Project Story #01

農業の生産性向上プロジェクト

お互いが、得意分野でつながることで、新たな可能性をうみだした。

なにか、ターニングポイントとなった出来事があったのですか?

鈴木

画像解析の際に、たとえばトマトの房ごと・実ごとなど「どのような単位でトマトを捉えるか」がポイントとなりそうだということが分かってきたんです。

阿部

検証を繰り返すうち、ある単位で画像を解析してみると、データの精度が急速に上がったんです。AIによる画像解析が、グロワーさんの経験に基づくスキルにだんだんと近づいていくことは、大きな達成感につながりましたね。

福田

検知精度が格段に上がったことで収量予想の作業がかなり簡略化され、労働時間を削減できるようになりました。僕たちはIoTや通信技術のことはよくわかりません。だけどみんなで試行錯誤を重ね、「今日も新しい発見があったね」「こんなことまでわかるようになったんだね」など、精度が少しずつ高くなっていく過程を見ていたら、将来的な希望が持てるようになってきました。

トマトとIoTをつなげて、未来の農業をうみだせ。 トマトとIoTをつなげて、未来の農業をうみだせ。

前例のないこの取り組みを、成功に導くことができた秘訣を教えてください。

佐藤

自分たちが持っている知識やアイデアを持ち寄って、
お互いが主体的にチャレンジしたから、上手くいったのだと思います。

鈴木

僕も同感です。だからこそ、つぎつぎと浮かび上がる課題や困難を着実に乗り越えることができたと自負しています。「どのようにすればグロワーの精度に近づけられるのか」「どのように手軽かつ短時間で解析できるのか」と考えてアイデアを出し合い、仮説を立てて検証を重ねていくうちに、アグリビジョンさんとの強い連携が確立されていきました。試行錯誤を繰り返す中で得た成功の喜びは、とても大きかったです。

"農業×IoT"が実現していく中で、どんなおもしろさを感じましたか?

佐藤

いままでまったく知らなかった世界と融合できたこと自体がおもしろかったですね。IoT技術を取り入れるなんて、いくらがんばっても僕らだけでは成し得ないことだと思うんです。IoT、"モノのインターネット"と言葉だけ聞いても、正直よく分からなかったですし(笑)。

福田

「IoTってどんなものなんだろう?」と、いまいちイメージがつかめないところからスタートし、実際に形になっていくところを見られて、今回はとても勉強になりました。そして、新たな農業の可能性を見出すことができて、とても嬉しく思っています。

久保山氏、稲葉氏、望月氏、唐木氏

今後のビジョンについて聞かせてください。

佐藤

さらに正確な収穫量の予想が可能になり、販売機会を逃さない営業ができるようになればいいなと思っています。トマトだけではなく、ほかの農作物にもこの画像解析技術を応用できるようになればいいですね。そしてゆくゆくは、画像解析を活用した異常の早期発見など作物の品質向上にもひと役買う技術になるよう、努力を続けていきたいです。

福田

解析技術のベースが完成すれば、プラスαのチューニングを行うことでほかの作物でも時間をあまりかけずに応用可能になるでしょうね。農作物の生産性向上ももちろんですが、AIによる画像解析は他業種のさまざまな分野にも対応できると期待を寄せています。たとえば建築の分野。画像解析により「この橋はヒビが入っているので倒壊のリスクがあり補修が必要」など、危険を事前に検知できるようになるかもしれません。今回の"農業×IoT"をきっかけに、さまざまな場面で新しい"あたりまえ"をうみだせていけたらいいなと考えています。