札幌病院


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産婦人科

診療

2012年度は上記のようにスタッフの異動があった。3年間当院に在籍した南医師が、7月から室蘭へ異動になり、かわりに真里谷医師が赴任した。山ノ井医師は半年間で異動となり4月から沼田医師が赴任した。西川、二瓶、川俣はこの1年もそのまま診療にあたった。水曜日の外来は佐藤まり子医師が担当している。

産科

分娩方針はこれまでどおり、リスクを的確に把握し、リスクの低い妊婦さんには自然分娩を推奨している。2012年度の分娩数は596件であった。これまで20%を切っていた帝王切開率が21%まで上昇した(図1)。帝王切開率上昇の要因についてははっきりしないが、緊急帝王切開の割合が増していることがわかる。

当院は地域周産期センターの役割も担っており、2012年は12件の母体搬送を受け入れた。逆に他病院への搬送は6件であった。2012年度は例年より早産などで搬送した症例が多かったことがわかる。

今年度の産科の統計を表1に示す。産科手術は帝王切開126件を含め131件の手術を施行した。

助産師外来を導入し8年が経過した。妊婦さんからも違和感なく受け入れられていると思う。外来の妊婦健診では、超音波スクリーニング、早産予防の取り組みを行っている。また、出生前診断について希望のある妊婦には専門助産師による出生前診断の相談外来を行っている。産後のメンタルヘルスケアへの取り組みとして、産後うつ病のスクリーニングを行っている。リスクのある症例には産後2週間健診や電話訪問など行っている。搬送の受け入れは、妊娠30週以降の切迫早産、子宮内胎児発育遅延、妊娠高血圧症候群などを中心に受け入れている。

表1 H24年度産科統計
帝王切開 126例
  予定帝切 75例
  緊急帝切 51例
  帝王切開率 22.4%
【合併症】
  常位胎盤早期剥離 2例
  前置胎盤 2例
  弛緩出血 6例
  IUGR 4例
  PIH 13例
  HELLP症候群 1例
  双胎 11例
早産 49例(8.1%)
  30週未満 0例
  30週0日〜34週6日 18例
  35週0日〜36週6日 31例
分娩時異常出血(1000ml以上) 40例(6.7%)
  1000〜1499ml 26例
  1500〜1999ml 8例
  2000ml以上 6例
吸引分娩 23例
双胎経腟分娩 2例
598例

婦人科

表2に示すように、2012年度の婦人科手術件数は853件(術式別の総計)であった。これは昨年度に比べ減少したことになるが、手術患者ベースでは896人の手術を行った(帝王切開含む)ことになり、昨年より増加している。年間手術件数は腹腔鏡手術:324件、子宮鏡手術:104件、レーザー手術:114件、骨盤臓器脱手術:35件となっている(図2)。腹腔鏡手術の内訳は、附属器の手術が最も多く、152件。子宮摘出術(LAVH/TLH)が74件。子宮筋腫核出術が73件となっている。単孔式腹腔鏡手術や2孔式手術などreduced port surgeryも行っている。レーザー手術は子宮頸部上皮内癌には円錐切除を行っているが、中等度ないし高度異形成の症例にはレーザーによる蒸散術を日帰り手術で行っている。その成績は、2013年度の日本産科婦人科学会で発表予定である。メッシュを用いた骨盤臓器脱に対するTVM手術は、導入から200例を超え、安定した成績である。

また、過多月経に対するマイクロ波子宮内膜アブレーションはH24年4月から保険収載されたため、手術件数が増えた。過多月経に悩んでいるが、手術を希望しない症例、ないしは合併症のため手術が困難な症例には非常に有用である。

表2 2012年手術術式一覧(重複症例を含む)

