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(7)全身疾患 かつては寿命に影響も

前回、関節リウマチは「滑膜の炎症が軟骨や骨を破壊すること」「関節の破壊は病気の発症後、半年以内から進みはじめること」「いったん関節の破壊が進行すると日常の動作が妨げられ、さらに悪化すると寝たきりになってしまうこと」などをお話ししました。関節リウマチは「膠原病」の中でも最も治療の難しい病気の一つです。

関節リウマチは関節だけではなく、全身に病気が及びます。少し進行した患者の肺には、半数以上の方に間質性肺炎、肺線維症、胸膜炎などを認めます。さらに進行してくると心臓、消化管、腎臓の具合が悪くなることもあります。多くの方は貧血や骨粗しょう症を合併しています。悪性リンパ腫の合併も普通の人の2〜4倍の頻度で認められます。

関節リウマチの患者は、健康な方と比べて死亡率が2倍であるとの報告があります。病気の活動性が高くなっている患者だけで計算すると、なんと約7倍の死亡率であるとも言われています。そのうちの多くの方は、動脈硬化に関係した病気、つまり脳梗塞や心筋梗塞が直接の死因です。

意外に思われるかもしれませんが、関節リウマチが動脈硬化に与える影響は、糖尿病と同じ程度であることが明らかになってきています。欧米での統計ですが関節リウマチの患者は、心筋梗塞や脳梗塞のために寿命が10年短いという報告もあります。

すっかり深刻な話になってしまいましたが、寿命に大きく影響したのは20世紀末までの話です。最近は「バイオ」と呼ばれる生物学的製剤の登場で、関節破壊の防止のみならず、寿命までも大きく変わりつつあります。関節リウマチの診療は新しい時代に入ってきました。

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