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看護部

業務内容

2012年度の看護部は看護部長が交代し、新看護長も2人誕生して新たな体制での1年でした。また、2010年度に7:1入院基本料を取得し、これに伴い増加した当院経験3年未満の看護師の育成の成果と業務内容の実態についての評価の年でもありました。

看護部委員会では新たに看護部リスクマネジメント委員会を立ち上げ、現場の課題を看護長が共有、検討して患者・家族・職員にとって安全で安心な体制の構築をはかりました。主任会は昨年活動したワーキンググループを進化させ、さらに実効性の高いものとしました。

看護部委員会活動

看護部教育委員会

看護部教育委員会では、新人看護職員と採用2年目以降の職員を対象とした研修の企画・運営・評価を行っています。加えて看護学生の臨地実習指導の充実にも取り組んでいます。これら3本の柱を掲げて年間計画を立案し、活動しています。

  1. 新人看護職員に対する研修
    新人看護職員に対する研修は看護部教育委員会と主任会の新人教育担当者が協力して実施しています。厚生労働省の新人看護職員研修ガイドラインに基づき、新人看護師に対する集合研修を4月期におよそ3週間(一部既卒採用者も対象)かけて実施し、以後合計6回のフォローアップ研修を企画、運営しました。
    4月期の研修は全新人看護職員が統一した内容の学びを得られる機会としており、現場の育成稼働の軽減化にもつながっています。フォロー研修は、成長過程に応じた時期に必要なテーマを設定することで、現場での実践につなげる機会としています。
  2. 卒後2年目以降の研修
    卒後2年目、プリセプター、中堅ナース、リーダーナース等に対し7種類11回の研修を行いました。ラダーレベルU以上に対し感染管理、ラダーレベルV以上に対してがん化学療法の認定看護師による講義を行い、現場の推進力強化を図りました。また、ほとんどの研修は数ヵ月後にフォローアップ研修を設け、研修後の展開や実践を発表する場とし、成果や実践の共有をすることで研修生の視野の拡大につなげました。
  3. 臨床実習指導者会
    当院では成人、母性、助産の領域に対し、3つの大学と1つの看護専門学校の実習生を受け入れています。指導者会の目的を『自部署における臨床実習指導者の代表が参加し、他部署とのディスカッションや共有・連携を強化し、実習しやすい環境を整える』とし、学生が看護のたのしさや学びを得ることができるよう、各学校の実習目標・目的を理解したうえで意図的に援助しました。また、指導スタッフの研修や外部講師による講義、指導者会の活動通信の発行などの活動も行いました。

看護部業務員会

年間計画に基づき基準、手順等の見直しを順次進め、以下の成果を出しました。特に基準・手順は、各部署における新人看護師や中途採用者の指導や、日常業務における手技や方法の確認に活用されており、当院の看護実践におけるガイドライン的な位置づけとして重要視されています。

  1. 略語集の見直し
    現在当院看護師が使用している略語集の目的及び内容について、他院の略語集の状況も参考にして見直し、改訂。
  2. 看護助手業務基準の見直し
    現在病棟で実際に行っている助手業務の洗い出しと目線合わせ、優先順位の高い業務17項目を抽出し内容を修正、作成。
  3. 看護手順の見直し
    計画的に手順を見直し。インシデント等を契機にさらに精度の高い内容に随時修正。
  4. 看護基準作成
    内容を監査し、修正及び新規作成。
  5. 外来処置検査手順の見直し
    内容を監査し、修正及び新規作成。

看護研究企画推進委員会

当院では新人から自立した看護師を目指す為に、理論および科学的根拠に基づく実践にむけて看護研究を推進しています。看護研究企画推進委員会の役割として、院内における看護研究発表の企画・運営・評価と、看護職員の看護研究に対するレベル向上を図ることを大きな柱として挙げ、以下の活動を行いました。

