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(12)新薬の光と影《3》 経済力により治療に格差

関節リウマチの発症ピークは40代です。患者数は女性が男性の4倍で、子供の教育に最もお金がかかる時期です。

生物学的製剤(バイオ)の必要性を説明しても「有効なのは分かるが経済的に厳しくて使えません」。公的助成はありますが、多くは障害認定がなければ支給されません。「薬が目の前にあるのに高くて使えず悔しい」「障害が出てからの助成では遅すぎる」と悲痛な声が寄せられています。

バイオの費用は3割負担の患者でも年間約45万〜50万円になります。厚生労働省の「国民生活基礎調査」によると、2010年の1世帯当たりの平均所得は549万6千円で、中央値(所得を高い順に並べ、真ん中となる額)は438万円でした。患者によっては所得の2割近くを「バイオ代だけに」充てなければならないのです。

バイオによって難治性の関節リウマチでも、関節破壊を完全に抑制することも可能になりました。これまで日常生活が著しく阻害されていましたが、早期からバイオの使用で健康な人と同じ生活を送ることも可能になってきました。

しかし高額のため、支払い能力の有無により治療に格差が生まれています。専門医の存在、検査装置・施設の有無、呼吸器専門医との連携が可能かどうか、といった地域格差の問題も未解決です。

「誰でも、どこでも、等しく」最善のリウマチ医療が受けられる体制の構築が必要です。しかしながら、他の領域の医療体制と同様、理想と現実のギャップが存在しています。

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