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(9)免疫異常 炎症性物質出て「火事」拡大

「関節リウマチは関節の火事」と申してきました。「ではなぜ、火事が起きるのか?」という疑問がわいてくると思いますが、原因は「免疫の異常」にあることが分かっています。自己免疫病とも呼ばれます。

免疫異常の結果、サイトカインと呼ばれる「ガソリンのような物質」がたくさん出てくるようになり、関節の火事はどんどん広がります。この火事のもとになるサイトカインは「炎症性サイトカイン」と呼ばれていて、「TNF―α」や「IL―6」などの種類が知られています。

炎症性サイトカインがたくさん出てくると、滑膜細胞が増えて関節は赤く腫れ上がります。軟骨を溶かす酵素を出す働きもあります。さらに骨を壊す破骨細胞も活性化します。

ですから関節リウマチの治療は、免疫異常を治したり、悪玉サイトカインの活動を止めてやったりすればよいことになります。それを可能にしたのが生物学的製剤なのです。最新のバイオテクノロジーの技術を駆使して人間や哺乳類が生み出すタンパク質を利用して作られた医薬品で、省略してバイオと呼びます。

現在、日本では炎症性サイトカインのうち、TNF―αを標的にしたバイオが4種類、IL―6を標的にしたバイオが1種類、免疫を調整するT細胞に働くバイオが1種類の合計6種類のバイオが使用できます。

バイオと抗リウマチ薬である「メトトレキサート」。とりわけバイオは21世紀に登場したまさに「夢の新薬」ですが、関節リウマチの治療が、これで全て解決したわけではありません。次回以降、この「夢の新薬」の光の部分とともに影の部分についてもお話しします。

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