関東病院


入院する患者さんに

ペインクリニックとは、主として神経ブロックという治療法を用いて病気を診断と治療する科です。その対象となる病気には、三叉神経痛、頭痛、顔面痛、腰下肢痛、五十肩、その他の部位の痛み、帯状疱疹、末梢動静脈の閉塞症(上肢、下肢、眼底など)、顔面神経麻痺、顔面痙攣、多汗症、赤面症などがあります。特に他施設で治療を行っても、余り効果の得られなかった難治性の痛みの方が、多数入院されます。
平成19年度に入院された患者さんは962名で、平均入院日数は約8日です。ペインクリニック科の目標は、入院前に治療方針を示して、早期に痛みなどの症状の改善を目指します。すなわち、ペインクリニック科に来られるまでに、よそで行っていなかった治療方法を提示して、納得された上で治療を施行しますので、あらかじめ入院日数を決めさせていただきます。

当科では、月曜日から金曜日まで毎日外来の診療を行っています。しかし外来治療だけでは、満足な効果の得られない方、動けなくて外来通院できない方、遠方で外来通院のできない方、ペインクリニックの手術治療の必要な方、検査入院の必要な方などが入院治療を行います。

そして、毎年 900人以上の方が入院治療を行っています。

入院が決まりましたら、外来看護師より、説明を受けて入院手続きをして下さい。入院患者さんの治療にあたっては、主治医を中心として部長をはじめペインクリニック科の医師全員が検討し協力して行います。主治医や病棟看護師には何でもご相談して下さい。

注意事項について

当病院では個室と4人部屋があります。4人部屋では何人かの患者さんが一緒に生活しなければなりませんので、病院での規則や医師の指示を守って治療に専念してください。

入院手続きで、4人部屋をご希望されて入院する事になっていても、稀に前日の緊急入院する方などにより満床になることがあり、希望される部屋に入れないことがあります。そのためなるべくお電話を差し上げてその旨をできるだけ早くお伝えしますが、場合によってはご迷惑をおかけすることがありますので、そのときは宜しくお願いいたします。

入院当日は,主治医と約束した入院時間、または午前11時頃までに,1階中央受付入退院係で手続きをし、主に9-B又は9-A病棟のスタッフコ−ナ−に行って下さい。そこでまず事務と看護師から入院案内があります。盗難には責任を負いかねますので、貴重品・現金は必ずご自分の責任で管理していただくようにお願いいたします。パジャマのレンタルやインターネットサービスなどを行うことができますので、事務でお聞き下さい。

電気製品は原則として使用できないことになっています。

ペインクリニックの治療を優先させていただきますので、時間外の面会はおことわりします。

部長回診について

毎週火曜日と金曜日の午前8:00〜8:30までの間に部長回診があり、簡単な診察や治療方針などを決定することがありますので、ご自身の回診が終了するまで部屋で待っていて下さい。

治療について

治療は主として神経ブロックと言って、神経での痛みの伝導を一時的に遮断する方法で行っています。また、内服薬も併用します。地下1階のX線透視下の治療や3階にある手術室で手術を行う方もいます。

ブロック後は安静が必要ですので、その指示を良く守って下さい。

ブロックは 主に9-B病棟の治療室で行います。連絡がありましたら(午前10時頃)治療室においで下さい。午後外来で治療を行うときもあります。

但し、発熱や体調不良、別の病気の存在がわかったときは、その治療が優先されますので、神経ブロックなどの治療を行わないか、他の科に移ることがあります。

次に病棟で行う、1つ1つの神経ブロックについて説明します。

星状神経節ブロック

星状神経ブロックとは,頚部にある交感神経節を局所麻酔薬で一時的に遮断する治療法です。頭部、顔面、上肢、上胸部の痛み、顔面神経麻痺、上肢の血行障害のある方に効果的です。

ブロック時は、仰向けに寝て、まっすぐ天井を見て下さい。指に酸素モニターをつけます。血圧計をつけるときがあります。

そしてブロックする側の頚部を消毒した後、清潔なガーゼをおきますので、手は動かさずに体のわきに置いてください。 ブロックが終ったあとは、針を刺した部位を約 5分間おさえて下さい。その後、約30分間ベッドの上で安静にしていて下さい。その後気分不快や、ふらつきなどの症状がないことを確認した後,病室に帰ります.ブロックの効果として,針を刺した側の顔面・上肢があたたかく感じたり、眼の充血や、眼瞼の下垂、鼻づまりなどが出現することがあります.時にのどがつまったり、声が出にくくなったり、頚部や手がしびれたりすることがありますが、1時間程度で必ずなおりますので心配しないで下さい。のどに異常がある場合は、それがなおるまで食事をしたり、水を飲んだりするのをひかえて下さい。

何かあれば、遠慮なく医師、看護師に申して下さい。

硬膜外ブロック

硬膜外ブロックとは、硬膜外腔に局所麻酔薬を注入して神経の痛みを一時的に遮断する治療法です。主に腰部,仙骨部で行い、必要なら頚部、胸部にも行い、上肢、下肢など全身のどの部位の痛みに対しても効果を示します。硬膜外ブロックには1回法と持続法があります。

硬膜外ブロックの1回法とは、1回ごとに硬膜外に薬を入れる方法です。持続法とは、硬膜外腔に細いカテーテルを入れ、そのカテーテルの先端から薬を風船状の器具により1時間に2mlずつ持続注入して24時間管理する方法です。(図1、2)この方法は入院患者さんにのみ行います。ブロック時は、ベッド上で痛い側を下にしてエビの様な姿勢になります。針を刺す部位を特につき出す様にして下さい。姿勢のとりかたがよいと、比較的容易にブロックができます。ブロック後は、手足を楽にして下さい。痛い側が左右一側に限る場合は,約15分間痛い側を下にします。約 1時間半ベッドの上で安静にしていて下さい。(図 3) 手足のしびれ感や気分の不快がなければ医師か看護師が確認の後病室に帰ります。

硬膜外ブロック

検査について

病気の原因をつきとめることが治療方針の決定に結びつきます。そのため検査が治療に先だって行われることがあります。何かわからないことがあれば遠慮なく主治医に御相談下さい。

レントゲン透視下での治療

地下1Fの放射線治療室で神経ブロックを行います。レントゲンテレビで連続的に針先を見ながら、痛いところの神経に針先をあてたり、近くに持っていったりします。それによって,ピンポイントで早く安全に治療することができます。治療後の安静時間は決められた通り守って下さい。

手術ではありませんので特に家族の来院は必要ありません。必要な場合は受持医が申しあげます。

手術室での治療

3階に手術室があり、そこで午後に手術が行われます。当科での手術は、経皮的椎間板的手術、胸腔鏡下交感神経遮断術、脊髄刺激装置植込術などが行われます。手術前は絶食のことが多く、主治医の指示を守って下さい。

注意事項

高齢の方の場合、いろいろなご病気をお持ちになっている事があります。このような方は、まれにではありますが、入院中に脳梗塞や狭心症などを発病することがあります。また、これらの病気のため、年間900人に1人ぐらいの割合で急変することがあります。そのような場合は、早急に専門の医師に診察・治療して頂きます。また、その際はご家族へ至急の呼び出しがあることをご理解下さい。