  1. 3年目研究27題、部署研究9題の院内発表会開催。
    (院外発表は示説、口演を合わせて5題)
  2. 院外発表者の成果発表会開催
  3. 外部講師による講演会
    講師:北海道大学大学院 保健科学研究院 創成看護学分野 助教 荒木奈緒
    テーマ:「看護研究における倫理について」
    平成24年3月6日
    対象:看護職員(参加者104名)
  4. 外部講師による勉強会
    研究計画書の査読をする際に、研究動機と背景・研究の意義・研究テーマに関して、妥当かつ説得力のある助言ができるようになることを目指し、看護研究企画推進委員及び主任を対象に3回シリーズで勉強会を開催。
    講師:北海道大学大学院 保健科学研究院 創成看護学分野 助教 荒木奈緒
    第一回目 平成24年4月28日 「問題意識と研究テーマの違い」
    第二回目 平成24年5月12日 「研究テーマを設定してみよう!」
    第三回目 平成24年6月2日 「研究テーマから導き出される研究方法とは」

看護部 記録委員会

記録委員会では看護記録の質向上と、記録時間の削減を大きな目標の柱として年間計画を掲げ、ほぼ100%目標を達成できました。特に効果的だった実践内容は以下の通りです。

  1. 看護必要度監査1回、記録監査1回実施。
    各科の結果から全科共通の改善点を抽出し、現場への還元と適切な記録方法を周知。
  2. 「看護記録記載基準」の作成
    看護記録記載基準、CISマニュアルなど、分冊されていたマニュアル内容を見直し、看護記録記載基準として1冊に集約。
  3. 「外来用入院オリエンテーション」のテンプレート作成と活用開始。
    • 入院予定患者に対して行っているオリエンテーション内容の見直しと整理。
    • オリエンテーション用紙および電子カルテテンプレートの修正により、簡略化と漏れのない入力の実現。
  4. 短期入院用問診票の作成と運用。
    短期入院患者に必要な情報の吟味と聴取内容の整理により、新たに問診票を作成。
  5. 夜間の看護記録に対する効率化の検討
    ケアが日中に限定されるものについて観察項目入力のみとすることで夜勤の記録時間の短縮化実現。
  6. クリニカルパスの新規作成、修正における届け出ルールの策定
  7. DPCにむけて現行パスの検証開始

看護部リスクマネージメント委員会

今年度は看護部リスクマネジメント委員会を発足し、初年度として以下の活動を行いました。

  1. GRM前田副部長による講義
    テーマ「インシデントレポートの書き方」
  2. 3大インシデント 転倒・与薬・注射について現状把握と対策の検討、統一化
    1. 採血における禁忌事項確認方法の統一化
      採血時に各部署で禁忌事項の確認方法が違うことでインシデントが発生したことへの対策として、ルールを取り決め統一した。
    2. 入院時の刃物等の持ち込みに関する検討
      不穏やせん妄を起こした患者が持参していたはさみでチューブを切断したインシデントへの対策として、ナイフ・はさみの持ち込みは原則禁止とし、その他の条件等を取り決めた。
    3. 注射準備・混注・接続における確認タイミングの統一について
      部署により注射の準備から実施野過程での確認事項や方法が異なっていたため、ルールを取り決め共有した。
    4. 離床センサー使用患者の面会終了後の再作動の徹底について
      面会者が帰る際、担当以外に帰宅を告げた場合離床センサーの再作動の漏れ、遅れにより転倒にいたったインシデントへの対策を取り決めた。

看護部主任会活動

看護主任(副主任を含む)は患者・家族とスタッフに最も近い位置で看護実践モデルとしての役割を果たしながら、現場の推進力として看護管理を行う立場にあります。現場を動かす非常に重要な位置にあるのが看護主任であり、2012年度は当院の看護部門にとって必要なテーマを32人の主任が5つのグループに分かれ検討・活動しました。

