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(19)全身性エリテマトーデス《4》 2剤に効果 副作用にも注意

全身性エリテマトーデス(SLE)などの膠原病の原因が「免疫の反乱(自己免疫)」であると以前説明しました。「どうして反乱が起きるか」という根本原因はよくわかっていませんが、遺伝的な背景や環境因子が重要な役割を担っていると考えられます。

SLEについては直射日光(紫外線)が病気を悪化させますので、海水浴や登山、スキーは原則的に避けるように指導します。また、外出の時には長袖の服を着る、日傘をさす、さらに日焼け止めを忘れないことも重要です。臓器、特に腎臓と中枢神経(脳)に病変がある時は原則的に入院治療になります。明らかに進行性であると判断した場合には副腎皮質ホルモン(ステロイド)の大量投与が行われます。ステロイドはSLE治療の基本薬であり、これ無しのSLEの診療は考えられません。

さらに内臓病変がより重症であると判断した場合には、抗がん剤でもあるサイクロフォスファマイド(エンドキサン)を大量投与します。これによって「反乱軍を鎮圧(免疫抑制と言います)」させます。

この2剤が使用されるようになってから、SLE回復の見通しは飛躍的に向上しました。ステロイドを使用する以前は5年生存率が50%以下でしたが、現在では10年生存率が90%を超える時代になってきました。

ただ、この2剤にもさまざまな副作用があります。ステロイドは大量に使用すると、満月様顔貌(ムーンフェース)やにきびが現れます。精神症状(不眠、抑うつ)、高血圧、脂質代謝異常、骨粗しょう症、大腿(だいたい)骨頭壊死(えし)、糖尿病、さらには感染症にかかりやすくなります。一方のエンドキサンには吐き気、嘔吐(おうと)、脱毛、倦怠(けんたい)感、不妊などの副作用があります。

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