Information2023
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 近年、少子高齢化に伴う人口減少、地域の担い手不足や財政的な制約など、従来型の経済や社会システムでは立ち行かないさまざまな課題が顕在化しています。また、日本の自治体の多くが人口10万人以下の中小規模の自治体である中で、山形県長井市も人口約2.7万人の地方都市として同様の課題を抱えています。 長井市は、人口の急減に対応するため、2015年度に策定した「長井市まち・ひと・しごと創生総合戦略」で、「教育・子育て」をメインテーマに、教育・子育て環境の充実をはじめ、移住交流の促進、働く場の創出、中心市街地の活性化、公共交通の利便性向上などに取り組んできました。また、2020年度より始まった「第2期長井市まち・ひと・しごと創生総合戦略」では、これまでの取り組みに加え、新たに未来への取り組みとして「Society5.0の実現」に向け、未来技術を活用した地域課題の解決に取り組むことを掲げています。推進機能としては、長井市では内閣府の「デジタル専門人材派遣制度」を活用し、NTT東日本から人員を受け入れ、市のデジタル化を推進する「デジタル推進室」を発足させました。 これをきっかけに、これまで地域インフラを支えてきた高品質で安定した通信ネットワークやICT技術に加え、近年は従来の発想にとらわれない新たな分野の地域課題の解決に取り組んできたNTT東日本と、「Society5.0の実現」をめざす長井市が連携し、交通、小売、産業、教育、文化、医療・福祉、生活・娯楽などの幅広い分野での横断的なスマートシティの社会実装に取り組んでいます。すでに両者は「地域活性化を目的とした地方都市型スマートシティの社会実装に向けた連携協定」を締結し、施策検討や実証を進めています。●これまでの取り組み: デジタル地域通貨「ながいコイン」の実証実験   地域通貨やプレミアム商品券事業などの展開に伴う行政の運用コストや稼働負担の軽減、市民の利便性向上、購買行動履歴や傾向の把握による行政施策への反映を目的に、2021年2月〜3月にデジタル地域通貨「ながいコイン」の実証実験を行い、多くの住民の方々にご利用いただきました。248背景取り組み持続的な地方都市型スマートシティモデルの創出に向けて

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