札幌病院


札幌病院ホーム > NTT東日本札幌病院について > 年報(2014年) > ICUナースステーション


ICUナースステーション

業務内容

2014年度は看護目標に沿った以下の部署目標を達成するために、各グループ【教育】【CIS・パス・書類整理】【業務・感染・リスク】【看護研究】が具体策を練り、業務達成に尽力しました。

  1. 救急部・ICUの役割の明確化により、各看護師が役割意識、プロ意識を持ち専門性を最大限に発揮し安全で的確なクリティカルケア、家族ケアを提供する。また、ICU移設に向けて安全で効率的な動線を導き出し環境整備を行う
  2. 救急医療における多職種との役割分担と連携のシステム化を図り、合理的かつ友好関係のもと看護の専門性を最大限に発揮してチーム医療に貢献する
  3. 急性期看護の担い手として自己の能力向上を目指し、研究的視点で看護実践をする
  4. 各自が院内ルールを遵守し、看護上必要な事務作業を効率よく確実に行い、時間管理を行うことでコスト削減に貢献する。また、他病棟と連携してICU加算、病床稼働率を意識したベッドコントロールを行い7:1看護と協働したICUの看護体制を維持できる

当院ICUは4床の病床を有し院内重症患者、術後管理、急変患者の受け入れなどを行うICU病棟と、夜間土日祝日の救急外来対応を行う救急部とで構成されています。

2014年1月〜12月までにICUの病床稼働率は通年平均80%、昨年同様外科・心臓血管外科の術後患者を主に受け入れました。同期間に救急部は3,119人の受診患者があり、土日祝日平均14人、平日夜間平均5、6人程度の受診となっています。特徴としては院内にあるすべての科の患者の受け入れをしているため、幅広い知識と臨機応変な対応、緊急時への迅速かつ的確な判断と実践能力が求められる部署であります。2014年4月には新人看護師1名と4月、10月に経験のあるスタッフの入職、異動があり、結婚退職や産休などでの影響で顔ぶれも変わり、常に緊張感のある場面でお互いの知識と経験を共有しながら、看護にあたっている日々です。院内での急変や重篤化した患者受け入れ、全身麻酔術後管理、シビアな合併症のある術後患者の管理、救急患者の夜間週末祝日での受け入れ、緊急検査の介助など、看護の対象が多岐にわたるため、各科医師とのコミュニケーション、コメディカルとの連携、他部門の看護師との応援体制など臨機応変にさまざまな場面で対応する能力が求められています。今年度はICU病棟と救急部の2つの役割をスタッフ間で協力しスムーズに対応できるようにシミュレーションを取り入れた教育方法を導入することにしました。また、昨年の病院機能評価において改善改良を求められたことに対して焦点をあて部署での目標に掲げました。看護研究にも取り組み中です。目標に沿って各グループでの活動を実践しています。

CISパス書類整理グループ

救急部もICUも患者が長期間滞在しないことから、一般病棟より書類の扱いに熟知していないという弱点があり、病院がDPCを導入したことも踏まえて、入院中に必要な書類の取り扱いの周知徹底や退院調整を行っています。院内ルールに則り必要な書類を適切なタイミングに、漏れなく処理できることを目標に書類取り扱いマニュアルを作成し、確認しながら実践しています。

またICUチャートの改善を行い院内看護記録記載基準の修正、CIS・パスの見直し、追加、共有計画の推進を行っています。家族との共有計画は取り組みから2年経過し、経験知から内容もより質の良いものとなり、家族から「安心して任せられる」「こんなことまでして貰えて嬉しかった」という感謝の言葉をいただくことが多くなりました。

業務・感染・リスクグループ

NST、WOCとの連携、多部門との合同カンファレンスの継続、推進を行っています。人工呼吸器管理が長期化した患者のリハビリテーションや家族との共有計画の展開などICUに滞在する患者と家族の看護を多面的にアセスメントし、できるだけ早くICUから出られる状態に回復できるように支援しています。また、自部署のインシデント事例を、KYTシートを用い定期的にインシデントの経緯を振り返り対策を立てて周知しています。また、病院機能評価において弱点とされたゴミ分別に対し、ゴミの種類と分別のゴミ箱の種類を整理し、各自の行動を徹底するよう指導しました。わかりやすい表示方法を取り入れ分別が徹底されてきています。この表示はとても見やすいものが出来たので、看護長リスクマネジメントグループでも活用され、現在、看護部門共通の表示に用いられています。

教育グループ

昨年に引き続き新人教育、異動者、2年目看護師の育成を行っています。一昨年ICUとして初めて新人看護師を2名迎え、今年は1名を迎えました。育成マニュアルや指導手順、指導用資料作成、評価、修正し、新人看護師の進捗状況に応じて臨機応変に対応しながら計画通りに育成できるようプリセプターと教育グループ、教育グループ以外の全スタッフが屋根瓦方式で関わっています。ICUに入職する新人看護師は、狭いICUの中で先輩の人数×2個の瞳に見守られ(時には厳重に監視されつつ)主体的なアセスメントと適時適切な指示受け、安全確実な看護実践を行えるようにトレーニングをしています。同時に先輩の看護師の学びにもつながり切磋琢磨しています。救急部は、科の特性としてより主体的な判断と責任感が必要であり、キャリアのあるスタッフ配置としていますが、求められる役割が多岐にわたり体調と精神力と向上心を維持しながらあらゆる要求に対応できるよう各自研鑽しています。

そして今年度はICUと救急部の業務の連携がよりスムーズとなるように、新しい取り組みとしてシミュレーショントレーニングを行っています。もともと何もないところから、台本作成、配役を決め練習、見せるトレーニングの開催、実践させるトレーニングの開催へと非常にボリュームのある活動を計画的に実践しています。シミュレーションは演じる側も見る側も気づきの多い機会となりました。労力を惜しまず頑張って完成したものを、次年度へ継続していくことが今後の課題です。

看護研究

「看護援助としての口腔ケアがバイタルサインに及ぼす影響〜全介助と非介助時の血圧と脈拍の比較」をテーマに研究にとりくみ、院外発表を目標に、データ収集中です。大動脈解離の安静降圧療法のプロトコールにおいて患者の強いられる動作制限に対し、今まで漫然と行っていた看護実践に疑問を持ち、研究として取り組んでいます。エビデンスがないケアに対し一石を投じることが出来るのではないか、患者の治療中のストレスの軽減につながるのではないかと期待しています。

2年目看護師の論文査読、指導も予定通り行っており2年目看護師も期待に応え奮闘しています。各グループ活動においてはリーダーシップ、メンバーシップを発揮し、主任がサポートしながら、計画的に結果を出し年度初めに計画したことはほぼ100%実践し計画通りの結果を導き出しています。また、すべての活動は患者看護の質向上、業務改善、チーム医療の推進につながり、病院の基本理念でもある地域社会への貢献につながるものと信じています。

最後に、皆様のご協力のもと2015年1月末に念願の新設ICUが完成します。

この年報が発行される頃には引っ越しも終わり新しい環境で慣れない動線を駆け回っていることと思います。現在、看護長の私はその準備に奔走しておりますが、待ちに待ったICUの完成、引っ越しが滞りなく終えられるように心から祈りながら筆を置かせていただきます。