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(18)全身性エリテマトーデス《3》 腎機能や血圧 慎重にチェック

全身性エリテマトーデス(SLE)は全身にさまざまな病変が起こりますが、重いことも軽いこともあります。皮膚症状、腎臓病変、中枢神経症状が代表的な病変であることは以前に説明しましたが、全ての人に同じように現れるわけではありません。SLEを疑う場合は、病気の重症度とともに臓器の病変の有無を慎重に調べます。

ループス腎炎はSLE患者の約50%に認められる代表的な病変で、尿タンパクと血尿に加えて腎機能の程度や高血圧の有無をチェックします。腎炎の存在が明らかであれば腎臓に直接針を刺して組織を採取し、顕微鏡で観察して重症度を判定します。

中枢神経ループスはSLE患者の10〜20%に現れます。頭痛、けいれん、精神症状(不安、抑うつ、認知障害、妄想、幻覚)が出ることがあり、見当識障害(時間・場所・記憶と認識の障害)や意識障害がある場合は、病気が急速に悪化して生命に関わってきます。ほかのSLEの症状が出てから遅れて出る場合や、治療に使用するステロイド薬による精神症状とも良く似ていて区別が難しい場合があります。

SLEの女性が妊娠すると流産のリスクが3倍高くなります。抗リン脂質抗体と呼ばれる自己抗体の存在が原因とされているので、抗体が陽性であれば産科医とともに慎重に経過観察します。

また抗リン脂質抗体は血栓症(脳梗塞や深部静脈血栓症)の原因にもなります。SLE患者の約30%に抗リン脂質抗体が認められますが、SLEでない人でも抗体が陽性のことがあり、習慣性流産や若年性の血栓症の原因になります。このような病態を抗リン脂質抗体症候群といいます。

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