Information2023
248/426

 昨今の海面漁業では、温暖化に伴う高水温化などの環境変動や世界的な魚介類に対する需要増加などのさまざまな要因が複合的に影響して、生産拡大余地のある漁場資源の割合は2017年時点で6%程度と水産資源の枯渇が危ぶまれています。また、日本国内の漁業・水産業界では高齢化や人手不足が深刻化しており、水産従事者・技術者の経験に基づく判断・作業が主流の従来の方法では、今後の水産業全体の活性化に向けて限界があります。 こうした状況を踏まえ、株式会社いちい・岡山理科大学・NTT東日本が手を携え、ICT利活用による生産環境のマネジメントが可能な、好適環境水®を用いた完全閉鎖循環式陸上養殖のビジネス化をめざしてきました。 好適環境水®を用いた完全閉鎖循環式陸上養殖プロジェクトは、国内外で人気の高い魚種(サケ・マス類)のうち、「ベニザケ」を選定しています。ベニザケは病気に弱く、成長が遅いことが理由で、これまで事業規模の養殖の成功例は見られませんでしたが、3者共同実証の成果を2023年7月に発表しました。<完全閉鎖循環式陸上養殖の仕組みイメージ>246背景取り組み好適環境水®を用いた完全閉鎖循環式陸上養殖の事業化

元のページ  ../index.html#248

このブックを見る