検査技師21人の体制でしたが、そのうち臨時雇が10人を占めていました。職員は比較的年をとっており、若い人は皆、臨時雇という状態でした。経験を積み、資格を取った臨時雇が、他の病院に流出する事態が相次ぎ、このような状態では10年後に組織として成り立たないのではないだろうかと心配したものでした。これは検査室のブランチ化が当時は検討されていたためと思われます。しかし、その後、本社の方針が変わり、徐々に臨時雇の正職員化や新規採用が行われるようになりました。また臨時雇もメディカル・プロフェッショナル・スタッフとして待遇改善が図られました。現在では検査技師は28名に増加し、臨時雇(メディカル・プロフェッショナル・スタッフ)は5名に減少しました。正職員の割合が、当初の約50%から約82%に増加しました。医師の方も若い高桑先生が加わり、平成25年度から臨床検査科部長に就任します。大型検査機器の更新も徐々に進み、これでようやく、今後数十年は安心な組織ができたのではないかと思います。

また着任当時は学会活動などがあまり活発に行われていないということだったので、学会発表や、専門資格取得を積極的におこなうように働きかけてきました。

その後、徐々にではありますが、学会発表や論文作成、様々な資格取得の流れが定着してきており、非常に嬉しく思っています。今年度は糖尿病療養指導士が1名(筒井)、認定血液検査技師が1名(向山)、超音波検査士(泌尿器領域)が1名(鈴木)誕生しました。

また外部委託検査の取込みや新規検査の導入なども順調に進んでいます。今年度は血中バンコマイシン濃度測定、マグネシウム測定、抗CCP抗体測定、リウマチエコー検査などが新たに可能になりました。また外来8時採血への対応やNSTへの参加もなされました。

振り返るといろいろありましたが、検査科が人数でも、業務内容でも一回り大きくなった、一番よい時期に部長を務めさせていただいたと思います。この8年間、大過なくやってこられたのも皆様のおかげと感謝しています。

平成24年(1月〜12月)の業務データから部門別検査件数の推移の表、病院全体の検査収入を項目ごとに示した検査収入比率と検査科内検査を各部門ごとに示した部門別収入、検査総点数年度別推移のグラフを添付します。部門別検査件数はほぼ横ばいです。また検査収入比率、部門別収入のグラフも平成23年のものから大きな変化はありませんが、検査総点数は引き続き増加傾向にあります。

検査科は比較的順調に運営されていると思われますが、日進月歩の医療の進歩に遅れることなく、検査の質を高めることが必要です。外部委託検査の更なる取込みや、感染症の遺伝子検査導入、細胞診のLiquid based cytology導入などが現在検討されています。またDPC導入に向けて、コスト意識を持った業務内容の詳細な見直しが今後の課題と思われます。

部門別検査件数の推移

  平成21年 平成22年 平成23年 平成24年 対前年比
尿検査 人数 43,801 47,606 49,699 48,082 96.7
74,700 78,017 81,160 77,152 95.1
糞便検査 人数 5,702 5,673 5,531 5,567 100.7
9,997 9,772 9,127 9,317 102.1
採取液 人数 178 199 212 191 90.1
1,372 1,612 1,812 1,553 85.7
化学・血清 人数 94,189 100,398 105,838 108,871 102.9
1,638,262 1,762,934 1,817,168 1,804,578 99.3
血液検査 人数 84,356 88,853 90,125 90,672 100.6
179,616 188,540 195,538 198,770 101.7
微生物 人数 15,876 13,179 15,876 15,682 98.8
28,790 25,570 28,790 28,494 99.0
合計 人数 244,102 255,908 267,281 269,065 100.7
1,932,737 2,066,445 2,133,595 2,119,864 99.4
  平成21年 平成22年 平成23年 平成24年 対前年比
病理検査 病理 3,921 4,361 4,579 4,601 100.5
細胞診 6,807 7,362 7,584 7,738 102.0
解剖 10 6 3 6 200.0
生理検査 件数 42,510 37,996 41,424 42,242 102.0
合計 件数 3,921 4,361 4,579 4,601 100.5

