平成12年9月8日
報道発表資料

東日本電信電話株式会社
株式会社NTTドコモ


三宅島及び周辺4島の通信サービスの現況と対策について


1.概況
 雄山の度重なる噴火により火砕流が発生し島外避難指示が出された三宅島では、現在も行政機関やライフライン関係者等約330名が、島の機能を維持するため引き続き残留されております。NTT東日本をはじめNTTグループでは、三宅島に社員7名を配置し、島に残留された方々の通信を確保するとともに、避難された方々が島に戻られたら直ぐに通信サービスをご利用頂けるよう努めているところであります。
 そうした中、去る9月5日(火)午前9時30分に大雨による泥流の恐れから全島の電力供給が停止し、翌6日(水)午前6時14分には一部の区域を除いて復電しましたが、停電が続いている阿古地域内にある通信設備については、非常用発電機により運転している状況にあります。
 今後、万が一、停電が続き且つ非常用発電機の燃料の補給ができない場合や、泥流の発生等により通信設備が損傷した場合には、三宅島のみならず、周辺の4島(八丈島・神津島・御蔵島・青ヶ島)においても、NTT東日本及びNTTドコモの通信サービスの提供に多大な影響が発生します(別図参照)。
 このため、NTT東日本及びNTTドコモでは、NTTグループ各社と協力して、通信サービスの確保に努めることとしております。


2.想定される事態と通信サービスへの影響
 NTT東日本及びNTTドコモでは、停電による通信サービスへの影響を回避するため、非常用発電機やバッテリーで対応することとしていますが、現在は、前述のとおり、停電地域内にある通信設備の運転は非常用発電機により行っています。
 この非常用発電機は、燃料を適宜補給する必要があるため、燃料を輸送し補給することを検討しておりますが、現地の道路事情や泥流の発生により現時点では補給ができておりません。
 万が一、停電が続くとともに燃料の補給もできないという最悪の場合、9月11日(月)夜半以降、数日以内には通信設備の機能が停止し、下表のとおり、三宅島と周辺4島の通信サービスに多大な影響が発生します。
 また、三宅島の通信設備が泥流の発生等により損傷してその機能が停止した場合にも、同様の影響が発生します。


想定される事態と通信サービスへの影響
(注) 加入電話・ISDNサービスからの110番・119番への通信については、三宅島(通信設備の機能停止の影響を受ける地域)の加入電話・ISDN、及び周辺4島のISDNを除き、いずれも各島内の通信となるため、影響はありません。


3.対策
 NTT東日本及びNTTドコモでは、前記の状況を踏まえ、可能な限り通信サービスの確保を図るため、次のとおり対策を講じることとします。

(1)衛星通信を利用した通信サービスの確保

【NTT東日本】 衛星通信を利用した通信サービスの確保【NTT東日本】
(参考1) ポータブル衛星通信装置は、最大で電話回線16回線を収容します。
(参考2) 特設公衆電話から発信する場合は、必ず相手の方の市外局番からお掛け下さい。


【NTTドコモ】 衛星通信を利用した通信サービスの確保【NTTドコモ】

(2)「災害用伝言ダイヤル」の運用
 NTT東日本では、6月26日(月)に三宅島の火山活動が活発化し避難勧告が出された時から、「災害用伝言ダイヤル」の運用を行っております。
 「災害用伝言ダイヤル」は、被災された地域等の電話番号をキーにして、安否等の情報を音声により伝達するボイスメールです。
 今回は、「市外局番0499ではじまる電話番号(=東京都島しょ部全域)」を、伝言の登録・再生の際にキーとなる電話番号として運用中です。
 加入電話・ISDNサービスがご利用できない場合でも、特設公衆電話からの利用が可能ですので、全国のお客様から各島のお客様へ、また、各島のお客様から全国のお客様への通信手段の確保の一助として、引き続き運用を行います。
「災害用伝言ダイヤル」は、NTTの再編成に伴い、NTTコミュニケーションズが提供しているサービスですが、災害の発生地域等に応じて、NTT東日本、NTT西日本、NTTコミュニケーションズがそれぞれ運用します。
「災害用伝言ダイヤル」の基本的操作方法は[別添1]をご参照下さい。

(3) ISDNご利用のお客様への措置
 万が一、通信設備の機能が停止した場合には、各島のISDN回線は島内外とも発着信ができなくなることから、八丈島・神津島・御蔵島及び青ヶ島の4島については、お客様のご要望に応じ、個々の状況にあわせて対応させていただきます。


4.通信に影響を受ける島内のお客様への周知

(1)島内放送
 影響内容、特設公衆電話設置場所等を、各島の村役場の「島内放送」にて放送していただきます。

(2)周知文の掲示
 (1)と同様の内容を、各島の村役場等公共スペースへ掲示します。


(参考)
 全国のお客様が各島の加入電話・ISDNのお客様へ発信した場合には、前述のとおりつながらない場合が生じるため、発信者の方に次のガイダンスを行います。

(各島の加入電話・ISDNへ発信した場合のガイダンス内容)
「こちらは、NTTです。ただいまおかけになった方面の電話は、災害のためかからなくなって大変ご迷惑をおかけしております。回復までに相当時間がかかる見込みです。ご了承ください。」


5.電話料金等の取り扱い【NTT東日本】

(1)基本料金の取り扱い
 避難勧告発出の日から避難勧告解除の日までの基本料金を無料とします。(避難勧告発出対象地域。ただし、8月10日以降は、三宅島全島を対象とします。)
 また、神津島、御蔵島、青ヶ島において、島外へ通信ができなくなった場合は、その期間の基本料金を無料とします。

(2)工事費の取り扱い
 避難勧告発出によって、仮住居への移転工事が生じた場合、それに伴う工事費用を無料とします。

(3)料金の支払の期限延長
 三宅島については、一般請求書(請求書払い)及び口座振替の支払期限を避難勧告解除後から1カ月間延長します。

(4)電話以外の電気通信サービスの取り扱い
 電話サービスに準じた取り扱いとします。

(5)特設公衆電話からの通話料の免除
 避難者の最低限の通信手段を確保する観点から、特設公衆電話から発信する通話料を無料とします。



【別図】
[別添1]災害用伝言ダイヤルの基本的操作方法 等
[別添2]加入電話数・ISDNサービス加入数、災対機器配備状況(予定を含む)


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