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輸血センター

業務の総括

2013年、社会的には、輸血によるHIV感染の1例が確認されたことが大きなニュースとなり、波紋を広げた。当院においても、輸血後感染症検査に関する問い合わせが増えるなど、その患者動向をうかがわせるものがあった。

そのような中でも、輸血という医療過誤のリスクが高い分野を担う部所として本年も大きな事故を発生させることなく業務を行えたことは、その機能を充分に果たせたと考えている。安全で適正な輸血療法の実践のために輸血療法委員会との連携を図りながらその決定事項を実施することが、「輸血療法の実施に関する指針(厚生労働省)」に明記される輸血センターの大きな役割ということになるが、院内輸血業務説明会はもとより、日常業務の中での様々な部所との係わりの中でその役割は充分に果たしえたと考えている。

日常輸血業務以外の大きな取り組みとしては、日本輸血・細胞治療学会の輸血療法に関する施設認証制度であるI&Aの更新受審への準備と、それに合わせた輸血マニュアルの改訂を輸血療法委員会の中心として行ったことが挙げられる。どちらも病院全体の安全で適正な輸血療法の推進という意味で重要な取り組みであり、無事認証された現在の輸血療法のレベルを今後とも維持、向上させていかなければならない。

輸血実施数については、'02年の輸血センター開設、および輸血一元管理の開始以来、最多となった前年をさらに上回り過去最多の輸血実施となった。具体的には、自己血を除く各製剤ともに増加し、全体としてオーダー数で7.2%、使用血液製剤数で14.7%の増加となっている。特に濃厚血小板については前年に比べ使用製剤数で3055単位⇒4105単位と34.4%の増加となっており、このほとんどが血液・腫瘍内科での使用となっている。輸血管理料と輸血適正使用加算の算定条件の一つであるアルブミン製剤の使用量については、'09年の輸血センターでの一元管理化以降良好に推移しており、今後についても使用指針に準じた適正使用のより一層の推進とともに、この数字を維持していくことが重要になる。

夜間や休日などの時間外での輸血については年々増加傾向にあり、'13年の総オーダー数が569件と19.8%の増加('12年475件)となった。そのうち直ちに使用される緊急輸血が327件であり、患者血液型未確定や在庫製剤不足などの理由で異型適合血(O型赤血球濃厚液)を使用したケースも3例発生している。このような時間外輸血に対応するために普段輸血業務に携わる機会の少ない臨床検査科スタッフのトレーニングが非常に重要になってくるが、本年も充実したプログラムの輸血業務トレーニングを企画、実施してスキルの強化に努めた。

2013年輸血センタ業務統計的総括

時間外(日当直)での輸血業務

  時間外輸血業務(オーダー数) 緊急輸血
  2013年 2012年 2013年 2012年
総数 569 475 327 323
 日直(休日) 378 275 147 136
 当直(夜間) 191 200 180 187
RCC 227 198 154 149
FFP 74 73 52 56
PC 67 51 27 36
アルブミン 200 152 94 81

輸血後感染症検査・・・受診案内

輸血後感染症検査(2012年実績) 対象期間(2012.10-2013.01発送〜2013.09-2013.12発送)
全輸血のべ患者数 534(489)
案内発送対象者数 326(312) 入院 52(52)
外来 274(260)
検査受信者数 151(144)
受診率 46.3%(2012:46.2%、2011:51.4%、2010:47.5%)
入院 25(29)
外来 126(115)

研究業績

  1. (講演)高橋道範
    「非専従者のトレーニングについて考える」
    第12回Auto Vueユーザー会
    2013年5月15日 於・横浜市
  2. (講演)高橋道範
    「直接クームス試験の意味を考えよう…DAT陽性の症例を見る…AIHA(Evans sy')」
    「直接クームス試験の意味を考えよう…DAT陽性の症例を見る…PCH」
    第18回札幌輸血談話会勉強会 "OCOVACI 2013  Step-by-step"
    2013年10月12日於・小樽市
  3. (研究発表)高橋道範、筒井自子、川合ひろみ、西尾充史
    「血清中に抗Hr0(Rh17),-e抗体を保有したまれな血液型(D--)の1例」
    第61回日本輸血・細胞治療学会総会
    2013年5月16日 於・横浜市
  4. (研究発表)高橋道範、筒井自子、川合ひろみ、西尾充史、遠藤輝夫*、渡邉直樹*
    *:札幌医科大学附属病院検査部
    「不規則抗体保有情報の共有により迅速に製剤を準備しえた抗Jra保有妊婦の1例」
    第61回日本輸血・細胞治療学会総会
    2013年5月17日 於・横浜市