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10階ナースステーション

業務内容

今年度の10階病棟の目標には以下の4点を挙げました。

  1. 患者・家族を主体とした看護実践を行い、安全で質の高い看護を提供する。
  2. 部署の垣根を越えた協力・応援体制の構築と安全で効果的な業務改善を行う。
  3. 看護におけるリーダーシップを発揮するため専門職業人として能力向上に努める。
  4. コスト意識を高く持ち、組織の一員として病院経営に参画する。

4月から、リーダー制が本格稼働となり、指示受けや業務分担など多くの業務を見直し業務をスリム化しながらもどうやったら安全な看護が提供できるか、看護の質を高めることができるかを第一に考えて取り組みました。リーダー制を開始してからはチームカンファレンスが活発になり病棟全体に活気が出ました。リーダーNsと経験の浅いスタッフ間でも意見交換が活発に行われるようになりました。

相互応援体制については、ドックセンターと中央処置室に助勤に行く中で、病棟との連携体制が強化し、また、注射・採血手技の向上にも繋がりました。

退院・転院調整については、地域医療連携福祉相談室、MSWとの連携を強化し、患者本人の意向に添えるよう看護師がリーダーシップとることを意識してカァレンスを有効に活用できたと思います。

コスト意識に関しては、循環器・呼吸器病棟の特殊性として、70歳〜90歳代までの患者が多く介護度が高い現状で看護必要度の見直し強化と、常に15%以上を維持することを目標として取り組み達成することができました。また、入院患者数の多い曜日と緊急入院が多い曜日を分析し,日勤スタッフ人数を調整することで時間外削減効果に繋がりました。今後も、データーを基に対策を講じていきたいと考えています。さらに今年度は、放射線科7番のアンギオ装置更新という大きなイベントがありそのため、約6週間心カテが行えない状況でどうやって病床を効率的に稼働させるかが大きな課題でした。循環器医師とも相談し、ペースメーカーの挿入や電池交換の時期を再検討することで対応しました。カテーテル件数はCAGが351件、PCIが109件といずれも昨年を下回りましたが他科の入院を積極的に受けいれることを病棟スタッフ全員が意識統一をし、病床稼働率も83.4%を維持することができました。

看護研究

当科は、抗がん剤治療患者が多くその副作用の1つであるとして患者の口腔内乾燥に着目し、三叉神経を刺激し唾液分泌に影響があると言われている炭酸水を用いた含嗽と水での含嗽を比較する逐次比較研究として【炭酸水を用いた含嗽による口腔内の潤いの比較検証】として研究発表を行いました。研究において炭酸含嗽水によって唾液分泌が促進される可能性が示唆されたので今後、実現化に向け今後も取り組んでいきたいと考えています。

教育・学生指導

今年度から、プリセプターの他にメンターを置き新人だけでなく2年目看護師やプリセプターも支援できる体制を導入しました。5名の新卒新人は、4月〜6月までの間は毎日、業務終わりにフォローNsと振り返りを行いました。さらに、1回/月の5人全員と教育委員、主任、看護長を含め振り返り会を行い現状確認と課題・目標を共有することで個々に合わせたフォローができるようにしました。また、新人集合研修での内容を把握し業務の中で研修に向けて成長が実感できるように支援をしました。夜勤に入る前の指示受けが十分に指導出来ておらず、リーダー制の中でどのように習得させたら良いのか今後の課題となりました。2名の既卒新人に対しては、新卒新人対象の集合研修にも内容を選んで参加してもらいまた、今回から技術・マニュアルチェックリストと指導スケジュールを作成したことで効果を得ました。2年目看護師に対しては、4カ月毎の目標設定をしてもらい振り返り会を実施することで継続的なフォローができました。

勉強会については、Dr主催でTBLB・胸腔鏡・PPM、CE主催でベンチレーター・BiPAP、業者主催でネーザルハイフローについて行いました。また、インシデントレポートからピックアップして胸腔ドレーンの管理についても行いました。今年度は、個々の院外研修参加者主催での伝達講習を推進し、ターミナルケア・心不全ケアの病態・認知症ケアなどについても行った。

臨床実習では、文教大学3年生を3名受け入れ臨床指導者1名が指導にあたりました。受け持ち患者以外の保清や検査見学を体験してもらったことで学生の満足度も高まり学生からも実習での達成感と看護の楽しさを実感できたとの声がきけました。また、指導する私たちも看護教育の現状がわかり新人教育において参考になりました。

記録・パス・CIS・必要度

パス:新規6件を作成し、DPC導入に伴うパスプラン修正(日数・検査・薬剤変更に伴うもの)を行いました。また、患者パスをスタッフが閲覧しやすいように19件についてファイル整理をしました。

CIS:記録監査の実施は10階病棟独自のチェックリストを毎月用いたことで正しい記録記載に繋げられました。

院内規定の記録監査:パスは、テンプレート・ゴールの実施登録・サマリー入力は正しく入力出来ていました。CISは、データーベースの見直しが行われていない事が多く今後の課題となりました。

