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第8回 いつかくる その日に備えて

いつ発生してもおかしくない東海地震

「駿河湾を震源とするマグニチュード8規模の大地震が明日、起こったとしても全く不思議ではない」

1976年8月、東京大学理学部の石橋克彦助手(当時)が発表した「東海地震説」は、静岡県をはじめとする東海地域に大きな衝撃を与えた。

静岡県の地震対策資料によると、日本列島の太平洋岸では、海洋プレート(岩盤)の潜り込みによる地震がほぼ同じ場所でかなり正確な周期で繰り返し発生しており、フィリピン海プレートが潜り込む東海地域から南海道にかけては100〜150年の周期で起こっている。

1854年の安政東海地震以降、東海地方より西側では1944年に東南海地震、1946年に南海地震が発生し、地震のエネルギーは一度、放出されたと考えられている。しかし、駿河湾から遠州灘にかけては151年間、大きな地震がなく沈黙を守り続けたままであり、「日一日と東海地震の発生が近付いている」というのが地震学者の一致した見方だ。

こうした事態を受け、静岡県では東海地震を重点とした災害対策に取り組んできたが、静岡県防災局の岩田孝仁防災情報室長は「東海地震は通常の災害対策を徹底すれば何とかできる災害ではない」という。

日本列島周辺で起きるプレート境界型の巨大地震は、主に日本海溝など比較的陸から離れた所で発生する。しかし、東海地震の震源となる駿河トラフと呼ばれるプレート境界は本州の内陸へと入り込んでいるため、地震が発生すれば被害の程度も、同時被災するエリアも大規模なものとなるのだ。

さらに、津波についても、沖合ではなく駿河湾が震源域となる東海地震では、地震発生のわずか数分後には第1波が沿岸を襲うことになり、大きな被害は避けられない。

「県全域が同時に被災するという非常事態の中で、『行政が一生懸命救援の手を差し伸べるので皆さん安心してください』とはとても言える状況ではありません。行政と企業、地域社会、そして各家庭の一人ひとりが自ら防災に取り組まなければ、これだけの巨大な災害には対処できないのです」と岩田室長は厳しい表情を見せる。

切迫性が確実に高まる東海地震。静岡県では、さまざまな人・機関・団体が共に力を合わせて東海地震に立ち向かう地域防災活動を基本として自主防災組織の充実・強化を推進するとともに、NTTグループをはじめライフライン関係機関との連携も重視している。

岩田室長は「特に、災害時に通信が途絶してしまうと、被災地がどんな状況なのか、どんな支援が必要なのかといった情報が伝わらず、対策を立てることすらできません。これはもう死活問題です。その意味で通信網はまさに生命線であり、早期に復旧することが非常に重要だと考えています」と通信の重要性を指摘する。

災害時における通信網は、被災状況の把握や安否確認、そして人命に直接かかわる緊急通報などに重要な役割を果たす。「通信サービスの使命」第8回は、こうした県防災局からの期待、そして何よりも地域住民一人ひとりからの期待に応えるべく、いつ襲ってくるか分からない大地震に備えて臨戦態勢を崩さないNTTグループの技術者たちの取り組みを追う。

「通信の途絶は防災活動にとって死活問題」と語る静岡県防災局の岩田孝仁防災情報室長

NTT西日本静岡支店では、発災時にすぐさま復旧活動に当たれるよう災害対策本部を常設している

NTT西日本静岡支店のオフィス機器は地震に備えて床に固定されている