オワセ?サルナケ
(別 紙)
       平成22年1月25日に発生した電柱折損事故の原因及び再発防止策(概要)

(1)事故概要
 平成22年1月25日(月)午前9時50分頃、当社保有の管理対象柱※1の建替工事に伴い、電力線を既存柱から新設柱へ移設する工事(東北電力発注工事)の中で、高圧ピン碍子のバインド線※2(両外線2本)を外したところ、電柱が傾斜しはじめ、中線のバインドが外れ倒壊に至った。倒壊した電柱は近傍を通過しようとした車の上に倒れ、運転者が負傷した。
 なお、当該管理対象柱は、平成20年4月の点検により経年化等の程度が進んでいると判定し、建替対象とした。このため、平成20年12月に当社から東北電力に、当該電柱を含む建替を要望する一覧表(経年化等の程度も記載)を提出し、今回、電力線移設工事(東北電力発注工事)に至ったものである。
 ※1 当社が計画的に建替を行っている電柱
 ※2 電柱に設置される絶縁器具(高圧ピン碍子)に、高圧の電力線を巻きつけるための接続線

(2)発生原因
 @移設作業前に関する要因
 当該管理対象柱については、調査結果※3により設計強度は満たしていたと推定される。
 また、移設作業前において各事業者間で張力の均衡が保たれていたと考えられるが、当該管理対象柱に対し当社と東北電力の間において、移設作業時に発生し得るケーブル張力による不平衡を解消する安全措置に関する事前打合せが不十分であった。
 ※3 当社、東北電力ならびに製造メーカ立会のもと、当該管理対象柱の解体調査を実施した。
    鉄筋は6本中2本が遅れ破壊により破断しており、破面の腐食状況から、折損以前から破断して
    いたものと考えられるが、設計強度は満たしていたと推定される。また、コンクリートについては
    密実であり、鉄筋かぶりについてはJIS規定を満足していたことを、当社において確認した。

 A移設作業時に関する要因
 通常、電線移設作業時においては経年化等の程度に関わらず新旧柱を捕縛すること、またはクレーンによる旧柱の吊上げなどにより倒壊を防止することが望ましいが、そうした倒壊防止措置に関する当社と東北電力との間の事前打合わせが不十分であった。また、東北電力及びその工事会社で不平衡
荷重の発生する場合の工事手順に対する検討を行うこととはしていなかった。
   
(3)再発防止策
 @事故後の指示事項
  平成22年1月25日  当社の全支店に対して事故発生状況を周知し注意喚起。
  平成22年1月27日   当社の東北電力管内における各支店(新潟・宮城・福島・岩手・青森・山形・
                 秋田)に対し、東北電力の電力ケーブルを共架した管理対象柱の建替工
                 事が一時実施できないことを周知。加えてその期間、点検から建替までに
                 時間を要することから、鋼板補強等の措置を講じることにより安全を確保す
                 るよう周知した。

 A管理対象柱建替工事における運用ルールの明確化
  当社と東北電力の管理対象柱建替工事における移設作業前の安全措置については、当社と東北
 電力の双方が確認した上で電柱所有者(当社)が実施することとし、その運用は次のとおりとする。
  ・ 移設作業前の安全措置の要否判定を行う。なお、要の場合は安全措置を実施する。
  ・ 移設作業前の安全措置の検討状況および実施状況を東北電力に連絡する。
  ・ 必要に応じて、当社と東北電力は現地立会いを行う。

 東北電力は、当社の移設作業前の安全措置の検討状況および実施状況について報告を受け、その内容を確認した後に、必要な倒壊防止措置を講じたうえで電力ケーブル移設等工事を行うこととする。

B運用ルールの実施状況確認
 運用ルールの実施状況および移設作業前の安全措置ならびに倒壊防止措置の実施状況について適宜確認する。

 なお、上記対策に加えて、過去の点検結果と直近の点検結果を比較し、経年化等の程度が低くなっている電柱についての緊急点検を行うとともに、今後、前回点検より経年化等の程度が低くなった場合は、現地にて再点検を行うルールを構築する。


                                                           以 上

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