婦人科
当科は、女性のヘルスケア全般に関わっています。
対象は【1】婦人科良性疾患と【2】婦人科検診です。
【1】当科で診療させて頂いている婦人科良性疾患とは、癌などの悪性疾患を除いた女性であれば誰もが罹り得る疾病のことです。
通常必ずしも手術を必要とはしませんが、患者さん自身が都合のよい治療方針として手術を選択されれば当科にても手術を実施しています。
表は当科での主な手術件数です。
当科では可能であれば出来るだけ腹腔鏡を用いて開腹しない患者さんに優しい手術を行うようにしています。この腹腔鏡手術は平成6年から実施しており長野県内では最も多くの手術実績があります。
また開腹手術や膣式手術においては信州大学あるいは他院の腕自慢の産婦人科医師とコンビを組んで実施しています。
以下に当科で通常診療している疾病名等および簡単なコメントを示しますので参考にして下さい。
- 1)子宮筋腫
- 【極めて悪性度の高い子宮肉腫が生じることがありますので、少なくとも6ヶ月毎の経過観察が必要と考えます。】
- 2)卵巣腫瘍
- 【卵巣癌になることがあります。4ヶ月毎の経過観察あるいは患者さんの希望があれば腹腔鏡手術を実施致します。】
- 3)子宮内膜症
- 【疼痛・卵巣チョコレート嚢腫・不妊症に対して個々に別々の対応を考えなければなりません。】
- 4)子宮外妊娠
- 【診断が容易でないこともありますが、通常は腹腔鏡手術で対応可能です。】
- 5)子宮脱
- 【患者さんの希望によりペッサリーという器具を膣内に入れて外来管理としたり、膣式手術したり致します。】
- 6)月経困難症
- 【子宮内膜症の可能性があり注意が必要です。患者さんの希望があれば継続的な薬物療法という手もあります。】
- 7)過多月経
- 【婦人科疾患や鉄欠乏性貧血の有無を調べなければなりません。その上で治療方針を相談させて頂きます。】
- 8)鉄欠乏性貧血
- 【婦人科疾患がなくても、単に月経のためになることもあります。閉経するまでは経過観察と治療が必要です。】
- 9)月経前症候群(PMS)
- 【月経開始の3〜10日前のイライラ、不安、眠くなる、だるい、疲れやすい、むくむ、乳房が張る・痛むなどの症状です。軽減させるためホルモン剤や漢方薬を使います。】
- 10)性感染症(STD)
- 【おりものの異様な臭いや色や量がいつもと違う時は病気の可能性があります。不妊症の原因となることもありますし、下腹部痛を生ずることもあります。】
- 11)非特異性膣炎
- 【おりものが多くて不快な時に患者さんの希望で治療することがあります。】
- 12)カンジダ膣外陰炎
- 【カンジダというカビ(真菌)のため外陰部の痛みや痒み(かゆみ)が生じます。膣錠や塗り薬で治療します。】
- 13)更年期障害
- 【更年期の顔のほてり、のぼせ、発汗、冷え、肩こりなどの障害で患者さんの希望でホルモン補充療法や漢方治療を行っています。】
- 14)自律神経失調症
- 【めまい、動悸、頭痛、肩こりなどの症状で漢方薬がよく効くことがあります。】
- 15)骨粗鬆症
- 【骨折しやすくなり寝たきりとなる原因の一つです。骨密度を定期的に測定し、治療薬の継続的な服用をして頂いています。】
- 16)萎縮性(老人性)膣炎
- 【更年期・老年期で膣や外陰部に違和感、痒み(かゆみ)あるいはおりものの減少・増加に対して膣錠での治療をしています。】
- 17)膀胱炎
- 【頻尿・排尿時痛・残尿感。時に下腹部痛のみの症状です。尿検査で診断し治療します。漢方薬での治療を選択することもあります。】
- 18)頻尿・排尿障害
- 【頻尿、夜間に起きる回数が多い、トイレに間に合わない、尿がもれる等の場合に薬物療法があります。】
- 19)避妊
- 【経口避妊薬の継続的内服・子宮内避妊具の挿入・腹腔鏡手術での避妊手術の実施が可能です。】
- 20)人工妊娠中絶術
