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News Release

平成21年12月24日


ICC特別展「可能世界空間論」を開催


NTT東日本が運営している文化施設NTTインターコミュニケーション・センター※1(以下、ICC)において、特別展「可能世界空間論※2」を平成22年1月16日(土)から平成22年2月28日(日)まで開催します。
本展は、本年2月に開始したICCメタバース・プロジェクト※3と連動する特別展です。同プロジェクトでの活動成果を踏まえ、3D仮想空間に作品を実装し、実在空間であるICCと連動した展示を行います。
※1 日本の電話事業100周年記念事業として、またNTTの文化・社会貢献活動の一環として、平成2年からプレ活動を開始し、平成9年に東京都新宿区西新宿(初台)にメディア・アートの展示を中心としてオープンした文化施設。
※2 「可能世界」とは、現実の世界に存在していない何かしらの要素が存在したとしたら、現状の世界とは違った世界になっていた可能性がある、いわばパラレルワールドのような想定のこと。
※3 インターネット上に構築される3D仮想空間であるメタバースを利用し、実際の商用展開とは別の展開方法を追求することで、メタバースの新しい可能性を提示することを目的としたプロジェクト。アーティストや識者を招いた研究会をこれまでに4回実施した。
https://www.ntticc.or.jp/en/feature/2009/MetaverseProject/index_j.html


1. 概要
 この特別展は、インターネット上に構築される3D仮想空間であるメタバースが現実世界とどのように違うのか、また現在の情報技術によって社会や都市や建築はどのような変化を遂げていくのかを探る展覧会です。

 インターネット・アーキテクチャやコンピュテーション※4といった方法によって顕在化された可能世界を提示することにより、社会設計の新たな視点を提供します。
※4 数式やアルゴリズムを利用してグラフィックイメージ等を自動的に生成させること。


2. 開催期間
平成22年1月16日(土)〜平成22年2月28日(日)※5 10:00〜18:00(入館は閉館の30分前まで)
※5 毎週月曜日と平成22年2月14日(日)は休館日です。


3. 開催場所
東京都新宿区西新宿3-20-2 東京オペラシティタワー 4階〜6階
(京王新線 初台駅東口から徒歩2分)


4. 入場料
一般・大学生: 500円(400円)※6 ※7
高校生以下: 無料
※6 料金は消費税込み、( )内は15名様以上の団体料金
※7 会期中1回に限り再入場可


5. 作品
(1) 田中浩也(たなかひろや)+岩岡孝太郎(いわおかこうたろう)+平本知樹(ひらもとともき) 《オープン・(リ)ソース・ファニチャー Ver.1》
 パソコンの普及で個人レベルの制作活動の波は、家具や建築のデザインにまで及んでいます。比較的安価な3Dプリンターの登場は、デザインから出力、完成品の組立てまでの全ての工程を個人のみでまかなうことを可能にしました。本作品では、そこにアルゴリズミックな生成過程※8を組み込むことにより、さらにデザインの可能性を拡げようとしています。複数のパラメータを任意に設定し、決定された基本形から自動的に生成するさまざまな形状の部品を自由に組み立てることで、多様な空間が作り出されます。会場には3Dプリンターが設置され、来場者は自分でデザインした部品をその場で作成することができます(週1回を予定)。
 制作協力:慶應義塾大学 田中浩也研究室、財団法人国際メディア研究財団
※8 コンピューターのプログラム等による自動的なデザインの生成過程。

(1)田中浩也(たなかひろや)+岩岡孝太郎(いわおかこうたろう)+平本知樹(ひらもとともき) 《オープン・(リ)ソース・ファニチャー Ver.1》

(2) 柄沢祐輔(からさわゆうすけ)+松山剛士(まつやまたかし) 《中心が移動し続ける都市》
 ノーベル賞を受賞した経済学者ポール・クルーグマンが、著書「自己組織化の経済学」の中で展開した資本主義経済のメカニズムのモデル化から着想しています。この作品では、都市において中心と周縁を作り出すメカニズムが動的に変成し直されるプログラムと経済活動のデータを用いて、中心を形成しながらそれが徐々に崩壊し、また新しい中心を形成するモデルを、CGによってシミュレーションします。

(2)柄沢祐輔(からさわゆうすけ)+松山剛士(まつやまたかし) 《中心が移動し続ける都市》

(3) 舘知宏(たちともひろ) 《建築折紙》
 折紙は、一枚の紙を折ることで多様な形態を作る芸術・文化・遊びであり、近年では日本だけに留まらない世界共通の芸術媒体として、多様な表現が試みられています。また、折紙は二次元と三次元のあいだで状態が移り変わる動的特性、一枚の連続面という性質、折りによって作られる陰影や空間表現などから、工学デザインにおける新しい手段として着目されています。3Dの多面体モデルから折紙の展開図を作成するシステムとそれによって作られた折紙作品や、大きな構造物にも実現可能な折紙モデルである剛体折紙などを、展示します。

(3)舘知宏(たちともひろ) 《建築折紙》
舘知宏
「剛体折紙建築」(参考図版)

(4) エキソニモ 《ソーカル(仮)》
 利用者がメタバースにログインすることで、メタバース内に存在するアバター「ゴット」にアクセスできます。twitterなどを介して、その体験を流布させたり、メッセージや3Dモデルをメタバース空間に送ることで「ゴット」の存在感を変化させていく作品です。現在ICC 4階ロビーで展開されている『ゴットは、存在する。』の一部を成す作品です。

その他、シンポジウムやワークショップの開催等、さまざまな展開を予定しております。
詳細は、別途ICCホームページ(https://www.ntticc.or.jp/ja/)にてお知らせします。



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現時点では、発表日時点での情報と異なる場合がありますので、あらかじめご了承いただくとともに、ご注意をお願いいたします。

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