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(27)膠原病と妊娠・遺伝《1》 少数ながら影響出ることも

「膠原病は遺伝しますか?」「全身性エリテマトーデス(SLE)と診断されましたが、子供は産めますか?」「関節リウマチで治療中ですが妊娠を希望します。どのような注意が必要ですか?」

膠原病は圧倒的に女性に多い病気のため、質問されることが多い「膠原病と妊娠・遺伝」について、今回と次回とで説明します。

SLEでは、妊娠や出産は原則として可能ですが、いくつかの条件があります。《1》病気の活動性が、少なくとも半年以上落ち着いている(ステロイドの服用量は1日あたり10〜15ミリグラム以下、ステロイドは胎盤を通過しないので妊娠中に服用していても差し支えない)《2》腎臓の機能が正常の70%以上あり、高血圧でないこと《3》その他の明らかな内臓の病変がない―などです。

自己抗体「抗SS―A抗体」が陽性の場合、少数ですが新生児に影響が出る場合もあります。陽性の人の数%は新生児にSLEに似た症状が一時的に出ることがありますが、半年ほどで消えます。まれにですが、心臓を拍動させる電気刺激の伝達に異常が起こる「先天性房室ブロック」を発症することもあります。

SLE以外も含めた膠原病の患者で自己抗体「抗リン脂質抗体」が陽性の場合は、妊娠後半に流産のリスクが高くなります。胎盤に血栓ができて、胎児に血液が届かなくなるためです。この抗体が陽性で妊娠が判明した段階で、血液が固まりにくくなるヘパリンという注射を毎日続けます。産科や新生児の専門家と密に連絡を取りながら、胎児の生育を確認して備えます。

最近話題になっている若年性の脳梗塞も「抗リン脂質抗体」によって発症率が高くなることが知られてます。

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