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(2)電話加入権の市場価格への影響について ● 施設設置負担金の見直しを行った場合、電話加入権市場における取引価格等に影響を与えることが予想されますが、次の点から、それを理由に施設設置負担金の額の見直しが妨げられるものではないと考えられます。   ・ 施設設置負担金を見直したとしても、電話加入権が消滅したり、既存加入者の   ・ 質権法や税法等における電話加入権の取扱いは、市場の需給関係に応じて価格が設定されることを前提としており、これらの法律によって電話加入権の価格が保証されていると解することはできないと考えられる。   ・ 施設設置負担金の額は電話加入権の価格ではなく、施設設置負担金の見直しにより、事実上電話加入権の市場価格が低下しても、その市場価格まで保証すべき義務は契約上存在しない。 ● NTTドコモの携帯電話の新規加入料の廃止に関する裁判においても、「税法上の規定から直ちにその財産の私法上の性質を論じ得るものではない」とし、「携帯電話の利用権が一定の財産的価値を有する資産と社会的に認められていたというにすぎず、そのことをもって携帯電話の新規加入料を値下げしたり、廃止することが許されないとまでいうことは無理である」との判断が示されています。(3)既存の加入者との公平性について   合理的な理由をもって施設設置負担金の見直しを行った結果、既存加入者と新規加入者との間で費用負担に差異が生じることは、電気通信事業法に規定する利用の公平に反する、あるいは、不当な差別的取扱いに当たるとは言えないと考えられます。(4)競争環境の変化について   NTT東日本・NTT西日本以外の直収電話サービス等は、加入時に施設設置負担金を徴収する必要がないことから、NTT東日本・NTT西日本にとっては、競争対抗の観点から、できる限り早期に見直しを実施する必要性が高まっています。加入電話契約に基づく権利を制限するものではない。296(参考9)総務省情報通信審議会答申の概要            (施設設置負担金部分の抜粋)1. 施設設置負担金の見直しについての考え方 以下のことに鑑みれば、「既に本来の意義を失い、新規加入の妨げとなり得る施設設置負担金については、NTT東日本およびNTT西日本が自らの料金戦略として、廃止も選択肢とした見直しを欲するのであれば、それは容認されるべきものと考える。」(1)施設設置負担金の現時点における意義   契約者数が増えていた時代には、ネットワークの円滑な拡張のための資金調達の観点から一定の意義がありましたが、近年固定電話の契約者数が減少傾向にあり、加入者回線設備の新規投資も減少していることから、前払いの形で投資資金を調達する意味が低下してきたと言えます。最近では、新規加入時にライトプランを選択するお客さまが圧倒的に多いことから、加入者にとって大きな負担となっていると推測されます。

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