- 【残念ですが、中絶手術の希望があれば早めに受診して下さい。予定を立てて妊娠10週までに後日手術を行います。】
- 21)月経移動
- 【患者さんの都合に合わせてホルモン剤の内服で月経を遅らせることがあります。】
- 22)乳房マッサージ
- 【授乳中のトラブルの対しては当科外来助産師が対応しており、必要に応じて乳房マッサージを実施致します。】
- 23)乳腺炎
- 【授乳中のトラブルの最たるものです。当科外来助産師が対応致します。薬物療法が併せて必要であれば医師より処方致します。】
【2】当科での婦人科検診では①子宮頸癌検診(子宮膣部細胞診)を実施致します。その際②超音波検査も行い、あわせて卵巣腫瘍や子宮筋腫があるかどうかも調べています。
婦人科の病気は良性でも悪性でも患者さんが自覚できる症状はほとんどありません。例えば不正性器出血や月経不順が必ず起こるわけではないのです。
なお不正性器出血があれば③子宮体癌検診(子宮内膜細胞診)も実施致します。
性成熟期、更年期、老年期を問わず婦人科疾患の早期発見・治療には婦人科検診が重要と考えます。
当科では妊婦健診・分娩は取り扱っていませんし、不妊症治療も行っていません。ただし他院からのご紹介で妊娠中や不妊症の患者さんの腹腔鏡下卵巣腫瘍摘出術のご依頼があれば実施しています。
医師紹介
| 氏名 | 役職 | 所属 | 資格 | 専門分野 |
|---|---|---|---|---|
| 飯高満三芳 | 部長 | 日本産婦人科学会 日本産婦人科内視鏡学会 日本内視鏡外科学会 |
産婦人科専門医 | 腹腔鏡下手術(腹腔鏡下膣式子宮摘出術、腹腔鏡下卵巣腫瘍摘出術、腹腔鏡下子宮外妊娠手術等)、開腹手術(腹式単純子宮摘出術等)、膣式手術(子宮脱根治術等) |
手術件数 平成21年度
| 手術名 | 件数 |
|---|---|
| バルトリン腺嚢胞腫瘍摘出術(造袋術を含む) | 1 |
| 子宮外妊娠手術(腹腔鏡) | 11 |
| 子宮筋腫摘出(核出)術(腹式) | 3 |
| 子宮筋腫摘出(核出)術(腟式) | 2 |
| 子宮全摘術<腹式> | 19 |
| 子宮脱手術(腟壁形成手術及び子宮全摘術)(腟式、腹式)<腟式> | 10 |
| 子宮附属器腫瘍摘出術(両)(腹腔鏡) | 48 |
| 腹腔鏡下子宮筋腫摘出(核出)術 | 3 |
| 腹腔鏡下子宮筋腫摘出(核出)術 | 1 |
| 腹腔鏡下腸管癒着剥離術 | 1 |
| 腹腔鏡下腟式子宮全摘術 | 2 |
| 合計 | 101 |
併施手術
| 手術名 | 件数 |
|---|---|
| 子宮附属器腫瘍摘出術(両)(開腹) | 9 |
| 子宮附属器腫瘍摘出術(両)(腹腔鏡) | 2 |
| 合計 | 11 |
手術件数 平成22年度
| 手術名 | 件数 |
|---|---|
| バルトリン腺嚢胞腫瘍摘出術(造袋術を含む) | 1 |
| 子宮外妊娠手術(腹腔鏡) | 4 |
| 子宮筋腫摘出(核出)術(腹式) | 3 |
| 子宮全摘術<腹式> | 19 |
| 子宮脱手術(腟壁形成手術及び子宮全摘術)(腟式、腹式)<腟式> | 10 |
| 子宮内膜掻爬術 | 2 |
| 子宮内容除去術(不全流産) | 2 |
| 子宮附属器腫瘍摘出術(両)(開腹) | 3 |
| 子宮附属器腫瘍摘出術(両)(腹腔鏡) | 66 |
| 腹腔鏡下子宮筋腫摘出(核出)術 | 2 |
| 腹腔鏡下腟式子宮全摘術 | 3 |
| 卵管腫瘤全摘除術(両)(腹腔鏡) | 1 |
| 腟閉鎖術(中央腟閉鎖術(子宮全脱)) | 2 |
| 合計 | 118 |
併施手術
| 手術名 | 件数 |
|---|---|
| 子宮附属器腫瘍摘出術(両)(開腹) | 7 |
| 子宮附属器腫瘍摘出術(両)(腹腔鏡) | 2 |
| 合計 | 9 |