  1. 新人看護教育
    活動目標を、①新人研修の企画・運営・評価、②次年度の新人教育の年間計画の再構築、③新人教育の充実とし、看護部教育委員会と協働して4月集合研修、以後のフォローアップ研修の企画・運営・評価にたずさわりました。特に4月の集合研修は3週間にわたる研修を詳細に企画し、大変評価の高い内容となっています。
  2. H25年度新人看護師採用
    活動目標を「当院の魅力が十分につたわるような見学会・説明会を開催し、より優秀な人材の確保を目指す。」として、以下を実施しました。
    • 病院見学説明会 2回実施(5月、6月)
    • 次年度病院見学会開催内容に向けた新卒・既卒職員へのアンケートの実施
    • 男女1名ずつ新卒職員の成長追跡
    • 看護師募集パンフレット作成
    • H26年度看護師募集就職フェアにて、学生に当院のアピールや見学会への参加を呼び掛け
  3. 看護必要度
    活動目標を①看護必要度の必要性を理解し、正確な算定と算定の根拠となる看護記録ができる ②各部署で指導できるリーダースタッフの育成ができ、正しい算定の確認ができる③ 新人スタッフへ看護必要度研修を実施し、指導・教育ができる、とし以下のように活動しました。
    • 11月に各病棟で看護必要度の概要に関する勉強会の企画・運営
    • 新規採用者や病棟外から病棟へ異動したスタッフに向けてe-ラーニングの実施と監査2回/年(10月2月)
    • 各階のリーダクラスのスタッフに対しテスト形式での研修会を開催
    • 4月の新人集合研修に向け、昨年度の評価を参照し企画の見直し
  4. 連携・退院調整
    活動目標を①スタッフが退院調整を身近に感じることができるようになる ②入院早期から退院調整ができるよう入院前から退院調整を意識した情報収集ができる ③退院調整に関する記録が継続して行える ④外来スタッフが退院前カンファレンスに参加できる、とし以下のように活動しました。
    • 社会資源活用のツールとして「介護認定確認用紙」を作成(H24.10月から運用開始)
    • テーマ「退院支援計画着手について」発表
  5. 看護助手育成
    活動目標を、『急性期医療における良質な看護サービスを提供するために、看護助手が必要な知識や技術を習得できるよう支援する』として、以下のように活動しました。
    • 看護助手研修の企画・運営
      『感染対策ステップT』(10月)『感染対策ステップU』(1月)
    • 看護助手業務の現状把握と課題の明確化
      助手業務の現状に関するアンケート調査(看護助手、看護師対象)により、部署ごとに違う業務体制や業務内容、看護師との連携上の課題を抽出

学会発表等

雑誌投稿

  1. 5月 大蔵 志帆 関東 真央 妊産婦と赤ちゃんケア 2012.5・6月号 どうすればいいの?に応える母乳ケア 患者参画型看護計画を用いての関わり
  2. 12月 桑原 理江 岡田 由紀 整形外科看護 2012.vol.17.no.1 整形外科のNGケアとOKケア

学会発表

  1. 11月6・7日 大原千佳、間野貴子、青木今日子、伊藤ひかる、板谷有佳 第1回日本看護学会成人U シャント肢の血管隆起に対して透析患者が抱く思い 示説
  2. 6月22.23日 山口 則子 第57回日本透析医学会学術集会 患者が求める情報提供と療法説明の現状把握 口演
  3. 5月2日 大蔵 志帆 第26回日本助産学会学術集会 全国助産外来における助産実践に関する現状分析 口演
  4. 9月29日 朽木 恵美 第29回北海道ストマーリハビリテーション研究会学術集会 当院の回腸導管造設患者の現状とストーマ外来の必要性 口演
  5. 2月15・16日 朽木 恵美 第30回日本ストーマ・排泄リハビリテーション学会 当院における泌尿器科ストーマ外来の現状と取り組み 口演
  6. 2月16・17日 村田 泉 第27回癌化学療法学会学術集会 外来化学療法問診票運用による副作用の現状 示説
  7. 9月24日 高橋 理江 第21回赤十字血液シンポジウム 呼吸困難等副作用発見について 口演