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 NTT東日本のグローバル事業では、長年の海外プロジェクトで培ったノウハウやリレーションを活用し、各種システムの内製化をオフショア開発で下支えするソフトウェア事業と、ベトナムを中心とした東南アジア諸国における地域の価値創造に向けた事業開発に、子会社NTTイーアジアと連携して取り組んでいます。154ソフトウェア事業 NTT東日本は、通信インフラの上に地域のお客さまに新たな価値を生み出すソーシャルイノベーション企業をめざしていますが、そのためにはソフトウェア開発の内製力の強化が必要となります。そこで、安価でスピーディーなソフトウェア開発の実現をめざし、NTT東日本内の内製化プロジェクトチームと共に、NTT東日本の関連会社であるベトナムのOCG Technology JSC(以下、OCG)を活用したオフショア開発体制の確立に取り組んでいます。 OCGは、ベトナムの国営通信キャリアVNPT社と、NTT東日本の子会社であるNTTイーアジアとの合弁会社として、2016年にベトナムハノイにて設立されました。現在は、オフショア拠点として、ソフトウェア開発に加え、データ分析や管理指標の見える化などのサービスを提供しています。案件の急拡大に伴い、積極的にエンジニア採用を行っており、現在100人を超える社員が在籍しています。日本語を用いた要件定義が可能な優秀なベトナム人エンジニアも多数在籍しているため、日本企業のお客さまの課題を十分に理解し、解決に向け柔軟な対応が可能な、スムーズな開発を実施できることが強みの1つです。 さらに、NTT東日本と同水準のセキュリティ運用体制、および物理的セキュリティ対策を整備し、個人情報の取り扱いが必要な業務も強固なセキュリティ体制のもと、遂行しています。2023年5月には、ISMS認証(ISO/IEC27001)も取得し、安心して開発やITO(Information Technology Outsourcing)をできる環境にあります。 NTT東日本ではソフトウェア開発手段として、ローコード開発プラットフォームのマーケットリーダーであるOutSystemsに着目してきました。NTT東日本の社員がソフトウェア開発の上流工程を実施しつつ、OCGのエンジニアがOutSystemsを使った開発を実施することにより、開発スピードの向上とコスト削減を実現できました。ローコード開発プラットフォームでは、あらかじめ用意された部品を組み合わせる手法で、機能設計の段階からGUIによる視覚的な操作で開発を進めることができます。コーディング作業が減り、テスト工程を削減できるため、開発期間を大幅に削減しつつ品質も高くなるというメリットが証明されています。 OCG×OutSystemsの取り組みは、まずNTT東日本の業務システム開発から始めましたが、専門性の高い複雑な業務や、多数の他システムとのAPI(Application Programming Interface)連携という要件に対しても、柔軟かつスピーディーに開発することが可能になりました。グローバル事業

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