共有計画:個人の目標を張り出したことと、勉強会を2回開催したことで意識が高まり54件の共有計画立案に繋がりました。

業務・CS・褥瘡・NST

感染:手指衛生剤使用量調査(1回/月、毎月末)を実施し、目標量は年間8000mlでしたが、使用量は4480mlに留まりました。手指衛生・PPE着脱監査(1回/年)⇒新規採用者には2回実施。上期は36名に実施し手指衛生の平均点は28.6点/30点、個人防護具着脱の平均点は27.5点/30点でした。下期は新採用者8名に2回目の監査を行った。手指衛生の平均点は29.1点/30点、個人防護具着脱は28.4点/30点でした。今年度は、感染に関するスタッフ勉強会(結核)を実施し、テスト形式にすることで知識の再確認にもなり、理解できたとの評価を得られました。

CS:患者満足度調査は9月に1回実施。結果は男性32名、女性20名から有効回答を得られ、8項目の設問について大多数が良いとの回答がありました。患者満足度は高いものと評価できました。

褥瘡:褥瘡診療計画書・褥瘡ハイリスクプランについての勉強会を1回実施し、その他にもカンファレンス毎に周知、指導を行いスタッフの知識の向上に繋がりました。

がん看護・緩和ケア

化学療法に関する勉強会を4回実施。院内ルールの周知を継続して行い、統一された看護援助を行えるように取り組みました。また、チェックリストが正しく使用できているか確認と評価も行い漏れが多い項目については指導を強化しました。緩和ケア勉強会やデスカンファ(9件)を実施し、その他にもカンファレンスを活用し看護観・倫理観の成熟にも努めました。さらに、がん看護・緩和ケア含め、認定看護師や緩和チームとの連絡や調整方法について、病棟スタッフやチームリーダーが積極的に行えるように調整を図るとともに、自らも連携が図れるようにアドバイス・支援を行いました。係として、麻薬の自己管理方法が普及するようスタッフにも働きかけ、患者には情報提供など行ったが、退院後の生活に活かせたか、実践できたかの評価に関しては不十分であったため今後の課題となりました。

業務・リスク・救急

業務:以下のマニュアルの作成・見直しを行いました。

  1. 夜間土日のリーダー業務のマニュアル作成
  2. リーダー業務のマニュアル見直し
  3. 中勤、メンバー業務の見直し(検査板作成、尿カップ廃止)
  4. 助手業務見直し(保清マニュアル作成)
  5. 麻薬管理マニュアルの作成(麻薬管理に関するアンケートを実施。アンケート結果を踏まえ、今後の対応策について話し合いを行う事でスタッフの麻薬管理意識を高める効果が得られた)
  6. 看護手順・病棟検査手順の見直し

救急:救急カートの整備を行いました。

リスク:インシデント件数は168件/年であり昨年と比較し約40%減少させることができました。KYT・SHELLについての勉強会を実施し、スタッフに危機回避やリスクについて意識を高めてもらう効果が得られました。

表1 10階病棟 年間病床稼働率・必要度

  4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 年間
月間病床稼働率(%) 89.67 92.65 92.27 92.65 78.71 88.60 91.16 83.67 80.58 73.42 83.45 - 86.07
月間必要度(%) 21.01 19.23 18.81 24.30 21.14 15.71 25.81 20.31 21.24 20.64 22.44 - 20.97
月総入院数(人) 0.00 22.00 67.00 63.00 53.00 62.00 81.00 77.00 72.00 71.00 40.00 - 608.00
月緊急入院数(人) 0.00 10.00 39.00 38.00 27.00 32.00 36.00 28.00 38.00 48.00 23.00 - 319.00
緊急入院率(%) 0.00 45.45 58.21 60.32 50.94 51.61 44.44 36.36 52.78 67.61 57.50 - 52.47
他科受け入れ - - - - - - - - - 21 - - -
日曜看護必要度(%) 19.46 17.33 14.36 22.64 21.97 14.04 21.92 18.90 18.62 17.54 19.35 - 18.74
月曜看護必要度(%) 16.27 14.71 13.71 20.37 18.12 11.88 21.69 16.44 16.56 17.29 20.25 - 17.03
火曜看護必要度(%) 25.00 23.33 27.53 25.23 24.50 18.24 29.68 22.01 26.70 23.97 24.36 - 24.60
水曜看護必要度(%) 18.29 17.35 19.32 21.24 18.30 12.87 21.17 16.97 18.29 18.02 26.19 - 18.91
木曜看護必要度(%) 24.14 23.25 20.67 24.73 24.35 21.98 26.43 24.22 24.26 21.47 26.67 - 23.83
金曜看護必要度(%) 23.81 19.81 18.71 30.95 20.56 18.93 32.52 22.92 26.14 26.79 27.50 - 24.42
土曜看護必要度(%) 20.00 17.22 17.95 26.92 19.63 11.81 27.21 19.62 16.54 17.09 17.19 - 19.20

※年間病床稼働率・必要度は月間値からの平均で算出しているため、実際の値と比較し若干の誤差が生じていると考えられます。

表2 インシデント内容と件数の比較

項目 2012年度 2013年度
薬剤 138 62
輸血 0 0
治療・処置 5 12
医療機器等 7 5
カテーテル・ドレーン・チューブ 36 30
検査 16 7
保養上の世話 56 40
その他 19 12
277 168