ホーム > 企業情報 > お知らせ・報道発表 > 報道発表資料 > 2011年 > 3月


2.NTTドコモの被害並びに復旧への取り組み状況

(1) 通信設備の状況

無線局については、地震・津波の発生後、東北と関東甲信越地域を中心に商用電源の途絶や装置故障が発生し、3月12日17:00時点では6,720局でサービスを提供できない状態となりました。

NTTグループ各社や通信建設会社の応援も得て、総勢約4,000人体制で通信サービス復旧活動を行った結果、商用電源の回復と相まって約9割の局で機能回復し、3月28日14:00現在で690局にまで復旧しております。

まだ復旧していない無線局の多くにおいて、エントランス回線の断絶、装置の水没や損壊、及び原発事故に伴い立ち入りが困難な状況が生じています。

サービス中断無線局数
地域 FOMA mova 合計
東北地方
設置局数
(約11,000局)
青森 4局    
岩手 220局
宮城 180局
福島 130局
東北合計 540局 140局 680局
関東甲信越 10局 1局 11局
合計 550局 140局 690局
  • (注)数値は1の位で四捨五入し、20以下は実数値として表示しております

今後の復旧に向け、岩手、宮城、福島の3県のサービス中断無線局(FOMA)約530局に相当する基地局375局につき、復旧計画を策定しました。原発事故に伴い立ち入りが困難な福島県の基地局68局を除く307局について、光ファイバー・マイクロ無線・衛星回線の活用による伝送路の復旧や、山頂等への基地局の設置による大ゾーン方式(従来の複数局によるエリアを1局でカバー)の活用により、4月中旬までに150局、更に下旬までに98局の計248局を復旧してまいります。

残りの59局については、山間部や道路トンネル内設備の損壊等により復旧が遅れることから、集会所等における衛星携帯電話等の提供も行ってまいります。

なお、具体的な復旧予定については、4月早々より「復旧エリアマップ」で確認いただけるようにする予定です。

※基地局 無線局を設置している拠点のこと。一つの基地局に複数の無線局(2GHzと800MHz等)が設置してある場合がある。
サービス復旧予定基地局数(FOMA)と復旧予定時期
  復旧予定時期 合計
4月中旬 4月下旬 5月以降
岩手 89 48 47 184
宮城 61 28 8 97
福島 0 22 4 26
合計 150 98 59 307
  • (注)福島原発30km圏内の68基地局を除いた数値

地震発生後、通信量が増加し繋がりにくい状況が発生したことから、音声通話で東北と関東地方を中心に最大80%(一部90%)の発信規制を実施し、重要通信の確保に努めました。なお、パケット通信では地震直後に一時的に宮城県で最大30%の発信規制を実施しましたが、その後規制は行っておりません。

ドコモショップについては、地震発生直後、東北地方の195店舗中159店舗が臨時休業を余儀なくされましたが、早期の営業再開に努めた結果、建物が大きく損壊した店舗および福島原発の避難エリアとなっている店舗等を除き営業を開始しており、3月28日時点での休業は21店舗となっております。

主な被災地域の現時点での復旧状況
  • 石巻・牡鹿半島エリア
    石巻市中心部、東松島市は、ほぼ復旧
    石巻市東部、女川町東部は、未復旧
  • 気仙沼エリア
    気仙沼市、南三陸町中心部は、ほぼ復旧
  • 仙台松島エリア
    仙台市、多賀城市、塩釜市、松島町は、ほぼ復旧
  • 大船渡エリア
    大船渡市、陸前高田市中心部は、ほぼ復旧
  • 宮古エリア
    宮古市中心部は、ほぼ復旧
    北側沿岸部は、未復旧
  • 岩泉エリア
    岩泉町中心部は、ほぼ復旧
    沿岸部は、未復旧
  • 釜石上中島エリア
    釜石市、大槌町中心部は、ほぼ復旧
    釜石市周辺部、大槌町周辺部は、未復旧

(2)復旧等の体制

地震発生直後、本社及び東北支社に災害対策本部を設置するとともに、24時間密接に連携できる体制を構築し、被災状況の把握、復旧への取り組みを開始しました。

被害の大きい岩手・宮城・福島の3県に対しては、本社や支社、グループ各社が全面的に協力し早期の復旧に向けて取組んでいます。

(3) 被災者支援の取り組み

  1. <1>災害用伝言板サービスの提供

    被災者の連絡手段として、地震発生直後より「災害用伝言板サービス」を提供しています。より多くの被災者の連絡手段としてご利用いただけるように、3月17日にはメッセージ登録可能地域を全国に拡大したほか、3月18日には従来のiモードに加えスマートフォンからもメッセージ登録を可能としました。3月28日0:00時点でのご利用件数は約379万件です。

  2. <2>携帯が利用できない地域への対応

    携帯電話が使えなくなっている地域を対象に移動基地局車約30台を配備し通信の確保を図っています。また、被災者の通信確保のため、衛星携帯電話約870台、携帯電話約1,440台、タブレット型端末約180台の行政機関への貸し出しや避難場所への設置を実施するとともに、マルチチャージャー、ソーラー充電器、ACアダプターで携帯端末を無料で充電いただけるコーナーを約210箇所設置しております。(3月28日13:00現在)

  3. <3>復旧エリアマップの公開

    今回の震災で被害の大きかった岩手県、宮城県、福島県について、携帯電話(FOMA)がご利用可能なエリア、移動基地局車により復旧もしくは復旧を予定しているエリア、衛星携帯電話や無料充電サービスがご利用可能な場所、ドコモショップの営業情報などの詳細を地図上で確認いただけ、市町村名から検索も可能な「復旧エリアマップ」を3月20日より新たに公開しております。なお、具体的な復旧予定についても、4月早々より「復旧エリアマップ」で確認いただけるようにする予定です。

  4. <4>被災地チャリティサイトの開設

    被災地支援のため、お客様からの募金を受け付けるサイトを設置しております。集まった募金は特定非営利活動法人ジャパン・プラットフォームへ寄付いたします。(3月28日時点の募金総額は751,315,192円)

    <募金方法>
    「ドコモ ケータイ送金」による募金(3月14日開始)
    「チャリティコンテンツ(待受画面)」購入による募金(3月14日開始)
    「ドコモポイント」による募金(3月19日開始)
    「DCMX」による募金(3月24日開始)
  5. <5>料金の返還

    東北地方太平洋沖地震による当社の設備故障に伴い、通信がご利用いただけなかった地域にお住まいのお客様に対して、ご利用できなかった期間の基本使用料等を返還いたします。

    • ご契約者住所もしくは請求書送付先とされているお客様
  6. <6>その他の支援の取り組み
    料金の窓口支払い期限の延長
    (約一ヶ月の期限延長)
    既に3月請求分の支払期限を5月2日に延長しておりますが、更に4月請求分の支払期限についても5月31日に延長します。
    携帯電話の故障修理代金を半額

    4月11日までとしていた実施期間を更に5月31日まで延長します。

    受付は、全国のドコモショップにて対応します。

    水濡れケータイデータ復旧サービスの無料化
    携帯電話購入時の特別割引
    (最大10,500 円)
    FOMAカードの再発行手数料の無料化