1. 業 績 の 概 況


 当上半期におけるわが国経済は、個人消費の足踏み状態が続いているものの、民間設備投資が持ち直しの動きをみせるなど、企業部門を中心に緩やかながら自律的回復に向けた動きを続けました。
 情報通信分野においては、情報通信技術の飛躍的な進展などを背景に、インターネットや移動体通信の利用者が急速に増加を続けており、これまでの「音声を中心とした情報の伝達」から「ディジタル化された情報の流通」へ移行するなど市場構造が大きく変化し、市場規模の拡大が続いています。また、GC接続の進展にともなう県内通信市場での競争激化や、DSL・CATV事業者等による市内アクセス網分野への新規参入など、地域通信市場においても競争が急速に進展し、地域通信から長距離・国際通信までの全分野において激しい競争が展開されています。
 このような市場構造の変化や厳しい事業環境に的確に対応するため、当社は、企業体質の強化を図り、電話から情報流通への事業構造の転換を行うとともに、市場のニーズを踏まえた「安く」「使い易く」「信頼のある」魅力的なサービスをタイムリーに提供することを事業運営の基本として、さまざまな取り組みを実施しました。
 当上半期における主な取り組みは次のとおりです。
 まず、急速な普及拡大が続くインターネットのニーズに対応して、昨年11月からINSネットサービスをご利用のお客様を対象に試験サービスとして提供していた完全定額制のインターネット接続サービス「IP接続サービス」について、お客様のご利用状況を踏まえ、本年5月に月額利用料の値下げ及び提供地域の拡大を実施するとともに、7月にはサービス名称を「フレッツ・ISDN」とし本格提供を開始しました。また、通信コスト低廉化及び利便性向上に対するお客様のご要望に応えるため、料金の値下げ及び割引サービスの拡充を図ることとし、県内市外通話及び「高速ディジタル伝送サービス」・「ATM専用サービス」の料金値下げ、県内通話料金割引サービス「ケンタくん」及び複数回線割引サービス「ワリマックス(企業単位)」・「ワリビッグ(事業所単位)」の提供をそれぞれ10月1日から実施することとしました。
 次に、法人向けの営業につきましては、「チーム・マーケティング・ソリューション」というブランドのもと、お客様とのチームコラボレーションを通してお客様の経営課題を解決するトータルなソリューションビジネスを展開するとともに、アウトソーシングサービスをパッケージ化した「Ephelio(イフェリオ)」の販売にも取り組みました。
 また、当社が保有する技術・ノウハウの活用と情報流通の普及促進を目指し、株式会社スカイパーフェクト・コミュニケーションズの東経110度CS事業における顧客管理業務の事業化検討を行う企画会社について、本年8月に同社の要請に応じ「株式会社データネットワークセンター」として事業会社化したほか、テレビ放送事業者による映像コンテンツ流通の事業化検討を行う企画会社「株式会社ビーバット企画」を9月に日本テレビ放送網株式会社などと設立しました。
 経営の合理化につきましては、昨年11月に発表した「中期経営改善施策」をもとに、営業拠点の統廃合や本社・間接部門のスリム化、グループ各社への出向・転籍等による大規模な人員再配置など、事業環境の急激な変化に対応できる経営基盤の確立及び電話から情報流通への事業構造の転換に向けて全社的な取り組みを進めているところであり、料金の更なる低廉化も見据えた経営基盤の安定に向け、平成12・13年度において希望退職を実施することとしました。
 以上の結果、当上半期の主なサービス別の販売状況は次のとおりとなりました。
 一般加入電話につきましては、INSネットサービスの販売数増加などの影響により、9月末の施設数が2,648万加入(対前年同期比180万加入の減)となりました。INSネットサービスについては、INSネット64の9月末の施設数が436万加入(同163万加入の増)となりました。
 また、当上半期における営業収益は、13,838億円となり、経常利益は305億円、中間利益は120億円となりました。


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