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「言葉を話す、聴く」ことは、最も一般的なコミュニケーションの方法です。「言語障害」とは、この「話す、聴く」というコミュニケーションが難しい状態をいい、発症時期や原因などによって状態や症状はさまざまに異なります。
(Denes&Pinson. 1963より一部改善)
コミュニケーション障害は、この1〜5のいずれかの段階に、何らかの問題が生ずることによって起こります。現在は医学も発達していますし、「言語聴覚士」というリハビリテーションに携わる国家資格をもつプロフェッショナルも増えています。まずは検査を受け、原因と障害の程度を正しく知ることが大切です。
(図)話言葉のコミニュケーションによる図式
(言語聴覚士まるごとガイドP21)
身体的機能の障害と違って、コミュニケーション障害は外見上、把握しづらいものです。その上、本人が自分の障害や不自由について言葉で訴えることが難しいため、「見えにくい障害」といわれています。そのため家族でさえ、本人の障害を「正確に把握できない」「的確に対応できない」ということもしばしば起こり得ます。また、社会生活の根本であるコミュニケーションがスムーズに行えないことで、本人が心理的・社会的に受けるダメージは想像以上に大きなものです。
障害のあるなしに関わらず、コミュニケーションの目的は通じ合うことであり、基本は相手に伝えようという気持ちと言うことを聞こうという気持ちです。聞き手が相手の言いたいことを汲み取ろうという気持ちをもつと、それが相手に伝わり、スムーズなコミニュケーションにつながるのです。
コミニュケーションのプロセスが複雑なように、一口に「言語障害」といっても、障害を受けた時期や障害を受けた器官や部位によってさまざまなケースがあり、障害のあらわれ方もそれぞれ異なります。子どもの「言葉の遅れ」を例にとると、聞こえの障害によるもの、脳性麻痺など脳の損傷によるもの、先天的な器官の障害によるもの、知的発達障害によるもの、自閉的傾向など対人関係の障害によるものなどがあります。一方、成人の言語障害に多い「失語症」は、主に言語機能を司る脳の領域が脳卒中や交通事故などによって損傷されることで起こります。「失語症」には、喚語困難(伝えたい意味をあらわす単語が喚起できない)、錯語(椅子と言おうとしているのに机といってしまうなど、目標とする単語とは別の単語がでてしまう)、失文法(単語をつなげて文に組み立てることができない)など、さまざまな症状があります。また、吃音(きつおん)など原因が未解明のものもあります。
| 声の障害 | 発声器官の構造や働きが原因となって起こります。「声の異常」「声の強さの異常」「声の高さの異常」があり、人への情報伝達に支障をきたします。 |
|---|---|
| 構音の障害 | 音声がひずんだり、全く別の音声として発声される障害です。歯並びや舌と口の運動不良、上あごや唇など発声に重要な器官の機能に障害をもつために起こるケースが多くみられます。また口蓋裂など、器質的な障害に起因するケースもあります。 多くの場合、適切な訓練やセラピーなどによって治すことができます。子どものうちの方が治りやすいですが、大人になってからでも治すことができます。 構音・・・発音器官で音質を特徴づけること。例えば、「た」の音は、舌先を上の歯茎の裏側につけて・放すことによって発音されます。舌先がつかなければ「あ」の音になってしまいます。 |
| プロソディの障害 | 吃音(きつおん)など、会話や音読のときに、言葉のなめらかさが損なわれる障害です。吃音のある人は、どの国でも人口の1%はいるといわれていますが、まだその原因は解明されていません。 プロソディ・・・強弱、抑揚、速度、滑らかさといった音声の特徴的な要素。 |
| 脳性まひによる言語障害 | 発声などに関する運動神経や筋がうまく働かず、音声の抑揚やアクセントにも障害があらわれます。 |
| 言語発達の障害 | 知的障害や、不適切な言語環境などから引き起こされます。 |
| 小児失語 | 妊娠中や出産時の脳の器質障害,脳血管障害、脳挫傷、脳炎、髄膜炎、脳腫瘍などによって引き起こされます。 |
| 自閉症 | 全くしゃべれない、発声・抑揚などの異常、オーム返し、独り言、指示理解が困難など、多様な症状になるケースがあります。 |
| 心因性緘黙 (しんいんせいかんもく) |
「家庭では話せるのに学校では話せない」など、特定の場面では話せないという心因性の障害です。 |