札幌病院


札幌病院ホーム > 診療部門・診療支援部門 > リウマチ膠原病内科 > (8)有名人にも 万葉集や名画に形跡


(8)有名人にも 万葉集や名画に形跡

「四支動かず、百節皆疼(いた)み、身体太(はなは)だ重く、なほ鈞石(きんせき)を負へるが如(ごと)し。布に懸(かか)りて立たむと欲すれば翼折れたる鳥の如く、杖(つえ)に倚(よ)りて歩まんとすれば、足跛(ひ)ける驢(うさぎうま)の如し(手足が動かず、多くの関節が痛み、体がすごく重くて石を背負っているようだ。布によりかかって立とうとしても翼が折れた鳥のようにうまくいかず、杖に寄りかかりながら歩こうとしても足が不自由な小馬のようだ)」(万葉集 巻五)

万葉の歌人・山上憶良が病に苦しむ人(おそらく自分自身)を描写した文章なのですが、この病気が実は関節リウマチではないかと言われています。

「父の身体は日を追うごとに石のように固まり、硬直した手は何も握ることができなかった。皮膚はもろく、破れやすい粘膜のようで、筆の柄で傷つけないようガーゼを当てていた。変形した指は筆を握るというより摘(つま)んでいるようであった」

印象派の画家ルノワールの息子の手記の一文です。ルノワールも関節リウマチによる高度の手の変形から、晩年は車いすの生活を余儀なくされました。絵筆を包帯でくくり付けて描いている写真や動画が残っています。

ルーベンスも関節リウマチを患っていたという説もあります。彼の絵(特に晩年の自画像)の中に、明らかに関節リウマチに特徴的な手指の変化を読み取ることができます。

私の大好きなデュフィーというフランスの画家も関節リウマチを患っていました。彼は1950年代にアメリカのボストンにわたって、当時、関節リウマチの特効薬と思われていた副腎皮質ステロイドで治療を受けました。ただ、痛み止め(アスピリン)を併用したために、胃潰瘍ができて、大吐血で亡くなってしまいます。

このように関節リウマチは洋の東西を問わず、文化史にも形跡を残しています。

知ってほしいリウマチ・膠原(こうげん)病 コンテンツ一覧

北海道新聞社許諾 D1304-9904-00008946