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2017年5月23日
全国畜産農業協同組合連合会
株式会社コンピューター総合研究所
東日本電信電話株式会社

畜産農家の経済的損失防止に向けた畜産IoTに関する共同実証実験について
〜Wi-Fiと画像データの解析技術を活用し、肉用牛の転倒事故死を防止〜

  • 全国畜産農業協同組合連合会(本所:東京都中央区、代表理事会長:加藤義康、以下全畜連)と、株式会社コンピューター総合研究所 (本社:茨城県ひたちなか市、代表取締役社長:根本龍男、以下CAL)と、東日本電信電話株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:山村雅之、以下NTT東日本)は、栃木県那須塩原市で、畜産分野における課題解決を目的とした共同実証実験を、2017年5月から2018年3月まで実施いたします。
  • 本実証実験では、Wi-Fi、画像データ解析技術、肉用牛の転倒自動検知技術、ミリ波ネットワーク※1等を活用し、出荷前の肉用牛の転倒事故死の未然防止を実証してまいります。
  • ※1無線LANよりも高い周波数を使用し、短距離ながら1Gbpsを超えるような超高速無線通信を行うことができる規格

1.背景、目的

全畜連は、会員への優良な家畜の生産に必要な飼料・資材の斡旋供給、生産物の有利販売、素牛・雌牛の貸付、経営支援・組織基盤の維持発展を図る事業などの活動を行っています。

仕入れた子牛を肉用牛として出荷可能な状態まで育てる中で、出荷直前に転倒してしまい、夜間など、転倒に気付かずにそのままの状態で放置すると、肺が圧迫され死んでしまうことがあり、畜産農家にとっては大きな損失につながることが課題となっています。

全畜連は、毎年1〜2%発生する出荷前の肉用牛の転倒事故死によって生じる大きな損失(約100万円/頭)を重要な課題として、肉用牛の転倒事故死防止方法を模索してきました。

こうした中、肉用牛に直接取り付けるセンサーを使わないことで、肉用牛にストレスをかけずに、転倒事故死による経済的損失を防止することを目的に、全畜連と畜産牛向け行動監視支援システムを提供するCAL、そして、ICT活用による地域産業の発展をサポートするNTT東日本は、Wi-Fi・画像データ解析技術・肉用牛の転倒自動検知技術・ミリ波ネットワーク等を活用した実証実験の実施に至りました。

2.概要

  1. (1)実証実験の内容

    本実証実験は、全畜連の子会社であり肉用牛や豚の生産を行う株式会社ぜんちく那須山麓牧場において、 Wi-Fi・画像データ解析技術・肉用牛の転倒自動検知技術・ミリ波ネットワーク等を活用し、肉用牛の転倒事故防止の取り組みの有効性を実証してまいります。

    本実証実験では、牛舎に設置した赤外線モーションセンサーで取得した画像データをWi-Fi経由で収集し、長距離の無線通信が可能なミリ波ネットワークを利用して、クラウドにアップロードします。蓄積した画像データを利用して、肉用牛の転倒状態の解析を行います。また、転倒検知時に畜産農家のスマートフォンやタブレット端末等への通知を行い、肉用牛の転倒事故死を防止します。

    <特徴>

    • 大容量データの通信に最適なWi-Fiの活用
    • 屋外で高速の無線通信が可能なミリ波ネットワークを利用
    • 画像解析技術により、肉用牛の転倒状態の検知を、肉用牛に直接取り付けるセンサー不要で実現
    • スマートフォンやタブレット端末等への通知により畜産農家における肉用牛の常時監視が不要

    <実証実験イメージ>

  2. (2)各社の役割
    全畜連 実証実験フィールドの提供、効果検証、対象牛の肥育、監視
    CAL 畜産牛向け行動監視支援システム(画像ビッグデータ解析システム)、赤外線 モーションセンサー等の提供
    NTT東日本 実証実験の全体企画・運営およびWi-Fiアクセスポイント、ミリ波ネットワーク、 ネットワークカメラ等の提供
  3. (3)実施期間

    2017年5月〜2018年3月(予定)

3.今後の予定

本実証実験を通じ、肉用牛の転倒自動検知による安定した肥育・出荷に対する支援効果を検証し、畜産分野における簡単に利用可能なレディメイド型のIoTサービスの商品化を目指して検討してまいります。

本内容は2017年5月24日〜26日にビックサイトにて開催されるワイヤレスIoT EXPOにて詳細な内容を展示予定です。

報道発表資料に記載している情報は、発表日時点のものです。
現時点では、発表日時点での情報と異なる場合がありますので、あらかじめご了承いただくとともに、ご注意をお願いいたします。