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(10)新薬の光と影《1》 登場で「寛解」が治療目標に

糖尿病の治療目標は「血糖値を下げる」です。それによって血糖が高いために起こるさまざまな合併症(網膜症、神経症、腎症など)の予防ができます。高血圧の治療目標は「血圧を下げる」です。それによって、脳出血で亡くなる方が激減しました。

多くの病気では当たり前のように、具体的な治療目標が設定されていますが、関節リウマチには存在しませんでした。最大の理由は、治療目標を設定できるような有効な薬が無かったためです。

関節リウマチの治療は、消炎鎮痛剤(いわゆる痛み止め)やステロイド薬などで痛みや腫れを和らげ、少しでも日常生活の不自由さを改善することが主眼でしたが、このような対症療法では関節破壊の進行を抑制することはできませんでした。

ところが抗リウマチ薬のメトトレキサートと生物学的製剤(バイオ)という「強力な武器」を手にすることで、関節リウマチの治療目標を定めることができるようになりました。ほとんど治ったような状態である「寛解」が治療目標となりました。

私どもは、寛解という目標を目指して「関節破壊の進行は抑えられているか?」「身体機能を保持して普通に生活できているか?」などをチェックしながら、抗リウマチ薬の調節やバイオの使用を検討します。特に早期に関節が破壊されることが予想される患者には、積極的にバイオでの治療を考慮します。

標準的に使われるバイオであるTNF阻害薬は、80〜85%の患者さんに効果が認められます。炎症性サイトカイン「IL―6」や、免疫を調整する「T細胞」に対するバイオもほぼ同等の効果です。まさにバイオは「画期的な新薬」と言えます。

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