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(25)血管炎症候群《1》 血流悪化し臓器に障害

血管は、太い血管から顕微鏡でしか見えないような細い血管によって体中に張り巡らされています。その血管が冒される膠原病を「血管炎症候群」と呼びます。

一番太い血管は心臓から体中に血液を送り出す大動脈です。そこに炎症が起こる病気が大動脈炎症候群です。日本人の高安右人(みきと)先生が1908年(明治41年)に世界で初めて見つけたので、高安病とも呼ばれます。炎症が起こった部分は細くなったり、詰まったりするので血液の流れが悪くなり、脳、心臓、腎臓といった重要な臓器に障害を与えます。

患者の年齢層は小児から40代までで、ピークは20代です。日本やアジアの女性に圧倒的に多いのが特徴です。最初は高熱、全身倦怠(けんたい)感、食欲不振などの全身症状があります。首の動脈に炎症が起こると、めまい、立ちくらみ、失神発作、目のかすみなどが現れます。手に向かう動脈に炎症が起きると手が冷たくなったり脈が触れなくなることがあります。

腎臓に向かう血管が冒されると、重症の高血圧になります。患者の3分の1は心臓の大動脈弁が冒され、弁膜症や心不全を発症します。なかなか診断がつきにくく「不明熱」として扱われることが最も多い病気の一つですが、早期に発見して副腎皮質ステロイドを投与することで治療できます。

顕微鏡でしか見えない血管に炎症が起きる血管炎症候群は顕微鏡的多発血管炎と呼ばれます。大動脈炎症候群が若い女性に多いのに対し、50歳以上に多いのが特徴です。発熱、全身倦怠感、体重減少に加え、肺や腎臓の毛細血管の炎症によって肺胞出血や急速進行性腎炎が起こります。治療は副腎皮質ステロイドと免疫抑制剤を使います。

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