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(26)血管炎症候群《2》 川崎病 冠動脈瘤予防が目標

前回は日本人に多い「大動脈炎症候群(高安病)」について触れましたが、日本人の病名がついた血管炎がもう一つあります。それが川崎病です。小児科医の川崎富作先生が1967年、小児に発症する特定の血管の炎症を、独自の疾患として世界で初めて報告しました。

発症は3歳未満が全体の70%を占め、ピークは生後9〜11カ月にあります。熱が5日以上続いて白目が赤くなり、手足の末端が赤く腫れ、その後に皮がむけてきます。皮膚に発疹が出たり、唇が赤く腫れ、舌がイチゴのように真っ赤になります。首のリンパ節を触れると、ごりごりするのも特徴です。

川崎先生は千葉大学出身で日本赤十字医療センター勤務時に、この病気を発見しました。しかし当時の大学の“お偉い先生方”は「それはしょうこう熱の一種である」と言って相手にしません。川崎先生はくじけず、自身の外来に通う乳幼児の数多くの症例を報告しました。現在では「Kawasaki disease(川崎病)」として欧米の教科書にも載っているほどです。

原因はいまだ分かっていませんが、やや太めの血管に炎症が起きます。中でも心臓を養っている冠動脈に病変が起きやすく、そのために動脈瘤(りゅう)ができて急性心筋梗塞で突然死を起こすことがあります。冠動脈瘤は、発病して10日ほどで見られます。通常は自然に治癒しますが、約10〜20%は冠動脈瘤となって障害が残ります。特に、重症の障害が残るのは3%程度と考えられています。

治療の最大の目標は冠動脈瘤ができないようにすることで、最近は免疫グロブリンが有効であることが明らかになり、多くの患児に使用されるようになりました。

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