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デルビル磁石式壁掛電話機ガワーベル電話機都市によって異なる電話使用料金(3種類)となる例)東京、大阪で   年額使用料 66円  京都、横浜、名古屋、神戸で   年額使用料 54円  その他 年額使用料 48円東京〜横浜間通話料 (5分)20銭明治23年1887(明治20)年、イギリスからガワーベル電話機が輸入され、創業前の電話機選定試用に終止符が打たれた。1889(明治22)年、東京−熱海間で行われた長距離通話実験(初の一般公衆通話となる)に使用され好結果を示し、翌1890(明治23)年12月16日の電話創業時に採用され、わが国最初の実用機として1896(明治29)年までの6年にわたり活躍した。1879(明治12)年、ガワー(英)が発明した送話機とベル電話機を組み合わせて作られたので、ガワーベル電話機と呼ばれた。明治29年1896(明治29)年7月、これまでのガワーベル電話機に代わり、より高感度のデルビル送話器を用いたデルビル磁石式電話機が採用された。このデルビル電話機は、その後、共電式・自動式と並行して小規模局で1965(昭和40)年頃まで約70年間使用された。一般に「磁石式電話機」という名称が固定して使われるようになったのは、磁石式発電機を持つこの電話機以後で、以前のものは単にガワーベル電話機、エジソン電話機などと呼ばれた。351東京〜大阪間で長距離市外通話が始まる通話料金(5分)1円60銭特徴ガワー送話器は、音声に敏感に応じる炭素棒を使用し、かつ通話回路と炭素棒との接触点を多くして安定度を高めている。電話局の呼び出しはボタンを押し、ダニエル電池10個による直流電流を送る。局からの呼び出しは継電器と羽子板電鈴で受ける。特徴ガワー送話器に用いられていた炭素棒を炭素粒にかえ、接触点をさらに増して感度を高くするとともに、送話回路に誘導線輪を挿入して通話電流を大きくした。電話局の呼び出しは、電話機内部の磁石発電機を回し、電流を送る。また、局からの呼び出しも初めは手回し発電機、後に交流発電機によってベルを鳴らした。1899(明治32)年長距離市外通話開始1897(明治30)年

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