関節リウマチを発症すると、痛みのある関節は動かしにくくなります。それに伴って、日常動作も不自由になっていきます。しかし動かさなければ、骨や関節周囲にある筋肉、腱(けん)、靱帯(じんたい)などの運動器は弱っていきます。
筋肉や骨や関節を弱めないためには、関節リウマチの活動性が高いときは安静にしますが、それがコントロールされてきたら早い段階からリハビリテーションを行います。バイオやメトトレキサートの出現でリハビリが軽視されがちですが、リハビリは薬や手術と同じように意味のある治療の柱の一つです。
リハビリには運動療法、作業療法、装具療法、物理療法などがあります。運動療法はリウマチ体操、筋力強化運動、歩行訓練、起立訓練、水中ウオーク、サイクリングなどで関節の動かす範囲を広げたり、筋力や関節の機能低下を防ぎます。
作業療法は手芸、木工、絵画などの趣味的な作業を行いながら、手や指先の機能維持や回復のために行います。装具療法は、装具を着けることで関節を支えて負担を軽くしたり安静を保って炎症を鎮めて関節破壊が進むのを予防します。
物理療法はマイクロウエーブ(電波)やレーザーを用いたり、ホットパック(温湿布)、パラフィン(ろうの一種)浴、入浴、温泉浴、カイロなどを利用して患部を温めます。これらの温熱療法は原則として「炎症が鎮まっている時」に行います。炎症が激しいときには、氷のうを使ったアイスマッサージが効果的です。
自分の状態にあった適切なリハビリを専門家(理学療法士、作業療法士、運動療法士など)と協力して、毎日の生活の中で根気よく続けていくことがとても大切です。