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第34回もしもし医学セミナーを開催しました

7月22日(土)、当院カンファレンスルームにおいて「備えあれば憂いなし 〜認知症の現在と未来〜」をテーマに「第34回もしもし医学セミナー」を開催しました。真夏の暑い日にもかかわらず、申し込み数81名で74名の参加と本セミナーへの関心の高さが伺えました。

今回のセミナーでは、神経内科部長の吉澤利弘が座長及び講演を、そして総合相談室副室長の原田とも子、精神神経科臨床心理士の河口英子の3名により、五つのテーマで講演を行いました。


神経内科 吉澤部長
神経内科 吉澤部長

まず初めに吉澤部長が「認知症の基礎知識」と題して、認知症に早く気付いて対応することの大切さについて話しました。加齢に伴う認知機能の低下と認知症を初期段階で区別することは難しいそうで、認知症とは意識障害は無いが、記憶障害があり、判断力や実行機能にも障害がある状態で、社会生活や対人関係に支障をきたすような状況になってはじめて認知症と診断されるそうです。また認知症は単一の病気の名称ではなく、認知症を引き起こす多くの病気があるので、早期に認知症が見つかったら、まずはその原因を突き止めることも大切だそうです。

総合相談室 原田副室長
総合相談室 原田副室長

次に「認知症がわかったらすべきこと−社会資源活用術−」のテーマで、総合相談室の原田副室長が話しました。社会資源とは認知症の人を支える介護保険法定サービス、自治体の独自サービスなど様々なサービスの総称です。認知症と診断された初期の段階では。見守り、安否確認、デイサービスや訪問による支援などがあるそうです。社会資源の活用は、患者さんだけではなく、介護者である家族にとっても必要な手段であり、相談が必要になった時のために、相談窓口や情報を調べておくことが備えとなります。
続いて「認知症治療に使う薬」について、吉澤部長が話しました。現在我が国ではアルツハイマー型認知症に使える薬は4種類あるそうです。現在の薬物療法は、症状の進行抑制はできますが、根本治療はなく満足度は高くないそうですが、診療のゴールは本人ならびに家族が安心して暮らせる環境を作ることであり、薬剤はあくまでもそのためのツールの一つです。

精神神経科 河口臨床心理士
精神神経科 河口臨床心理士

引き続き「非薬物療法の有用性−薬がすべてではない−」で、精神神経科の河口臨床心理士が話しました。 認知症治療には薬を使う薬物療法と、薬を使わない非薬物療法があり、現在の医療では、認知症の進行を遅らせ、少しでも長くその人らしく過ごしていけるように薬物療法と非薬物療法組み合わせていくことが大切との事でした。 非薬物療法においては、日常生活の中でも取り入れやすい、運動療法、回想法、音楽療法などがありますが、特に運動療法は科学的根拠もあり、認知症の発症・進行予防においても効果があるそうです。
なお当院でも非薬物療法として「しあわせプログラム」が実施されております。

最後に吉澤部長が「高齢化社会を生き抜くために−認知症のある生活とその未来−」と題して講演を行ないました。 アルツハイマー型認知症になりやすい危険因子は解明されており、それは高血圧、糖尿病、高コレステロール血症の血管性危険因子、飲酒、喫煙などの生活性危険因子、そして遺伝的危険因子です。高齢になってアルツハイマー型認知症を発症しないためには中年期からきちんとした高血圧などの管理を行なうことが重要とする報告もあるそうです。生活習慣の是正や適度な運動などを通じて発症を予防することも夢ではないそうです。

次回「もしもし医学セミナー」の開催は10月を予定しています。