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副院長総括

副院長 松浦 弘司

まず、2012年度は当院が過去最高の収入を上げたことを皆さんに感謝したいと思います。病床稼働率は12ヶ月平均94.1%で、98%を超えた月も二月ありました。いつも病棟は満床状態で臨時・救急の入院患者さんの受け入れに苦労しておりましたが、患者さんの担当科にかかわらず空床があればどこの病棟でも入院していただく対応が完全に定着し、このような稼働率を達成できました。病棟統括看護長を中心として努力していただいた看護部や、各診療科医師たちの理解・協力のおかげと考えております。外来においても、外来化学療法を受ける患者さんの増加や、朝の採血開始時間の20分繰り上げなど、薬剤部、検査部の協力を得て実現できております。

ハード面での改善では、MRIを更新しました。1.5テスラで磁力には変化はありませんが、患者さんが入り込む装置内部のクリアランスがCT並みに拡大され検査時の圧迫感が減少し、さらに撮影時間も短縮されました。また、信号のデジタル化装置の変更や進歩した画像処理ソフトの導入により、良質な画像が提供されるようになりました。なお、2011年度後半から始まった土曜日のMRI稼働は定着しましたが、それでも患者さんの検査待ち日数の軽減は十分には達成できておりません。いずれ2台目の稼働が必要になると思われます。

一昨年度に計画の全面的見直しとなった増築棟ですが、ドックセンターの新築・移転として再提案され、2012年秋に着工、年末に完成しました。南1条通りに面して、窓が大きく明るい外観です。2013年1月より気持ちの良い新ドックセンターでの健診がスタートしております。

さて、2012年度に2つの委員会が新設されました。SPD委員会とCS委員会です。どちらも略語でわかりにくいのですが、SPDとはSupply Processing and Distribution(医療材料物流管理)の略で、様々な医療材料を効率よく管理・提供するシステム或いは部門のことで、SPD委員会とはSPDで扱う医療材料の種類や内容について購入価格も含めて審議検討する委員会です。医療材料委員会というのがかつてあったようですが、いつのまにか消滅し、院内で購入、使用する医療材料のチェックが詳細にはできていない状況がしばらく続いていました。当院の基本方針にもあるように、高度で安全な医療を提供するためには当然使用する医療材料も最新で多岐にわたります。患者数が増え、増収とはなっていますが、当然その分材料費も前年度を上回ります。平均病棟稼働率が94%以上ということは、既に収入の伸びは限界まで達していると考えられ、次はいかに支出を抑えるかということになります。SPD委員会が設置された理由は、このような状況の中で本当に必要なものを吟味し、それらを適正価格で購入し、材料費の上昇をいくらかでも抑制しようとする取り組みが必須だからです。1年が経過し、成果がじわじわと現れております。

次に、CSとはCustomer Satisfactionの略で、顧客満足という意味です。病院においては、この顧客とは第一にはもちろん患者さんですので、CS委員会とは患者満足度向上の方策を検討する委員会ということになります。投書箱によるご意見の聴取や、アンケートによる患者満足度調査など看護部や事務部が中心となって取り組んでおります。従来からの一番の課題であった外来待ち時間の短縮に向けては、先程も述べた外来採血時間の繰り上げを実施し、一定の効果が上がってまいりました。

この他にも、2014年度からの移行が決定しているDPC導入を踏まえて各種データ分析やシステムの見直しがDPC委員会を中心に始まりました。体制強化のため独立した組織となった医療安全管理室と感染管理推進室ですが、それぞれ活発に活動を展開してきました。インシデント、アクシデントレポートは年間1300件に上り、診療の透明度やリスクマネージメントがきちんとできているか、の指標となる医師からの報告も一昨年よりは増えております。大学病院などの外部委員を招いたアクシデント事例の検討会も2回開催し、原因分析や対策に役立てました。感染管理推進室は、NICUでのMRSA感染に介入、環境衛生手技のみならず人員不足が根本的な問題点であることを指摘しました。対策としてNICUスタッフの増員と環境衛生の徹底がなされ、その後の感染率の低下に貢献しております。

全てを紹介することはできませんが、このように実臨床以外の場面でも様々な活動が病院職員の皆さんによって行われ、最終的には当院の基本理念である思いやりのある良い医療を患者さんに提供することへ繋がると考えています。