産科
選択帝王切開術 73例
緊急帝王切開術 51例
シロッカー氏頸管縫縮術 1例
前置胎盤合併帝王切開術 2例
卵管結紮術 4例
計131例
婦人科
腹腔鏡下子宮付属器腫瘍摘出術 152例
子宮頸部レーザー照射術 69例
腹腔鏡補助腟式子宮全摘術 74例
腹腔鏡下子宮筋腫核出術 73例
子宮鏡下子宮筋腫核出術(内膜ポリープを含む) 79例
流産手術 67例
腹式子宮全摘術 72例
子宮脱手術 29例
子宮膣部円錐切除術 45例
腹式子宮付属器腫瘍摘出術 51例
卵巣癌手術 19例
子宮体部癌手術 21例
腹腔鏡下子宮外妊娠手術 8例
子宮内膜掻爬術 25例
腹腔鏡下内膜症病巣除去術 17例
子宮頚管ポリープ切除術 1例
外性器腫瘍摘出術 12例
子宮鏡下子宮内膜焼灼術 25例
腹式子宮筋腫核出術 7例
膣閉鎖術 6例
腟式子宮筋腫核出術 1例
計853例

研究活動

これまでに引き続き先天性トキソプラズマ感染症のIgG抗体アビディティとPCRを用いた管理法の確立のため北海道トキソプラズマ研究会として前方視的研究を行っている。子宮頸部上皮内病変に関してはヒトパピローマウイルスのタイピング検査を取り入れた管理・治療方針の確立を目標に前方視的研究を行っている。TVM症例の手術成績、子宮内膜症症例の臨床研究、産後うつのスクリーニングに関しての臨床研究も行っている。

2012年度業績

講演

  1. 1月13日 院内勉強会 ガイドラインに準拠した周産期医療を目指して 西川鑑
  2. 2月11日子宮頸がん予防フォーラム (札幌 札幌パークホテル)
    【特別講演2】 子宮頸癌予防ワクチンに求められる特性 西川鑑
  3. 5月7日 院内勉強会 HPV
    第2回とことん語ろうPOPの会(札幌・2012年5月13日)
    ・合併症予防と術式の標準化を目指して!
    斉藤 豪、藤井 美穂、西川 鑑
  4. 6月29日(金)  お母さまになる方のための母子保健教室?プレママわくわくセミナー ハロー赤ちゃん! (札幌 札幌エルプラザ)
  5. 6月30日 道東産婦人科医会 学術講演会 北見 北見プラザホテル HPVと子宮頸部病変 -CINの取り扱いについて-
  6. 10月27日 第27回母子保健セミナー (札幌 北海道医師会館) 周産期の感染症ー母子感染についてー 西川 鑑
  7. 11月3日 北海道自己血セミナー (札幌 京王プラザホテル) 特別講演 産婦人科における自己血貯血 西川 鑑
  8. 11月16日 道南産婦人科医会 (函館 ロワジールホテル) 特別講演 症例から学ぶ子宮内膜症治療 西川 鑑

座長

  1. 1月28日 第51回北海道婦人科癌化学療法談話会 特別講演 NTT東日本関東病院 産婦人科部長 角田 肇 座長 西川鑑
  2. 11月20日 GnRHアゴニスト勉強会 特別講演 慶応大学 産婦人科 阪埜浩司 「子宮内膜症薬物療法のトレンドー私はこうしている」座長 西川鑑
  3. 5月19日第2回札医大関連ラパロセミナー 座長 西川 鑑
  4. 2月19日 第37回札幌市医師会医学会 ポスターセッション 司会 西川 鑑
  5. 北海道産婦人科周術期合併症研究会 (札幌・2012年8月4日)
    パネルディスカッション座長 西川 鑑
  6. 11月18日 日本臨床細胞学会北海道支部会 座長