2012年度検査収入比率

2012年度部門別収入

検査総点数年度推移

研究活動

原著論文

  1. Hayashi J, Sakata KI, Someya M, Matsumoto Y, Sato M, Nakata K, Hori M, Takagi M, Kondoh A, Himi T, Hareyama M.
    Analysis and results of Ku and XRCC4 expression in hypopharyngeal cancer tissues treated with chemoradiotherapy.
    Oncol Lett2012;4:151-155
  2. Kato T, Ishikawa K, Aragaki M, Sato M,Okamoto K, Ishibashi T, Oba K, Kaji M.
    Optimal predictive value of preoperative serum carcinoembryonic antigen for surgical outcomes in stage I non-small cell lung cancer: Differences according to histology and smoking status.
    J Surg Oncol 2012;10:1002
  3. Kato T, Ishikawa K, Aragaki M, Sato M, Okamoto K, Ishibashi T, Kaji M.
    Angiolymphatic invasion exerts a strong impact on surgical outcomes for stage I lung adenocarcinoma, but not non-adenocarcinoma.
    Lung Cancer 2012;77:394-400
  4. Kato T, Daigo Y, Aragaki M, Ishikawa K, Sato M, Kaji M.
    Overexpression of CDC20 predicts poor prognosis in primary non-small cell lung cancer patients.
    J Surg Oncol 2012;106:423-430.
  5. Kato T, Daigo Y, Aragaki M, Ishikawa K, Sato M, Kaji M.
    Overexpression of KIAA0101 predicts poor prognosis in primary lung cancer patients.
    Lung Cancer 2012;75:110-118.

症例報告

  1. 広村 忠雄, 佐藤 昌明
    子宮頸部から発生した成熟嚢胞性奇形腫
    臨床放射線 2012;57:973-977

学会発表

  1. 瀧上  剛 、松ア賢司 、松浦弘司 、森 猛 、神 幸二 、松居喜郎
    健常人のEOAI 値から見た大動脈弁置換術における人工弁Size 選択の妥当性
    第42回日本心臓血管外科学会学術総会(秋田) 2012年04年18日
  2. 向山 健一, 川合 ひろみ, 安達 保輝, 馬場 伸市, 斎藤 敏勝, 武田 紫, 西尾 充史, 高桑 康成, 佐藤 昌明
    Angio-immunoblastic T-cell lymphomaの一例
    第13回日本検査血液学会(高槻市) 2012年7月28日
  3. 森 猛, 刀川 恵, 後藤 妙子, 菅原 めぐみ, 三森 太樹, 神 幸二, 斎藤 敏勝, 佐藤昌明
    AVR(大動脈弁置換術)後におけるEOAIに関する検討
    第87回北海道 医学検査学会 (旭川)  2012年9月29日
  4. 小松 健一郎
    診断に苦慮した胸膜悪性中皮腫の1例
    日本細胞診断学推進協会 細胞検査士会道支部道央地区会
    第274回 症例検討会(札幌市) 2012年11月29日
  5. 小林 皇, 伊藤 直樹, 酒井 茂, 佐藤 昌明
    精索/性腺間質腫瘍の1例   泌尿器外科 2012;25:1910
  6. 小林 皇, 伊藤 直樹, 酒井 茂, 佐藤 昌明
    精巣網腺癌が疑われた精巣腫瘍の1例   泌尿器外科 2012;25:2067
  7. 柴森 康介, 小林 皇, 伊藤 直樹, 水無瀬 昂, 佐藤 昌明
    Oncocyticpheochromocytoma の1例   泌尿器外科 2012;25:2081
  8. 西尾 充史, 松野 吉宏, 武田 紫, 高桑 康成, 近藤 健, 藤本 勝也, 杉田 純一, 白鳥 聡一, 竹村 龍, 吉田 美穂, 佐藤 昌明, 田中 淳司, 久保田 佳奈子
    t(14;19)を含む複雑な染色体異常を持ち、自然消退を繰り返したB細胞性リンパ腫と考えられる一例
    日本リンパ網内系学会会誌 2012;52:116

講演

  1. 神 幸二
    実践 下肢静脈エコー
    第18回ワンコインセミナー(北見市) 2012年3月3日
  2. 三森 大樹
    心電図の基礎 とってみよう! 読んでみよう!!
    札幌臨床検査技師会わかばセミナー(札幌市) 2012年6月12日
  3. 神 幸二
    「S t e p u pホルター心電図」ホルター心電図の解析のコツ
    第171回北臨技講習会(札幌市) 2012年7月21日
  4. 佐藤 昌明
    化学療法による肺癌の治療効果
    第20回札幌呼吸器疾患臨床・病理検討会(札幌) 2012年7月25日
  5. 神 幸二
    下肢静脈エコーのコツ
    下肢静脈エコー講習会(札幌市) 2012年9月14日
  6. 石崎 千恵子
    歯周病スクリーニング検査としての唾液腺ヘモグロビン濃度検査
    NTT東日本札幌病院糖尿病療養指導士研究会(札幌) 2012年11月16日
  7. 神 幸二
    下肢静脈エコーの実際
    札臨技主催 札幌セミナー(北広島市) 2012年12月1日