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9階ナースステーション

業務内容

平成24年度は病棟目標に1)よい接遇と基本に沿った安全対策を遵守し、安全な医療の提供 2)入院時から退院を見据え、チームでの共有・連携から、患者・家族の希望に沿い個別性ある看護の提供 3)看護技術のスキルの向上・各自のレベルアップを目指した教育体制の充実により、病棟全体の看護の質向上 4)業務の効率化、コスト削減で、病院経営に参画する4点を挙げました。

今年度は消化器内科と血液腫瘍内科の体制拡大により、他院からの紹介患者等の入院を積極的に受け入れたことで病床数が上回り、病床稼働率を95%と病院の収益に貢献する事が出来ました。他病棟の協力や連携のもと滞りなく看護できたことは、9階病棟にとって実りの大きいことでした。9階病棟は特にがんの終末期患者が多く、終末期の過ごし方については患者個々の背景や病状の違いもありますが、どのケースでも必ず迷いや悩みを生じます。看護スタッフは患者・家族の思いを傾聴し、思いをくみ取り、時には患者・家族間での見解の違いから調整に難渋することもありますが、院内緩和ケアグループへ協力を依頼しアドバイスを受ける機会も増え、出来るだけ希望に沿えるよう調整を図っています。終末期の患者以外でも様々な社会背景から転院や在宅への退院調整が必要な患者も増えており、早期から退院調整に着手し、医師・医療連携室と計画的に調整を進めています。これからも引き続き患者にとって快適な環境での療養生活を選択できるよう他職種と連携をとり進めていきたいと思います。

そのような背景の中、今年度の院内看護研究では「末梢血管手掌温罨法による正中皮静脈の拡張効果の立証」というテーマで、手掌温罨法により罨法部位よりも遠位の血管拡張が起こるかを明らかにするために実験研究を行い、エビデンスの検証をしました。その結果から、安全な温度での手掌温罨法による血管拡張への示唆が得られました。看護領域として、科学的根拠に基づいた安全かつ簡便な血管拡張のための温罨法を確立することが求められており、今後も追跡していきたいと思います。

看護業務においては、今年度既卒の入職者も多くあり、9階病棟のルール等で改善が必要な点についての意見と院外研修で得た情報を合わせて業務改善を行いました。9階病棟では内服と転倒に関するインシデントが多いことを踏まえ、業務係とリスクマネジメント係が協力してルールの改善と実践、改善後の評価を行っています。

内服に関しては、入院時の持参薬を薬剤師に確認依頼し、相互のダブルチェック方法を確立することで、中止薬の確認やジェネリック薬品との重複を防止することが出来ました。また、リスクマネジメント係が、内服管理フローチャートを作成し、内服管理の基準をスタッフが統一した見解で判断し、確実に内服管理を行う事で、患者側が引き起こすインシデントの減少につながりました。次年度は内服自己管理の見直しを課題として、取り組んでいきます。また、9階病棟は緊急時の対応場面が少ないため経験の少ないスタッフが戸惑うこともあり、緊急時の事例検討と実際の場面を想定した挿管介助の勉強会を実施しました。主に新人スタッフが参加して体験をすることができ、実践に生かせるものとなりました。

以上、平成24年の9階病棟は煩雑な業務の中でもスタッフ一人一人が患者のために、スタッフ全体のレベルアップのために、自主的に行動し、看護に力を注いだ一年でした。退院時の患者アンケートでは、「9階病棟に入院してよかった。親身に話を聞いてくれた。」との言葉も多くいただいております。これからも各部署と協力しながら、9階病棟の持ち味である"温かい看護"が続けられるよう頑張っていきたいと思います。