学会発表

  1. 平成 24 年 1 月22 日 第33回日本エンドメトリオーシス学会 長崎
    当科における子宮内膜症手術症例の臨床的検討
    NTT東日本札幌病院
    西川 鑑、山ノ井 睦、川俣あかり、南 妃奈、二瓶 岳人
  2. 1月28日 第51回北海道婦人科癌化学療法談話会
    当院における進行卵巣癌の長期生存例の検討
    NTT東日本札幌病院
    山ノ井睦、二瓶岳人、川俣あかり、南妃奈、西川鑑
  3. 第64回日本産科婦人科学会学術講演会(神戸・2012年4月13日〜15日)
    ・未熟奇形腫再発との鑑別が困難であったGliomatosis peritoneiを伴った卵巣成熟奇形腫の一例
    川俣あかり・西川 鑑1・山ノ井 睦・南 妃奈・清水亜由美・二瓶 岳人1
    (NTT東日本札幌病院産婦人科1
    ・手術により子宮内膜症と確定診断された324症例の臨床的検討
    西川 鑑1・山ノ井 睦・川俣あかり・清水亜由美・南 妃奈・二瓶 岳人1
    (NTT東日本札幌病院産婦人科1
  4. 5月19日第2回札医大関連ラパロセミナー
    ・腹腔鏡補助下子宮筋腫核出術後に腓骨神経麻痺を生じた1例
    川俣 あかり
  5. 第53回日本臨床細胞学会総会(春期大会)(千葉幕張メッセ・2012年6月1日〜3日)
    CIN3に対してのレーザー蒸散療法の成績と予後評価としてのHPV testの意義西川 鑑1、南 妃奈、山本 智宏2、西脇 森衛2
    (NTT東日本札幌病院1、ジェネティックラボ2
  6. 第48回日本周産期・新生児医学会学術集会 (大宮・2012年7月8日〜10日)
    ・子宮頚部上皮内癌と子宮体癌の治療後に妊娠し生児を得た1例
    南 妃奈、西川 鑑1、川俣 あかり
    (NTT東日本札幌病院1
    ・当院における40歳以上の高齢出産に関する検討
    西川 鑑1、川俣 あかり、南 妃奈
    (NTT東日本札幌病院1
  7. 第52回日本婦人科腫瘍学会学術講演会(東京・2012年7月19日〜21日)
    〈一般演題(口演)〉
    ・CIN3に対してのレーザー蒸散療法の長期成績
    西川 鑑1、山ノ井 睦、川俣 あかり、南 妃奈、二瓶 岳人1
    (NTT東日本札幌病院1
    ・急速に進行し予後不良であった低悪性度子宮内膜間質肉腫の1例
    川俣 あかり、西川 鑑1、山ノ井 睦、南 妃奈、清水 亜由美、二瓶 岳人1
    (NTT東日本札幌病院1
  8. 北海道産婦人科周術期合併症研究会 (札幌・2012年8月4日)
    パネルディスカッション 二瓶岳人
    第60回北日本産科婦人科学会総会・学術講演会(山形・2012年9月8日〜9日)
    ・当院における骨盤臓器脱に対するTVM手術180例の成績
    沼田 佳苗、西川 鑑1、川俣 あかり、南 妃奈、二瓶 岳人1
    (NTT東日本札幌病院1
  9. 〈一般演題〉
    ]] FIGO World Congress of Gynecology and Obstetrics (October 7-12, Rome, Italy)
    〈Posters〉
    ・Prognostic significance of high-risk HPV persistence after laser vaporization for CIN3: a prospective clinical study.
    Nishikawa Akira; Yamanoi Mutsumi; Kawamata Akari, Minami Hiina, Nihei Takehito
    (1. Dept. of Obstetrics and Gynecology, NTT east Sapporo Medical Center, Sapporo, Hokkaido, Japan.)
  10. 第1回札幌婦人科がんの会(札幌・2012年10月27日)
    〈一般演題〉
    ・卵巣癌患者の血小板値に関する考察
    沼田 佳苗
  11. 第90回北海道産科婦人科学会・学術講演会(札幌・2012年10月28日)
    ・卵巣癌患者の血小板値に関する検討
    沼田 佳苗、西川 鑑1、真里谷 奨、川俣 あかり、二瓶 岳人1
    (NTT東日本札幌病院産婦人科1
  12. 第33回日本臨床細胞学会北海道支部総会並びに学術総会(札幌・2012年11月18日)
    〈一般演題〉
    ・タモキシフェン投与が原因と思われる子宮頸部異細胞を認めた二症例について
    真里谷 奨、沼田 佳苗、川俣 あかり、二瓶 岳人、西川 鑑

論文・総説

  1. 札医通信 535号 第37回札医医学会印象記 産婦人科1 西川鑑
  2. 札医通信 542号 学術 骨盤臓器脱の外科治療の現況 西川鑑

学会幹事

  1. 二瓶岳人 1月28日 第51回北海道婦人科癌化学療法談話会

講義

  1. 10月26日 札幌医科大学医学部 産科診断 西川 鑑