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(20)全身性エリテマトーデス《5》 使える薬 国内外で違い

全身性エリテマトーデス(SLE)の治療には、前回紹介したステロイドとエンドキサンが不可欠な薬ですが、新たな薬も開発されてきています。

その一つがMMF(セルセプト)と呼ばれる免疫抑制薬です。移植医療に使われていましたが、SLEに対してもエンドキサンと同程度の効果があり、より副作用が少ないことが示されました。現在日本を除くほとんどの国々で使用されています。

抗マラリア薬「ハイドロキシクロロキン」もSLEや関節リウマチに有効とされ、海外では使用されています。しかし国内では「網膜症を起こす」との理由で使用されていません。ほぼ同じ薬の「クロロキン」で、1960年代に国内で多くの視覚障害の副作用が発生しましたが、現在は定期的な眼底検査を行うことによって海外では安全に使用されています。

抗リウマチ薬「メトトレキサート」の日本での承認は欧米より10年遅れました。生物学的製剤の認可も5年遅れでした。このようにわが国は認可に大変時間がかかり、ドラッグラグと呼ばれて問題となっています。新薬が全て良いというわけではありませんが、認可されるまでの間、多くの患者が苦しんだことを考えると複雑な心境になります。

逆に日本で開発された免疫抑制剤であるタクロリムス(プログラフ)は、ループス腎炎に有効であることが、日本で証明されて各国で使用されています。

最近、SLEに有効な生物学的製剤が開発されました。抗体を作るB細胞の機能を落とす薬剤です。この他にも多くの新薬の治験が進んでいます。ステロイドも大変有効ですが、より副作用の少ない画期的な薬の登場が期待されています。

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